イタリアは、精神病院を完全撤廃をした世界で最初の国です。
ベネチア出身の精神科医フランコ・バザーリアは「鉄の扉の奥に押し込めることを正当化するような精神状態など、本来ないのだ」という考えのもとにこの改革を現実のものにしました。
その成功の背景には、イタリア人の文化性や地域性が深く関与したと指摘する専門家の声に、イタリアに暮らして5年間でずっと捉えようのなかった何かにパッと電球が灯ったような感覚があります。この精神医療改革に関して日本では、2011年に「人生ここにあり」原語Si puo fare(訳:やればできるさ)というイタリア映画が各地で上映され、2012年にはDVD化されています。
「自由こそ治療だ」という画期的な考え方から、それまで病院
に閉じ込められていた患者たちを地域にもどし、一般の社会で
暮せるようにしたのです。本作は、そんな時代に起こった実話
を基に誕生した傑作です(人生ここにあり公式webサイトより)
この映画はイタリアでは動員数40万人超、54週ロングランの大ヒットを記録し、イタリア・ゴールデングローブ賞を受賞した作品です。この物語で、元患者をリードし彼らを導いたのは精神病の知識のないネッロという名の主人公で、元患者たちに人間として向き合い、新たな事業を立ち上げるために「自ら働いてお金を稼ぐこと」を持ち掛け、意外な展開で彼らの才能を開花させ、自立に向けて立ち上がっていくというお話です。
私の独断と偏見で、イタリア人に愛と敬意を表しつつ、その気質を私なりにまとめてみると
・他人にどう思われるかより自分のユニークを愛する
・人と全く違っていても誇り高く強気でいる
・予定が狂ってもそれをゆとりの時間として楽しむ
・順風満帆ではなく、混沌と混乱を大前提とする
日本での平均的良い人を目指して生きていた私は、過去に社会の価値に従って行動することに脱落したことがあり、自分のユニークさは社会を生きていくにはふさわしくなく、自分というオリジナリティは社会的価値からすれば誇りを持つに値しないと考えてしまっていたことがあります。
イタリアという国との出会いによって、斬新で懐の深い視点から勇気をもらい、自分のユニークさをより愛し、楽しめるようになりました。ひと足先に勇気のある改革に目を向けたイタリア人の持つユニークな気質は精神医療分野だけでなく日本で起きている様々な社会問題にほのかに灯りをともしてくれるのではないかと感じています。
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