【漫画の世界が現実に?】
2012年に『PSYCHO-PASS(サイコパス)』という「深夜アニメ番組」が放送されました。こちらは、大ヒットテレビドラマの「踊る大捜査線」の監督として有名な「本広克行」氏が総監督を務め、週刊少年ジャンプで連載され、アニメ化もされた『家庭教師ヒットマンREBORN!』の作者である「天野明」氏がキャラクター原案を行い、ハードな作風でコアなファンを持つ「虚淵玄」氏が原案、人気小説家である「深見真氏」が脚本という、非常に豪華なスタッフによって作られたものです。
そのため、「幅広い層から支持を集め、第2期や映画版も制作された」ものです。
こちらの作品は、ジャンル的には「近未来SF」に分類されますが、タイトルにもなっている「PSYCHO-PASS」が重要なテーマとなっています。こちらは、本作品独自の用語であり、「人間の精神状態を生体力場から読み取り分析することで数値化されたデータ」を表します。精神状態が機械的に分析できることから、その人に向いた職業や、恋人、生活リズムまでが政府によって管理されている未来世界が舞台となっているわけです。
また、このPSYCHO-PASSでは「犯罪係数」と呼ばれる数値も計測されています。これは、「犯罪者になる可能性」を示したものであり、これが一定数に達すると実際に犯罪を犯していなくても、収容所に隔離されたり、甚だしく高い場合は「即時処刑」されてしまいます。この数値は特別な装置でしか詳細には調べられないものであり、一般的には「色相」と呼ばれる色合いによって、自分自身の精神状態を知ることができます。
【オーラで犯罪者を発見する】
この色相というのは、スピリチュアルな世界で言われるところの、「オーラ」と概念的には似たものです。そもそも、精神状態を判定できるベースが「生体力場」というのも、オーラと関わりがあるようにも感じます。とはいっても、あくまでもフィクションの話なのですが、最近、現実の世界でも「犯罪者をオーラを分析して発見する」という機械が登場しています。
ロシア政府と関係の深い研究機関が開発したこの機械は、「2台の監視カメラと、その画像を分析するコンピューター」から構成されています。「DEFENDER-X」と名付けられたこのシステムは、2014年のソチ五輪で不審者発見に使われました。その結果、不審者の可能性があるとして検知された人間のうち、「9割が不正入場などを試みていた」ことがわかっています。つまり、しっかりとした実績があるのです。
では一体、どのようなシステムで不審者を検知しているのでしょうか? 基本的には2台のカメラによって撮影された「顔の動きを分析」しています。人の顔の微妙な動きの幅や周期などを「10万人以上の実験から得たというデータを元に分類色分け」し、各部位にどのような色が現れているのかを表示することで、対象の「精神状態がわかる」ようになっているのです。
【すでに警備会社や警察でも導入が検討されている】
オーラといえば、「様々な色を持っている」ことが有名ですが、DEFENDER-Xも、分析した結果表示される色合いを「オーラ」と呼称しています。面白いことに、その色味はスピリチュアルな世界で使われているオーラの色分けと近いものがあるのです。例えば「赤は攻撃的」「緑は平静」「青が安息」といった具合です。ちなみに、前述したPSYCHO-PASSの色相は、赤や青といった色でわけるのでははなく、それぞれの「色の明るさ」で犯罪傾向をチェックしていましたので、一般的なオーラとは趣を異にするものです。
DEFENDER-Xは、生体力場や生体磁場と呼ばれる、スピリチュアルな世界のオーラを解析しているわけではありませんが、「顔の表情や動きからその人の精神状態をかなり詳細に分析する」という、とても興味深いシステムといえるでしょう。2020年に東京オリンピックが控えているということもあり、日本でも「警備会社はもちろん、警察でもこのシステムが本当に有用なのか実証実験が開始されて」います。
こちらはあくまでも、犯罪や不正行為を行う前に精神状態を見破るだけのものですが、もし今後、より科学が発展して、現在でははっきりと捉えられない「生体磁場や力場が証明された」としたら、2112年の未来を描いた「PSYCHO-PASS」と同じような世界がやってきても不思議ではないかもしれません。
機械によって、自分自身の精神状態が把握されるだけでなく、職場や恋人、さらには運命までも左右されてしまう未来。あなたは、どう思いますか?
Anime world became to the reality world.
Machine to certify the criminals.
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