ココロセラピストが考える!? 『カミングアウト系な人たち』とは?
~人生はひとそれぞれ~

カミングアウト

心に触れるひとたち

   

昔、といっても、平成くらいからの流れだと思うのですが、カウンセラーやセラピスト、ヒーラーなどの職種(?)が増えました。

癒し系じゃないにしても、リーダー的存在とか、カリスマとか。セミナー講師とかもそうですね。

要するに人の心に触れる職業というか。人生に少なからず影響を与えるというか。

僕自身もその流れに乗って生きている人間なので、ココロセラピストと名乗って現在に至っています。「どこら辺がセラピストなの?」とか「癒しのひとつも与えてないじゃん」とか「アカデミック性に乏しいよね?」とか、時々、自分にツッコミを入れていますが、それはそれで構わないと思っていて。

 

  

オンリーワンが好きな人たち

   

そうなってくると、単なる知識だけをひけらかしても面白くなくて。エピソードが重要になってくるんですね。神話、物語。

平成頃にちょっと流行った言葉に「オンリーワン」という言葉があります。唯一無二の。ビジネス系の人たちの間では「セルフ・ブランディング」という言葉が流行った時期もあったと記憶しています。今も「個性」という言葉は流行っているのではないでしょうか。

結局のところ、人間関係って個性対個性なんですね。目立つ必要がある人にとっては、良い意味で強い個性やインパクトがあった方が魅力的というか。

なので、脚色しすぎはどうかと思いますが、「自分自身の人生経験で培ったエピソードを活かして話してます!」っていう人が人気になるんですね。今も、その傾向はあるのかな。

 

  

カミングアウト系な人たち

   

オンリーワンの等身大の自分が一生懸命生きている。これは良いことです。みんながすきな「ありのままの私」ですよね。イズムというか主義というか、そういうのも大事だと思います。

僕は僕自身のこだわりがあるし。

でね。オンリーワンの話をする必要性が出てくると個性全開になってくるんです。差別化を図るために。

スーパーヒーローものが好きな人って、なんとなくわかるかもしれませんが『オリジン』って聞いたことがあるのではないでしょうか。

「俺は、平凡な少年だった。悪いヤツに大切な家族や友達を奪われた。そしてヒーローとして生きる道を選んだんだ……」的な。

マンガとかなら、壮絶な設定でおもしろいんだけど、現実で自分のキャラ設定を周囲に植え付けるために、わざわざ盛る必要はないんですね。別に、大切な何かを誰かに奪われる必要ないし。

劇的な人生を歩んでいなかったら、他者の気を引くことができないのかっていうと、そんなことはないんです。

と、いいつつレアな過酷な体験を語る人を見つけると「なんかすごそう!」という気になってしまうのが人の性というか。

だけどね、それって「ドラマチックなエピソードがない人は魅力のない人」って勘違いしてしまうでしょ。

これは、気をつけなくちゃならない、とても重要なことなんですよ。

地味な人生。平凡な人生。

良いじゃないですか。羨ましいじゃないですか。

どうやったら、平凡という名の平和な世界を実現できたのか。ものすごく興味ありませんか。

平凡ってありそうで、レアなんですよ。

運が良かっただけだとしても、運だけで生き延びられる人も、そんなにいないと思うんですよ。

小さな分岐点を自分で選択し、決断し、行動した積み重ねが、平凡を手に入れてるんですよ。

食生活がよかったのかもしれないし、快眠法を無意識に編み出していたのかもしれない。気づいていないだけで、ものすごくすごいことが潜んでいるかもしれません。

別に、誰かと命のやり取りをしたから偉いとか、そういうわけではないので、自分自身をきちんと見つめ直して、自分自身に詳しくなれたら、その中で、誰かに伝えたいこと、強調したいことを言えばいいと思うんですね。

僕は結果的に、ではありますが、愚痴るというか、過去のつらい体験をエピソードとして出していますが、それは僕がネガティヴだからであり、それを言えばカッコいいとか思っているわけじゃないんですね。お涙頂戴を狙っているわけでもないんです。

逆に「逆境に強い、俺!」と自己アピールしているわけでもないんです。

「こんな人生を歩みつつも、なんだかんだで、のらりくらりとして生きている僕ですが、どうぞよろしくね」って話なんです。

何が言いたいかというと『カミングアウト系な人たち』が偉いってわけじゃないからねって話です。

 

  

誤解しないで欲しいこと。

   

カミングアウト系な人たちは、インパクトの強いエピソードを語ります。これが悪いってことではなくてね。いいんです。そういう人生を歩んできたと言っているだけだから。

ただね、気をつけて欲しいんです。

「だから、俺のように生きろ!」と自分の生き方を誰かに押し付けてはいけないってこと。

だって、そうでしょ。僕は、あなたじゃないし、あなたも僕じゃないんだから。

それこそ『オンリーワン理論』で言うなら、その人の生き方を再現する必要なんてないんですよ。

みんな、生まれた時も、場所も違うんだから。違う人生なんだから。

なので、僕も自戒の念を込めて書いてますが、自分の過去をカミングアウトするのは良いけど、それを美化しすぎたり、そこでたまたま成功した何かをまるで黄金ルールであるかのように、誰かに押し付けない方が良いよって。

 

  

私は私。

   

たとえば、不登校が良いとか、悪いとか。拝金主義が良いのか悪いのかとか。宗教を信じるって良いことなのか、悪いことなのかとか。

みんな、違うじゃないですか、それぞれ。

悩みも似たような感じでも、みんな微妙に違ったりしますよね。

なので、特に、人の心にダイレクトに触れてコミュニケーションを取る人は特に、カウンセラーやセラピストじゃないにしても、「自分は自分」「他人は他人」という線引きをしっかりしつつ、自分や相手が、自分らしく、輝けるように、お互いがお互いを尊重できるような関係性を意識できたらいいですよね。

  

  

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