前回のあらすじでは、父のご縁で、食事療法を指導してくれる医学博士伊藤慶二先生に出会い、「病気をしない生き方」を教えてもらう過程で、食べ物を全てオーガニックにする為にしてきた事と、生命力を上げる呼吸法を紹介しました。
そして次の難問が、自分自身の心の葛藤です。
これで元気になれると信じて実行しようとしたものの、食事改善とは、今まで好きだった食べ物を食べたいのに、我慢する食事だ、という事実に直面し、心は揺らぐのでした。
~食べたいのに食べられない気持ち
息子がまだ保育園に通っている頃、伊藤先生に出会う前の時のお話です。
我が家の両親は、貧乏農家だったので砂糖を入れたおかずは普段からあまり作っていませんでした。私が15歳の時に母の病気治しの為に、自然食に切り替えて1年ほど玄米を食べたことがありました。
その時の母の知識で、「お肉は血を汚すから、食べてはいけない」と言われて、家族は焼き肉を食べて匂いをプンプンさせているのに、私は肉無し餃子を台所で一人で食べているのです。
甘いお菓子・焼肉・お寿司・カレーライスなど、家族が普通に栄養を摂ると言って、食べているのに、「久恵は病気だから」と言われて、食べられないのです。
その時は、悔しいのです。
母が私のために、手作りしてくれる愛情を受け止めることも無く、自分を凄くみじめに感じて怒りをぶつけてしまいました。
「何故、私だけ食べられないの?」「みんなと同じ食事では、いけないの?」と、食事療法をただ親から与えられて無理強いされていた時は、こんな我儘を言って母を困らせ、怒らせてしまい、「もう作ってあげません」と突き放されてしまいました。
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