自分には何の実力も才能もないと思い込んで、まるで成功体験が周囲を騙しているかのような罪悪感に苛まれてしまう。人の感情の中でも罪悪感というモノは特にパワーを秘めているような気がします。実際に悪い事をしていなかったとしても、罪悪感を持ってしまったら苦しくなってしまいます。
セルフイメージが「私は嘘つきで、詐欺師なんだ!」というモノになってしまったら、いたたまれない気持ちでいっぱいになってしまうと思います。もっともプロの詐欺師は罪悪感なんて持っていないと思いますが……。
本当に悪い事をして罪悪感を持つとしたら、それは普通です。罪悪感が無い人は人としてどうなのかと思います。しかし不要すぎる罪悪感は不健康極まりないです。苦しいだけです。
僕の好きなマンガに『ジョジョの奇妙な冒険』という作品があります。
そこに小林玉美という敵が出て来ます。色々な敵がいますが、僕はこのキャラクターが特に気に入っています。
彼には特殊能力(スタンド)があります。その能力こそが、まさに罪悪感です。相手に罪悪感を植え付けて苦しめるのです。相手が罪悪感を持たせる事が出来なければ何の効果もありません。しかし、少しでも相手に罪悪感を抱かせれば心身に重圧を与えて苦しませる事が出来ます。相手が罪悪感の重圧に耐えられなくなると自殺してしまうと言うほど恐ろしい能力です。
これはマンガの話ですが、とてもリアリティを持っています。罪悪感がもたらす影響を考えたいときはぜひ、このコミックを読む事をお勧めします。(※僕はジョジョの回し者ではありません)
小林玉美は、相手にあれこれ言って言葉巧みに罪悪感を植え付けます。しかし詐欺師症候群の恐ろしいところは他者によってではなく自分自身で罪の意識に捕らわれてしまう事です。決して好き好んで罪の意識や劣等感で苦しんでいるわけではないところが辛いところです。
詐欺師症候群かもしれない?
とにかくセルフイメージが極端に低い場合は、独りで抱え込まない事が大切です。「私のコトは私自身が一番よくわかっているのよ!」と思い込んでしまう前に、信頼できる人に相談した方が良いです。自分のコトをきちんとわかっていない(認知の歪み)が、詐欺師症候群につながっていると言う事は決して忘れないでください。
ちなみにセルフイメージというものは薬でコントロールするモノではありません。もちろんお酒でコントロールするモノでもありません。
ここで大切なのは、自分自身をきちんと知る事です。自分自身を知ることで、もしかしたら自分の功績が必ずしも偶然ではないとわかるかもしれません。仮に運だとしても、それが悪いコトだとは言い切れないと思えるようになるかもしれません。もしかしたら周囲からのプレッシャーが辛いだけで本当は成功体験そのものは関係無いかもしれません。
そう言った様々な要素が自分の中でゴチャゴチャしてしまっているから不具合として心身に影響が出て来ていると言えます。だから、何か変だと思った時点で誰かに話してみて下さい。
そもそも完璧な人間なんて存在しません。
実力があっても運が無ければ成功体験は得られません。評価もされません。
努力が必ずしも良い結果を生むとも限りません。
自分に自信が無さ過ぎるのも問題です。
でも、自分は素晴らしい人間で、有能な人材なのだと思い込み過ぎて傲慢になっている人も違った意味で困ります。
大事なのはバランスです。
すべては未知数なのです。
柔軟に、その都度その都度適切な判断をしていくことで、人生はプラスの方向に向かっていくのです。
いいえ、向かわせるのです。
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