「お金の奴隷解放宣言」をした私は、さっそくチップ大作戦を始めました。
良いサービスを受けたら、愛のチップを渡していくのです。
そしてそれは早速訪れました。
ちょうどガソリンがなくなったので、いつもとは違うガソリンスタンドに入ってみました。
そこは「従業員60歳以上~求む!」とデカデカと書いていて、「60歳以上限定のガソリンスタンドなんて面白い!」と好奇心にかられました。
確かに従業員の方々を見ると白髪まじりのおじさまばかりがいました。
車を止めて、「レギュラー満タンで!」とお願いすると、かぶっていた帽子をとり「喜んで」と満面の笑顔で返してくれました。
なんて気持ちの良い挨拶をするのだろうと嬉しくなりました。
ガソリンを入れている間も窓を拭いてくれたり、車の中のゴミを気にかけてくれたりとその丁寧なサービスに心地よい気持ちとなりました。
ちょうど車に愛犬が乗っていたので、愛犬を見つけるとその方が、
「こんなに大人しくて可愛いワンコ見たことがない! お姉さんのしつけが本当に良いからだね。かわいいワンちゃんと素敵な旅を」
そう話してくれた瞬間、心は決まりました。
チップ第一号はこの方だ! と。
そして「あの今日は暑いので良かったらジュースでも飲んでください。」
と200円を手渡しました。
おじさまは驚いた顔をしていましたが、
「ありがとうございます。こんなに嬉しかったことはないです。大切に飲ませて頂きますね。」
と言って、お金をとても嬉しそうにポッケの中に入れていました。
●お金の価値観を変える「お金=幸せを運ぶコウノトリ」
そしてガソリンスタンドを出て、あまりにも心臓がドキドキしていたので慌てて駐車場を見つけて、車を止めました。
私の渡したお金があんなに喜んでもらえている、たったの200円なのに、あんなに喜んでもらえた! 海外にいてチップを渡していた時は、そういう文化だからというどこかやらされている感が強かったです。
でも、今初めて自発的にサービスがとても気持ちよかったからお金を渡すことが出来ました。
その結果、私に200円以上の幸せがもたらされるようになったのです。
お金を渡しているのはこちらなのに、あのとびきりの笑顔を見たら私の方が幸せな気持ちにさせてもらったからです。