感謝はしてても居心地悪い — 父親・母親・配偶者との関係

父母や配偶者に感謝しなきゃいけないとは判っていても、難しい場合もあります。

父の日、母の日にカーネーションやプレゼントを見て複雑な気持ちになる方はいらっしゃいませんか?
「感謝しなきゃいけないよね。でも……」と。

これは親御さんだけじゃなく、配偶者さんとの関係でも言えることかもしれません。
今回は親御さんや配偶者の方への感謝やその他の感情について書いてみたいと思います。

 

感謝は義務ではありません

「両親に感謝しなきゃ」とは、理屈では皆さん、判っていると思います。
それでも、複雑な思いを持つ方がいるのも事実です。

・怒鳴られたり、暴力を受けた
・過干渉で辛かった
・常にダメ出しされた
・性格が合わない
・人間性が違う
・価値観を押し付けられた
・愛情と感謝の押し売り
・都合の悪い事は子どものせいにされた
・面倒を見てもらえなかった

そうなると、「感謝しろ」と言われても、素直にそう出来ない方がいるのも無理はないと思うのです。
これって、夫婦関係でも同じことが言えますね。
「食べさせてやってるんだから」「世話をしてやってるんだから」「子どもを産んでやったんだから」
感謝しろと言われても、無理がある相手っていると思います。

 

感謝って無理やりするもの?

最近は「感謝教」と言ってもいいくらい、「感謝しましょう」と言う人、書く人が雨後の筍の如く増えていますね。

「やたらと感謝感謝と言うけれど、実は、あなた、口先だけだよね?」
って、思ったこと、ありませんか?

感謝する心を持てる事は素敵だと思います。
でも、感謝って、無理やりするものなのでしょうか?

私は感謝を含め、喜怒哀楽など感情も全て吹く風と同じ自然現象の一部と同じだと思っています。

風も、雨も、晴れも、曇りも、良いでも悪いでもないように、感謝することもしない事も、「ただ単にそうだという事実」なだけで、良いでも悪いでもない、自然に湧き上がってくるものの一つだと。
それを、「感謝しなきゃいけないから」と、無理やりすることは不自然です。

もし、感謝できないとしたら、そういう心の状態だと言うだけで、それを自分が問題だと思うなら、どうして感謝できないのか考え、改善すればいい話です。
本当はその奥に苦しさや悲しさが隠れているかもしれません。必ず理由があります。

感謝できない自分を「ひとでなし」と思う必要はないと私は思います。

 

感謝とそれ以外を切り離す

「親御さんはこの世に生み出してくれたから、他に何もしてくれないとしても感謝しましょう」
その理屈は判ります。
それなのに、複雑な気持ちになるのはどうしてでしょう?

それは、感謝に色々なものがくっついているからかもしれません。

感謝しているから……

・我慢しなきゃいけない
・愛さなきゃいけない
・言う事を聞かなきゃいけない
・好きにならなきゃいけない
・一緒にいなきゃいけない
・世話をしなきゃいけない

一緒にいるのが辛い関係性の方もいます。
「感謝はしているけれど一緒にいると居心地悪い」
特に親子関係はそうなりがちです。

感謝ですら、する気にならない時もあっていいと思います。
それは単純に、「今、そういう状態」だと言うだけです。

無理やり感謝して、自分の気持ちに嘘をついていると、自分の気持ちが判らなくなってしまいます。
何故なら、「本当は感謝なんてしていないのに、口先で言っているだけ」と、他の誰でもない自分が判っているはずですから。
理屈で心を縛ろうとすると、無理が出ます。
どうか自分の気持ちを無視して、理屈に合わせて自分を苦しめないでください。

逆に、本当はそう思っていない人に「感謝してます」「好きです」と言われて嬉しいですか?

一度、「感謝」と「好き嫌い」等、他の感情を切り離してみませんか?
感謝しているからって、好きにならなきゃいけない理由はどこにもありません。

むしろその方が、素直に感謝出来るかもしれませんよ。

 

《わたもり さんの記事一覧はコチラ》
http://www.el-aura.com/writer/watamori/?c=88380