【唐辛子が持つ様々な効能】
「低カロリー、低脂質でありながら、ビタミン、ミネラル、カロテンなどが豊富」であり、さらに「脂肪の燃焼を助けてくれる」という食品をご存じでしょうか? 女性にとって嬉しい効能がたっぷりのこの食品とは「唐辛子」。
唐辛子に含まれている「カプサイシン」が、脂肪燃焼を助ける効果をもたらすというのは有名な話かもしれません。唐辛子を含んだ食品を食べると痩せやすいということや、痩せる要素としてカプサイシンを含んだ健康ドリンクなどが発売されていることからもその知名度はわかります。
【カプサイシンの秘密】
カプサイシンは唐辛子の「辛み」を構成する成分であり、その刺激によって「発汗を促し、それによって脂肪が燃焼することを助ける」とされています。脂肪を直接燃焼させるというよりも、刺激によって燃焼を手助けするというのが正確ですので、唐辛子を摂取したからといって、「何もしなければ脂肪燃焼効果はほとんどありません」。そのために、有酸素運動などの適度な運動と組み合わせることが必須といえます。
基本的に「刺激物」であるカプサイシンですが、唐辛子を触った手で目を触ったりすると、ひどい痛みを覚えるということからもわかるように、その刺激はかなり強力なものとなっています。それだけに、「毒性」があるのではないか? という研究も進められています。
【カプサイシンが脳に影響を与える】
韓国は、名産品のキムチからもわかるように、世界でも有数の「唐辛子消費国」ですが、韓国特有の精神疾患である「火病」は、カプサイシンの過剰摂取によって、アドレナリンが大量に分泌されることで、「脳の一部が損傷を受けた結果生じている」のではないかといわれています。また、胃の粘膜などを傷つけることから、「胃がんなどの発生率をあげる可能性」も指摘されています。
【強い刺激が魔除けになる】
このように紹介すると、ちょっと怖くなってしまいますが、その毒にもなり得るほど強い刺激を、古代の人は「魔除けの力」だと考えていたようです。中国では唐辛子がもつ強い刺激と、赤い色、そして体を温めてくれる効能から、唐辛子を「火」の要素を持つ食品だと考えていました。そして、その「強い火のエネルギーによって魔を退ける」としたのです。理論は違っても、中国だけでなく、韓国や台湾といったアジアでは、唐辛子を魔除けとして玄関に飾ったり、唐辛子を象ったストラップを魔除けとして持ち歩いたりという風習が存在しています。
また、イタリアでは、「唐辛子は幸運を呼ぶ」とされており、唐辛子を象った小物が多く販売されています。中には、金銀で細工されたジュエリー的なものもあるほど、一般的なのですが、使い方としては、「なにか悪いことがあった時に唐辛子にふれると、厄を祓い幸運を呼ぶことができる」とされています。これは唐辛子が「コルノ」と呼ばれる、「動物の角」に似ていることから来ているという説があります。もともと、動物の角をお守りとしていたところ、唐辛子がそれに似ていたために、同じような力があると感じたというのです。
しかしながら、唐辛子の形をしたものがないときには、男性は「自分の股間を触る」ことで魔除けになるという言い伝えもあることから、そもそも、動物の角も、唐辛子も「生殖器信仰が変容したもの」だという見方も可能であり、本当のところははっきりとわかっていません。
【唐辛子は適量で薬、過剰で毒】
ダイエットや健康を助けてくれるだけでなく、魔除けにもなる唐辛子ですが、ポイントとしては、いくらよい効能をもっているからといって、「過剰摂取をしない」というところにあります。唐辛子には、確かにカプサイシン以外の有効成分も含まれていますが、グラムあたりになおすと確かに大量ですが、それを通常の野菜と同じ量摂取することを考えると、明らかにカプサイシンの過剰摂取となってしまいます。
その一方で、「適量の唐辛子は胃の粘膜を守ったり、精神を活性化させてくれる力」もあるわけですので、まさに「毒にも薬にもなる」存在といえるでしょう。強い力があるからこそ、古来から魔除けとされてきた唐辛子。使う時には、量にはくれぐれも注意してくださいね。
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