ココロセラピストが語る! メンタルヘルスを本気で考えてみました!~精神疾患だけが問題なの?~

心に意識を向ける

心の健康に意識を向ける人が増えてきました。
とても良いことだと思います。

心と身体は密接にかかわりあっています。
心が健康だからこそ、生きている充実感が得られ、人生の質(QOL)がどんどん高まって行くのです。

自分の心の健康を維持するために、たくさんの人が自分なりにできることを考えて行動するようになってきたのではないかと思います。

最近では、企業でもマインドフルネスを導入するなど工夫をする人たちも増えてきました。
以前なら、「メンタルなんて自己管理の領域だ!」という感じだったと思います。
でも、今の時代は徐々に「個人のメンタル≠個人だけの問題」ということに気づいてきたのではないでしょうか。
もし、そうなら僕はそれをとても嬉しく思います。

 

精神疾患は心の弱さ?

一昔前は、気合と根性こそがすべてでした。
今でいうとこころの精神疾患の人たちは「根性が足りない!」「やる気がない!」「言うことを聞かない!」「わがまま!」「無能!」「頭のイカれたヤツだ!」と言われました。
もっと酷い言葉で言われていたかもしれません。

でも、今はかつてそうやって虐げられて、迫害されてきた人たちも、それらは障害であり、好きでメンタルに不具合が起きているわけではないと徐々に理解始めました。

必ずしも気合と根性だけで人生の質が高められるわけではないのです。
先天的なものか、後天的なものかは別として、なんらかのきっかけがありメンタルに不調が生じてしまった人たちは、前時代の人が標準装備と思い込んでいた気合いや根性のレベルに至らないのです。
でも、彼らは決して世の中をナメているわけではなく、至って真剣に生きているのです。

僕は医療従事者ではありませんが精神疾患と心の弱さを安易に結びつける発想は安易すぎると思っています。
メンタルが乱れると判断力や思考力も低下する場合もあると思います。
それに関しても、元々の知力が低かったというわけではありません。
メンタルが穏やかな時は、判断力や思考力だって復活するのです。
ただ、メンタル不調に波がある場合、常に理性的な思考や判断ができるわけではありません。
普段は知的で優秀な人でもメンタルに不具合が生じている時は「この人は一体何を言ってるんだろう?」と思われるような言動をすることもあります。

確かにそれは困ります。
とはいえ、だからといって、心が弱いかどうかは関係ないのです。

 

心の問題と脳内物質

心の問題を扱うと、何割かの人は「それって結局は脳内物質が関係してるんでしょ? セロトニンとかドーパミンとか……」と言います。

僕は脳科学者ではないので、何とも言えません。
そうかもしれないし、違うかもしれません。

ただ、仮にその説が間違っていなかったにしても、心の問題を脳内物質がどうこう言う話だけで片付けてはいけないと僕は思うのです。

では、脳内物質を薬か何かでコントロールできたとします。
そうすれば、心の質って高まっているということになるのかをイメージしてみて下さい。

どんなに辛くても、辛さを感じない状態を意図的に作り出せたら、それって良いことなのでしょうか。
僕はそうは思えないのです。

それって、よく漫画の設定などに出てくる「痛みを感じない(&疲れを感じない)超人兵士を作りだせば最強の軍隊が作れる!」といったような発想だと思うのです。

苦しみ、悲しみ……。
そういった感情は無意味ではないのです。
心の痛みがあるからこそ、人間は人間でいられるのです。

心の痛みがあるからこそ、疲れてしまって「そろそろ休んだ方が良さそうだ……」ということがわかったりしますよね。
ここで前時代的発想で考えると「そもそも疲れたから休もうなんて甘ったれだ!」と言うのかもしれません。
でも、それって僕に言わせると人生の質(QOL)が著しく低い状態なのです。

24時間戦える企業戦士や受験戦士なんて増やさなくて良いのです。
時には苦しみ、時には悲しみ、時には感情が麻痺したり、暴走したりしながら、人間は人間らしく生きる方法を模索して成長していくものだと僕は思うのです。

薬物療法を全批判しているのではなく、それだけでは心の問題は解決しないと僕は言いたいのです。