ココロセラピストが語る!『スネ夫的ナルシスト』とは?

僕たちが時々使う、「●●さんって、ナルだよねー……」というのは学術用語と必ずしも同じ意味合いではありません。なので、スネ夫はナルシストですが、人格障害ではありません。

 

フロイト

ナルシシズムという言葉は頻繁に使われます。ところで、この言葉を最初に使い始めたのは誰かご存知でしょうか。あまり気にかけた事は無いかもしれませんがフロイトです。彼の後に続いていろいろな学者さんたちがナルシシズムの研究に貢献して現在に至ります。

ナルシシズム(難しい解釈)には大きく分けて2つあります。

1つは成長過程の防衛機制です。赤ちゃんは自分や他人の境界線をあまり理解していません。しばらくして、極端に言うと乳離れをします。「ママはママ。僕は僕!」みたいな事を理解して来ると、自分を守る必要性が出て来ます。そのプロセスで、自分大好きといったような感覚が発生すると言われています。

もう1つは病的なモノです。こちらは赤ちゃんではなく思春期以降です。自己満足と周囲の注目に全力を注ぐ一方で、他人の感情に疎く、依存的になってしまったりするタイプです。これは俗に言う自己愛性人格障害の中核に当てはまります。問題があるとすれば、こちらのパターンです。
もし、自分、もしくは身近な人にこのタイプがいたら放置したりせず、信頼できる心の専門家に相談した方が良いでしょう。(※「ナルシスト=精神疾患」という意味ではありません!)

僕たちが時々使う、「●●さんって、ナルだよねー……」というのは学術用語と必ずしも同じ意味合いではありません。なので、スネ夫はナルシストですが、人格障害ではありません。

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スネ夫的ナルシスト

そのように考えると、ナルシストにもいろいろと種類がありますがスネオ的なナルシストは結構良いモノではないかと思えては来ないでしょうか。ナルシストですが、他人がどうでも良いわけではなく、友達は大事にする。趣味のプラモデルでも絵でも、いい加減に楽しんでいるのではなく、それなりの完成度を求め、それを達成する。自分が褒められなくても凹んだり逆上したりしない。むしろお世辞とはいえ相手を褒める事が出来る。自分をイケメンだと思い、自分を知的だと思い、それなりに自信を持って生きている。それでいて自分が最強と勘違いしているわけではなく、状況に応じて押したり引いたり駆け引きも出来る。人に大きな害を与えるわけではなく、自分を愛し、それをエネルギー源として(?)楽しく生きる。これって、実はとても素晴らしい事ではないでしょうか。

悩みの多い人は、どちらかと言えばセルフイメージが低い人が多い気がします。何があったかは個人差があるにせよ、場合によっては自分が嫌いでたまらない人だって現実にはたくさんいます。単に謙虚なだけなら問題無いかもしれません。しかし、セルフイメージが自己否定になってしまうと、本当に辛くなってしまいます。

人生の質(QOL)は自分自身をどう認識し、どう振る舞うかで大きく変化します。度が過ぎると嫌われますが、堂々と「自分大好き!」と言い切ってしまった方が清々しい気持ちになれるかもしれません。

とはいえ、簡単にスネ夫的ナルシストになれるかというと決してそんなに簡単ではありません。しかし、スネ夫的ナルシストが少しでも幸せに思えたら、せめて自分を嫌わないであげて下さい。
自分大好き。だからこそ、人生は楽しいのですから。

 

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