危険! 日本人総クレーマー化計画!?—思い遣り? 何それ? 私を何様だと思っているのよ!—

心の病を防ぐのはお医者さんの仕事ではありません。僕たちの仕事であり、僕たちの責任なのです。

でも、生徒からすると先生そのものの存在がクレーマーだったりする場合も多々あります。今では考えられないと思いますが、僕が子供の頃は小学生相手にテストの点数が悪いと1メートル物差しで殴られるという話も聞いた事があります。僕は幸運にもそういう先生には当たらなかったので本当にラッキーでした。

他にも姿勢が悪い生徒には服の襟から1メートル物差しを突っ込まれたりしている人もチラホラいたような気がします。

僕が中学生の頃は、忘れ物をすると、その授業は正座でした。たとえば数学の教科書を忘れたら数学の授業中は正座なのです。でも、筆記用具を忘れたら一日中の授業の必須アイテムを忘れた罪に問われますので、一日中正座と言う事になります。
朝、遅刻しても朝自習の時間帯は廊下で勉強させられました。

建前としては教育的指導なのかもしれません。しかし、それってよくよく考えると、指導と言うより理不尽なクレームだと思うのです。わけのわからない意見を押し付けられて強要されても困ってしまうのです。生徒の心が病んでしまっても仕方がありません。

どれも、因果関係がわかりづらいのです。何のために、そのような理不尽なペナルティが必要なのでしょうか。

テストの点が悪いと怒られる。遅刻をしたら廊下で正座して勉強。忘れ物をしたら正座で授業。どれも、言うなれば見せしめの刑、すなわち公開処刑ですよね。

そういう指導(?)をしていると恐怖から逃れるために先生の言う事を聞く生徒しか育ちません。向上心など生まれませんし、勉強する意味も学校に通う意味もわかりません。ただ身を守るために『良い子』でいなければならないのです。

教師とは、そもそも生徒たちに生きるための知識を与え、知恵を身につけさせ、生きる素晴らしさや術を教えるところです。

それを忘れて「細かい事は良いから、とにかく先生の言う事に絶対服従しなさい!」的な教育をしたらクレーマー以外の何者でもないのです。

「イジメはダメだよ」と言いながら、実はイジメの張本人は教師だった。それでは学校なんか行きたくなくて当たり前です。不登校になっても心が病んでも、仕方がありません。心が強いか弱いかは関係ないのです。行くに値しないから病んでしまうのです。

もし、そんな学校が現代にも残っているのなら、それこそモンスターペアレンツと戦って共に滅んでしまえと思わなくもありません。

会社も同じです。会社は遊ぶところではありません。それは正論だと思います。しかし、居心地の悪さを定着させては生産性が上がらなくなる事も忘れないで欲しいところです。

確かに会社というものは営利目的なので非生産的な人材は必要ありません。場合によっては解雇されてしまっても、契約を切られてしまっても仕方が無いのかもしれません。

しかし、会社と言う存在は教育的側面もあるのです。上司が部下を育てるのも立派な仕事なのです。だからこそ、次世代へと理念や情熱、技術が継承されていくのです。
ということは人材を潰すような言動はタブーなのです。

にも関わらず、部下や新人の人格を否定するような理不尽なクレーマー上司はいないでしょうか。もしいたら、その会社の社員たちは心がどんどん病んでいく危険性があります。

「最近のヤツラは根性が無い。やる気も無い。直ぐにふてくされて辞めてしまう!」とキレても意味が無いのです。もし指導の中に相手の人格を否定するようなキーワードを要所要所に入れていたら、仕事がイヤなのではなく、その人自身が否定された気持ちになり、生きている事すらイヤになって来ます。最悪、命を落とします。
怒鳴りつけても、睨みつけても、仕事の生産性は向上しません。モチベーションを下げ、離職率を上げ、心を病む死んだ魚の目をしたような社員が増えるだけです。

もちろん、部下を甘やかせと言っているのではありません。問題があるのではなく人格ではなく問題点を指摘すれば良いのです。改善努力をしても、どうしても結果を出せなくて会社にとって不利益な存在ならば、人格を否定するのではなく、「少なくともこの会社の求める人材ではない」と思って辞めて貰うしかありません。イジメ要因として残されたら、それこそ残酷です。残すなら育てる。不要なら次の職場で活躍できる事を祈ってあげてお別れする。それだけで良いのです。

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自分がされてイヤな事は他の人にしてはならない!

世の中には、あちこちにクレーマーがいます。クレーマーと関わってしまうと本当にロクな事がありません。世の中の愚痴の多くはクレーマーに対してです。

たとえば奥さんが会社帰りの旦那さんのために、パート帰りに一生懸命食事を作って待っていたら「またいつもと同じメニューか……芸が無いな……」なんて言われたら、どんな気持ちになるでしょうか。努力を一瞬にして否定されて、やる気の無い無能な人間であるかのようなクレームをつけられたら、悲しくなりますよね。

では、そんな奥さんが翌日イライラしながらスーパーの店員さんに「いつまでレジを待たせるのよ! モタモタして!」と言ったら、どうでしょうか。レジ打ちバイトの店員さんは学校帰りに一生懸命勉強の合間に時間を作って安い給料で変なシフトなのに文句も言わず働いているのに。こんな日が続いたら心が病んでしまうと思いませんか。

その学生が、イライラして、学校の先生や両親に反抗的になったらどうでしょう。正当なクレームなら問題無いかもしれません。しかし必要以上にアゲアシを取ったり、理不尽な言動を繰り返すようになったらどうでしょうか。困るのは学校の先生や両親です。

そういう負の連鎖を作ると、日本中が病んでしまいます。世の中と言うのは、色々な要因が重なり合って巡り巡って動いているのです。

そもそも「人がイヤな事は他の人にはしてはならない!」と誰もが知っているのに、何故、自分の事は棚に上げて、自分自身がクレーマーになってしまうのでしょうか。

クレーマーはクレーマーによって作られる。これは覚えておいてください。もし、クレーマーに遭遇してしまっても、どうしても戦わなければならないのであれば相手はクレーマーです。他の誰かに飛び火させないようにして下さい。負の連鎖を断ち切れるのは、僕自身だけであり、あなた自身だけなのです。

これは、敢えて過激な言い方を選ばせて貰いますが、頭の悪い人には理解できません。なので、あなたがそうではない事を信じてお願いします。あなたは絶対にクレーマーにならないでください。そして、小さな事でもきちんと感謝できる人間であって下さい。

「毎日学校に来てくれてありがとう」
「残業ばかりで辛いのに、文句も言わず遅くまで働いてくれてありがとう」
「毎日ご飯を作ってくれてありがとう」

「時にはミスもあれば対処不能な事もあるよね。ドンマイだよ……」

もし、一人でも多くの人たちが、これを本当に理解し、実践できるようになれば、世の中から心の病は消せる。僕はそう信じているのです。

心の病を防ぐのはお医者さんの仕事ではありません。僕たちの仕事であり、僕たちの責任なのです。

 

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