なぜ、思う人には思われず、思わない人には思われるのか〜Udaraのイタリアンスピリチャアルライフ vol.25

自分のこと、相手のことをすべてわかった気になってしまうと、実際の目の前の相手との距離ははるかに遠くなっているのです。

恋愛で、悩みを抱える男女の話をじっくり聞いていると自分の状況をすべて頭で分析できていることがほとんどです。

 

実際には、頭で、既にわかってしまっているというその状況こそが問題なのです。

頭では、わかっていながら、いざとなるとまったく別の行動・態度をとってしまうということは、実は日常の中でも頻繁に見られます。

例えば、食べ過ぎたらカラダによくないとわかっていながら、ついつい夜中に必要以上に食べてしまう。
朝早起きの方が、爽快に過ごせるとわかっていながら夜更かしをしてしまう。
タバコ・お酒などの過度な摂取は、カラダを疲れさせるとわかっていてやめようとしたり、減らそうとすると、かえって量が増えていってしまうなどなど。

その様な例は、枚挙に暇がありません。

それ故に、ダイエット、美容・健康に関するあらゆる商品、語学力を向上させるためのプログラム等々は、常にビッグマーケットであり続け、「今度こそ、あなたは見違える、この商品を買えば。」というメッセージは人を魅了してやみません。

努力しようとすればするほど、かえって泥沼にはまっていくこの繰り返しを続けることによって更に達成しない傷は深まり、いつまでもその手の商品は売れ続けているのです。

「食べ過ぎない様に気を使う」「極力、タバコは吸わないように注意する」「資格を取ると昇格できることはわかっている」など自分の状況は、頭で既によくわかっています。

また、それが出来ない理由も頭で既にわかっているのです。
そして、何を変えなければならないかということでさえ頭で既にわかっていることもあります。

 

「なぜか、思う人には思われず、思わない人には思われてしまう」というケースを見てみましょう。

この場合、思う相手が自分を思ってくれるかは、どうにもできないことだと頭で考えがちですが、実際にはそうではない可能性が多いにあります。

思う人が振り向いてくれないというケースでは、好きになった相手に対して自分の思いとは違った行動・態度をとってしまっていることを容易に発見していく事ができます。

・ 好きになってもらえない様な相手をわざわざ選んでいる
・ 好きになってしまうと明らかに普段と違ったコミュニケーションをとってしまう(過度な緊張、過度な期待など)
・ 相手に興味がない様な態度を取ってしまう(視線を合わせない。決して話しかけない。素っ気ない態度をとるなど)
・ 嫌われる様な態度を取ってしまう(意地悪な態度を取る、
相手にわかる様に無視をするなど)

この様な態度・行動の不一致そのものは、比較的簡単に自分でも自覚できる様になります。
「私は、好きな人ができると彼の目を見ることが出来ないんです。」
「好きだからこそ、素直になれないの」など。

ただ、どんなに頭で自分の状態がわかっていたとしても現実を目の前にすると機能しない行動・態度になってしまうのです。

 

更には、自分のことだけではなく、相手の行動・態度からすべてを既にわかっていると捉えてしまうことが拍車をかけていきます。

「この手のタイプの人は、私みたいに自己主張するタイプの女性は好きじゃないはず」
「あの仕草は、私のことを異性としては見ていないっていう意味なの」など。

自分のこと、相手のことをすべてわかった気になってしまうと、実際の目の前の相手との距離ははるかに遠くなっているのです。

幸せになろうという強い意志や、好きな人といっしょにいれたらステキというプラスのモチベーション、もうこれ以上一人でいるのはさみしいというマイナスのモチベーションがどれだけ強くあったとしても、それを「頭で既にわかっている」のであれば、もう、その自己分析は、深刻さと興奮の繰り返しを引き起こすだけなのです。

 

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