月と海と風が密接な場所⁉︎ 心を優しく照らす月神☆都久豆美神

あなたはどんな願いを都久豆美神に伝えますか? そっと月に告げてみてください。

2月10日、満月前日の雪の降りしきる中訪れたのは、島根半島にある千酌(ちくみ)。
写真に写る美しい円錐形の山の名は、嘗ては航海の目印にもされた麻仁曽山(まにそやま)。

そして、麻仁曽山を眺めて振り返ると、鎮座するのは月の神を祀る爾佐神社(にさじんじゃ)。
この爾佐神社境内から見ると、季節にもよりますが月は先ほどの麻仁曽山付近から昇るそうです。

 

月の神が生まれた場所

さて、そんな絵になる月夜が見れるこの場所で、出雲の月の神・都久豆美神(つくつみのかみ)は誕生されたそうです。

その父神は伊弉諾神。
黄泉比良坂で伊弉冉神と別れた後、身体を清まれられた場所ではないかという説もあるそうです。
なるほど、日向にお戻りになり身を清められるよりも、より黄泉比良坂に近いこの場所で清められ、そして船にてお戻りになられ、また日向でその身体を清められたのかもしれませんね。
そんな風に想像すると、幾通りにも解釈できる古事記はとても面白く、大らかな神話だと思います。

 

清めの藻掛け

そんな爾佐神社、参拝すると山陰地方に伝わる清めの方法があります。

それがこの藻を入れる籠。
山陰地方、特に出雲地方の神社を参拝した時、境内に海藻や潮水が汲まれて掛けられているのを目にすることはないでしょうか?
ここに入れられている海藻はホンダワラ。
忌明けの時には身体を清めた証として神社に持って行って参拝し、神様への供物にもなる海藻なのです。

 

月と海の神と風の神の関係

そして、この神社の神紋は扇。
以前宮司さんにお話をお伺いする機会があり、この扇の神紋は佐太神社と同じだから、佐太神社と何か所縁があるのかもしれないと仰り、本殿の裏へと案内してくださり、直線距離だと佐太神社は意外と近いのだと教えてくださいました。

航海の目印の円錐形の山、潮の満ち引きを起こす月、そうなると、帆に受ける風を吹かせてくださるのが風の神佐太大神なのかもしれませんね。
都久豆美神は、佐太大神と協力し合い、日本海を航海する船の守護神だったのかもしれません。

そんな月の神を護り祀る神社はとても美丈夫。
日本海からの強い風にも、山から吹き降ろす風からも都久豆美神を御護りする、畏怖堂々とした男前な社なのです。

そして、本殿向かって左手には、こんな可愛い蛙の石像が都久豆美神を御護りしています。
佐太大神の神使も蛙だという説がありますから、この石像もまた、都久豆美神と佐太大神の密接な関係を暗示しているのかもしれませんね。

 

脳内変換勝手に神様イラストコーナー☆都久豆美神

そんな出雲の月の神をイラストにするならこんな感じでしょうか。
穏やかな笑顔ですが、有無を言わせない強さも感じます。

人は、強く言われるより、こんな風に柔らかく微笑みながら言われてしまうと、案外逆らえないものかもしれません。
月は太陽を照らす鏡。
都久豆美神のお言葉は、人の心の本当の想いを優しく照らして、「さあ遠慮なく仰ってください」と促してくださっているかのようにも思えます。

本当の想いであれば尚更、逆らえなくなりますよね。

あなたはどんな願いを都久豆美神に伝えますか?
そっと月に告げてみてください。
きっとその願いは月を通して都久豆美神に伝えられ、そっと後押しをし、あなたの人生という航海を視護ってくださいますよ。

さあ勇気を出して、あなたという舟を漕ぎだしてくださいね。

 

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詳しい内容はHPをご確認ください。→http://tukisarara.com/

 

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