ココロセラピストが語る!『わかるだろ? ウザい海外ドラマと日本人』とは?

でも!! 実は気づいていない人も多いかもしれませんが、日本人もこのカンに障る奇妙なコトバを案外使っているようなのです。

 

「わかるだろ?」がムカつく理由とは?

海外ドラマの「わかるだろ?」といった高圧的な言い方が癇に障るのと同様に、日本人特有の(?)ノン・バーバルな「わかるだろ?」もかなり無言の圧力を感じます。

海外ドラマの「わかるだろ?」は、どちらかと言えばその後に「俺に従え!」といったようなニュアンスが感じられると思います。して欲しい事が比較的明確な感じです。

日本「私、○○なんです……(わかるでしょ?」は、「察してよ!」的なニュアンスが感じられる気がします。だからネガティヴな発言を使う人に多い(?)のです。

気をつけて欲しいのは、特に日本版です。海外ドラマの「わかるだろ?」はフィクションなので深く考えなくて良いのですが日本版は日常茶飯事に使われているのでかなり危険です。何が危険なのかというと、この言葉を特技としている人は何気に人を操るのが得意だったりします。

「察してよ!」というのは、言葉にこそしないけれど、あなたの意思で私のネガティヴな個所をなんとかしてよという意味で使われる事が多いのです。しかも、自分が何かしでかしてしまっても事前に「私は○○だ」と説明してあるのだから笑って許すか大目に見てくれという裏の意味も含まれている事が多いです。

「私、具合が悪いんです……(わかるでしょ?)」と言われたとします。「あっ、そう……」で済ますわけにはいかない気持ちになりませんか。軽く扱うと罪悪感で苦しくなって来るような不快感ってありますよね。そうすると、自分から何かアクションを起こさなければならない強迫観念が生まれて来たりする感覚、1度や2度は誰にでもあるのではないでしょうか。

これが小さな子供だったら「だったら早く帰って寝なさい。ゆっくり休んでしっかりと回復するのよ。後の事は私が何とかするから……」と言ってあげたくなるかもしれません。

でも、大人の場合、経験上無意識的に、相手がそう言ってくれるのを望んでいる可能性があります。だから敢えて結論を言わないのです。運が良ければ自分が望んでいる事以上にメリットがあるかもしれません。

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言語能力が著しく低い人は仕方ありません。そうではない場合に結論を言わないのは、残念ながら裏があるという可能性もあります。このメリットは大きいです。何故なら自分は何も言っていないのに、相手が勝手に察して、勝手に優しくしてくれているし、許してくれているのです。そう決断したのは相手ですから、自分に否はありません。そうです。悪意があるのかないのか、意識しているのかしていないのかはわかりませんが、とにかく、そうやって他人を操るのです。

「私は具合が悪いんです。だから、仕事の締め切りを延ばして下さい」
「私は具合が悪いんです。だから、今日は早退させて下さい」
「私は具合が悪いんです。だから、手伝って下さい」

このようにハッキリ言ってくれた方が、何が問題で、何をどうして欲しいのかが明確になるので合理的です。具合が悪いのは本当だとしても、だからどうしたいのかがわからないと、色々な面で困るのです。

「仕事の締め切りを延ばして欲しい」と言ってしまうと、それを許可して貰えたとしてもそれ以上の事は望み難くなります。だからこそ、「……(わかるでしょ?)」という具合に誘導するのです。あわよくば「手伝おうか?」とか「代わりにやってあげようか?」と言って貰えるかもしれないのです。頼んでもいないのに。こちらから頼んだのではないので負い目も少なくて済むのです。自分から要望を提案した場合、最悪却下されるリスクもあります。しかし相手に気遣いをさせるコトができれば、少なくとも何かしらしてもらえる(許して貰える)可能性が高まります。

「私、財布を落としちゃったんです……(わかるでしょ?)」というケースはもっとわかりやすいかもしれません。「だから、おごってください」とは言いづらいです。なので余程図々しくなければ「だから、お金を貸して下さい」と言うと思います。そうすると、借りる事は出来ても返す義務も生じてしまいます。そこで敢えて「……」で貫き通せば、同情されて「じゃあ、今回は私が御馳走するよ……」と誘導できるかもしれないのです。

このような感じで、何か直感的に「わかるだろ?」にイライラしてしまうのかもしれません。

もちろん、これは極端な例です。ここまで意地汚い人は滅多にいないと思います。ただ、何も言わずして相手を操るテクニックとして悪用する人もいるから気をつけて欲しいのです。

ただし、誰かを操ろうとか、そう言う事ではなく、何らかの事情で混乱していて状況は把握できているが、どうして良いのか本当にわからないということもあると思います。そういうときは「私、○○なんです……。今ちょっと自分では判断できないので指示(助言)を下さい」というのがベストです。

結論を言うと言うのは、必ずしも決定すると言う事ではありません。自分がどう思っていて、どうしたいのか。それを伝えて相手とコミュニケーションをして決定するのです。

もし、あなたが結論をうやむやにする習慣があったら、ぜひ結論を伝えるように意識して見て下さい。もし「わかるだろ?」系の人が現れたら、「うん……。○○なんだね」と、一旦、それを受け止めてあげて、「あなたは、それに対してどう思っているの?」と聞いてあげて下さい。

 

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