自分はどこで生きているのか?―ホリスティック医療ガイド

地球を、自然を、神を、見えない世界のものごとを大切にすると言うのは、「今現在の」自分自身を大切に扱う事だと思うのです。

東洋医学の知恵をお伝えしている今回の記事シリーズでは、「健康で幸せになるには自然に沿った生き方をする方が良い」と書きました。

でも、その「自然=自分にとっての最良」は人それぞれ違うってわかるでしょうか?

健康法も食事法も自分に合わないものでは意味がないどころか、身体を壊す元になります。

それにはまず、自分を知り、理解する事から。

意外かもしれませんが「自分がどこで生きているのか?」は性質や体質を知るためにはとても大切なのです。

 

どこで生まれ、どこで生きているのか?

東洋医学には色々な療法がありますが、それぞれ発展した地域が違うとご存知ですか?

中国の東方は海に近いから魚や塩のとりすぎが原因で皮膚疾患が多く、石器で体を刺激するへん石療法が発展しました。
乳製品や肉を多く食べる中国西部は内臓疾患が多く、消化を助け、内臓を整える漢方薬療法。
高温多湿の南方では発酵食品を食べることから痙攣や麻痺の症状が多いので鍼療法が発展し、セットのように思われているお灸は反対に寒い北方で冷えが原因の症状を温め癒す療法として発展したのです。

じゃあ、食物が豊富であまり労働をしなくていい中国中部は何もないかと言うとそうではなく、「労働しなさすぎ」からくる疾患の為に導引(運動・呼吸法)や按摩が発展しました。

このように生まれた土地、住んでいる土地は人間の体調や性質にも関わってくるのです。

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身土不二と言って、その土地ではその土地に住む人にあわせた作物が取れます。
基本的に暑い土地が原産で、暑い季節にとれる野菜や果物は身体を冷やし、北国でとれるものは身体を温め、冬期間の保存にも適したものが多いのです。

高温多湿の南国では、暑さ対策や水分補給などが必要になります。生で食べるのに適した身体を冷やす作用のある果物が沢山とれ、食中毒対策や冷やし過ぎを防ぐように調理法では熱を加え、香辛料も使って汗で熱を発散させます。

南国発祥の健康法や食事法がありますが、それは冬に寒くなる土地の人がするのには無理があります。
寒い時には、身体を温めるのは当たり前だし、身体を冷やすものは食べない方が良いのです。

着るものや住宅なども同じことが言えます。
その土地、その季節にあったものを選ぶのが自然で、それが健康で幸せになる近道なのです。