ココロセラピストが考える! 駅の恐怖~「迷惑な話だ!」というだけで本当に大丈夫?~

駅はたくさんの人が集まり、行きかう場所です。

会社(or学校)に辿りつけない人たち

「駅までは来たのですが……なんだか具合が悪くなってしまって会社に行けなくなってしまいました。
申し訳ありませんが、引き返します……お休みさせて下さい……」

こういうセリフを聞いたことはありませんか。
誰だってできれば仕事も学校も、そんなに楽しみにはしていないと思います。
でも最低限の気合と根性で毎日通うわけです。

でも、最低限どころか、人によってはそれがものすごく苦痛で本当にどうして良いかわからなくなってしまう人たちも多いのです。
頭が痛くなったり、お腹が痛くなったり、息苦しくなって来たり、涙が止まらなくなったり、症状は人さまざまです。

彼らは決してサボり癖や怠け癖があるわけではないのです。
だから駅まで来たのです。
そもそもやる気がない人たちが、わざわざ早起きして駅まで行って「サボろう」って思うでしょうか。

これって結構、急になるのです。
なんでわかるかというと、僕自身が体験したことがあるからです。

某仕事をしていた頃の話です。
ある時、朝目覚めると、身体がものすごく重かったのです。
疲れが抜けていないだけだろうと気合いで起きると、今度は胸が痛くなって息苦しくなってきたのです。
顔でも洗えばスッキリするだろうと洗面台に行って洗顔し、歯を磨くと今度は激しい咽こみが止まらなくなってしまいました。
のんびりしていると遅刻してしまうので自分に鞭打って着替えて外に出ると今度は目がかすんで前が見えなくなってしまったのです。
歩いていれば、体も今度こそ覚醒して来るだろうと思うのですが一歩前進するごとに具合が悪くなって行くわけで。
でも、無理して仕事には行ったのです。
風邪ではなさそうだし、原因もよくわからないですから。

当時、仕事そのものは正直言えば楽しくはありませんでした。
(※今の執筆業などはものすごく楽しいです)
でも、仕事はある程度は我慢するしかないと思っていましたし、今まで散々イヤな仕事もしてきましたが、こういう症状にはならなかったのです。
だから、何故、そういう事態に陥ってしまったのか自分でもわからなかったのです。
でも、一応行ったからには仕事をしなければならないので頑張って働きました。

その頃から、翌日も、その翌日も、日に日に症状が悪化して来ました。
ちょうど幸か不幸か持病のヘルニアの痛みが再発して歩くのが辛くなってしまったのです。
「色々な意味で、もう通勤できないな……」と思った僕は潔く仕事を辞めました。

それからしばらくは本当に歩くのが辛くて杖生活をしていました。
でも、腰痛以外の症状はキレイさっぱり消えたのです。

今考えると、もしあの時、腰痛にならなかったら僕も「フラフラとホームに吸い寄せられて……」という症状になっていたかもしれません。
もちろん自殺願望なんてありません。
具合が悪すぎてそれどころの騒ぎではないのです。

僕の場合は単に当時の仕事が色々な意味で向いていなかったのが原因なのでしょう。
ただ症状は急に出ます。
怠けたいわけでもサボりたいわけでもなく、急に具合が悪くなるのです。
しかも毎日。
急なので自分で予防も対策もできなかったのです。

僕は皮肉なことにヘルニアに救われましたが、多くの人は謎の症状に悩まされながら無理に無理を重ねて、気がついたら無意識が死に向かってしまっても不思議ではないなと思うのです。

明らかにメンタルの問題だとは思いますが、頭が「まだ大丈夫」と思っていても、心や身体が「ダメ」と言っていたら、理屈の問題ではなく具合が悪くなってしまうのです。
だからこそ、その矛盾で「私は、どうなってしまったんだ?」と思ってしまうのです。
ちなみに、そのような方が近くにいらっしゃったら迷わずカウンセリングを勧めて下さいね。

僕が会社に行きたくなかったという話をしたかったわけでは無くて、症状は急に出る。
不可抗力だ、というお話です。
だから、駅にはそういう人も何割かはいるかもしれない程度には頭に入れておいて欲しいのです。
明日は我が身ですから。

駅はたくさんの人が集まり、行きかう場所です。
たくさんの人生が交差する場所です。
だから、どんな人がいても不思議ではないのです。

通勤ラッシュや帰宅ラッシュがストレスなのはわかります。
でも、自分自身がくたくたに疲れているように、他の人もくたくたに疲れているのです。
だからこそ、自分を含めたみんなが、無事でいられるように意識を少しだけ向けてあげて下さい。

カウンセリングに誘導するまではできなくても、様子がおかしい人に、一声かけてあげるくらいはできると思うのです。
また、どうしても時間に追われてバタバタするのがイヤなら、少しだけ余裕を持って早い電車に乗るように心掛けるのも良いと思います。

望むと望まざると、不運と出会う時は出会うのです。
そんな時に、小さな心のゆとりと優しさがあれば、きっと誰かが救われる。

結果、遅延も減らせる。僕はそう思うのです。

 

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