日本だったら元号が変わる!? とても縁起のいい瑞獣が現れた

昔の日本で見つかったら、確実に改元されるほど珍しい白い麒麟。今後とも無事に成長して欲しいものです。

【幸運をもたらす動物】

「瑞獣(ずいじゅう)」とは、「瑞祥(ずいしょう)」として現れる動物のこと。と、このように説明してもどちらも、あまり聞いたことのない言葉かもしれません。瑞祥とは「いいことが起こる前触れ」を意味しています。「珍しい色をした雲や、珍しい動物が目撃されると瑞祥とされる」ことが多いのです。

 

【かつて瑞祥は元号を変えていた】

これは単なる個人のジンクスレベルのものではなく、貴重な瑞獣が発見された場合には、「元号が変わる」ことすらありました。つまり、国家的に意味があったわけです。現在の日本では、元号は天皇が践祚された時に改元されますが、これは明治天皇が即位したときに「一世一元の詔」を発したことが元になっており、長い歴史の中では、数年単位で改元が繰り返されることもありました。

改元は災害が続いたり、革命がおきたりと社会不安が蔓延したときに、それらをリセットする意味で行われるケースが多いのですが、前述したように、縁起の良いことがあった、すなわち瑞祥が現れたことによる改元も存在しています。

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【白い亀は最もよく現れる瑞獣】

記録に残っている最も古いものは、元号が日本で使われるようになってすぐの、西暦650年に「白い雉」が発見され、それが宮廷へ献上されたことで、「白雉(はくち)」という元号に改元されたもの。また、西暦704年には慶雲、すなわち瑞祥となる雲が目撃されたことで、「慶雲」という元号になりました。

歴史上最も多く出てくる瑞獣であり、それによって何度も改元が行われているのは「白い亀」。そもそも、亀自体が、長生きをするおめでたい動物とされていますので、それが白いことで、まさに神の使いだと考えられたのでしょう。最初は西暦715年の「霊亀」、次に西暦770年に「宝亀」、西暦848年の「嘉祥」、続いて西暦851年の「仁寿」と「140年間で4回、亀の瑞獣による改元が行われている」のです。ちなみに仁寿以降は、瑞祥による改元は行われていませんので、亀は最も改元を誘った瑞獣といえるでしょう。

 

【古くから信仰されてきた聖獣たち】

前述したように、亀はおめでたい動物ですが、中国では「四神のひとつ」として重要視されています。四神とは「青龍」「白虎」「玄武」「朱雀」であり、陰陽五行説などとも組み合わされ、時には風水の地形をあらわしたり、時には魔除けとして使われたりしてきたものです。四神は東西南北に配置されることが多いため、中央を守る聖獣として「黄龍」や「麒麟」などが組み合わされることもあります。

四獣

 

【最高レベルの瑞獣である白い麒麟】

今年に入ってから、そんな聖獣である「白い麒麟」が話題となりました。といっても、さすがに、ビールのラベルに書かれているような聖獣そのものではなく、動物園で見ることのできる「ジブラ」の方の麒麟です。
タンザニアのタランギレ国立公園にいる「オモ」と呼ばれる麒麟は、まだ生後1年ちょっとの子供ですが、一般的な麒麟と違って、特徴的な斑点はあるものの、「ベースの色が白という珍しい麒麟」なのです。

自然界に生まれる白い動物は、「アルビノ」のように遺伝的な欠陥を持った存在が多く、長く生きることができません。
今回のオモはアルビノではなく、先天性色素欠如という皮膚細胞が色素をつくれない病気ではあるものの、こちらは比較的ありふれたものであることから健康上の問題はなさそうとのことです。また、国立公園ではオモがその珍しい色から、肉食動物に狙われたり、また密猟者に捕獲されないように、ドローンまで導入して「厳重な警戒態勢をとっている」ということです。
昔の日本で見つかったら、確実に改元されるほど珍しい白い麒麟。
今後とも無事に成長して欲しいものです。

 

【参考サイト】
珍しい白いキリンの写真を公開、タンザニア(NATIONAL GEOGRAPHIC日本語版)
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/012700027/

Animals that bring good luck.
White giraffe.

 

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