山の上から静かに視護る武運と助力の神⁉︎ 大胆不敵な知力と策略家な面を持つ神☆大物主大神

神々への想いに触れ、感じることが出来るひっそりと京羅木山に鎮座する出雲金刀比羅宮、参拝した後は少しだけ視点が毛利元就や大物主大神に近づくかもしれません。

松江市東出雲町にある京羅木山。
ここは嘗て安来市広瀬の月山富田城を構えた尼子氏との戦いの為、大内氏と毛利氏が陣を構えた場所です。

その京羅木山へと登る途中に、その陣を思わせるような勇壮な出雲金刀比羅宮が鎮座しています。
今回は、そんな戦国武将たちも祈願した、出雲金刀比羅宮を皆様にご紹介したいと思います。

 

一代で大国を築き上げた毛利元就創建の神社

参拝したのはまだ雪残る3月上旬。
虫や蛇が出るのが嫌で、まだそれらが眠っている時期を選びました。
京羅木山の麓からも登れはしますが、この時の私の足元はいつものパンプス。
どんな山の中でもキャリアウーマンの様なスタイルで登るのですが、こちらは神社すぐ傍まで車で行くことが出来ますので、そこはショートカットさせていただきました。

長く続く階段を上ると見えてくる拝殿の勇壮さと荘厳さ。

華やかさはありませんが、その飾り気のなさが武将たちの姿を思わせます。

それもそのはず、創建したのは毛利元就。
用意周到で合理的な策略家、そして危険を顧みない所もあり、知力も武力も忍耐力もあり、一代で大国を築き上げたその姿は、嘗ての大国主大神を思わせるようではありませんか。

そんな毛利元就の姿を建物にするなら、きっとこの神社の様なのではと思います。

 

脳内変換勝手に神様イラストコーナー☆大物主大神

そんな大物主大神をイラストにするならこんな感じでしょうか。
穏やかな笑顔でそっと助言をくださり、後押しをしてくださりそうです。
でも、やっぱり毛利元就と同じく、用意周到で合理的、そして危険も顧みない策略家な面もなければ、大国主大神の国造りを陰で支えることなど出来なかったことでしょう。
大国主大神の和魂と謂われる大物主大神ですが、私の個人的イメージでは別の神。
大国主大神が大王なら、大物主大神は宰相といったところでしょうか? そんな妄想をするのもまた楽しいのです。

 

天下を競望せず

さて、毛利元就といえば「三本の矢」が有名ですが、他にも「天下を競望せず」というものもあります。
そう、中国地方を一代にしてその手に治めた毛利元就ですが、九州地方を除き、領土を拡大することはなかったそうです。
これって、そこまでの人物なら、天下を夢見るのも当たり前なんじゃ中と思うのですが、逆に考えると、それほどの人物だからこそ、足るを知っていたのかもしれません。
そして、自分がどれほどの実力があるかも、その知力にて見通したのかもしれませんね。

この足るを知らずに争いの元になってしまうことも現代でもあること。
神仏の力を借り、自分以外の力によってここまで来れたと感じ、崇敬し、武運を天に任せるスピリチュアルな視点も大いにもっていらっしゃったのではないかと推測します。
昔の武将たちのそんな神々への想いに触れ、感じることが出来るひっそりと京羅木山に鎮座する出雲金刀比羅宮、参拝した後は少しだけ視点が毛利元就や大物主大神に近づくかもしれません。

再びくぐりぬける門の先にどんな世界を観るのか、楽しみになり、神社を後にしたのでした。

 

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