参拝者の心を映す鏡は剣の様な御神氣!? たたらの姫神☆金屋子神

ゴウゴウと燃え盛る大火を背に、玉鋼より造りだされた剣を手に、人の弱気を切り祓ってくださる、そんな姫神です。 きっと、切り祓いながらも叱咤激励(叱咤多目)で喝を入れて下さるに違いありません!

GW前半、ふと見上げた空に白鷺が飛んでおり、その白鷺に導かれながら、めでたく日本遺産に認定された金屋子神社へと参拝をしてきました。
導いてくれた白鷺、ここに祀られる金屋子神もまた白鷺の背に乗ってこの地へと来られ、桂の木で休んでいた所を発見され、桂の木の横に神殿を建立したという神話が残っていますから、金屋子神の御導きだったのかもしれませんね。

 

不思議? それとも面白い? 伝説多い金屋子神

金屋子神社2

 

参道の脇にドーンと並べられているのは、たたら吹きによって出た粗鉄・鉧(けら)です。これに対し玉鋼はほんの一割程度しか取れないのですから、金より高価であったのも頷けます。
金屋子神が姫神という事もあり、私は鉧を見ると「もののけ姫」のエボシ御前を思い出すのです。

金屋子神社3

 

祀られているのは金屋子神。
自らが村下(むらげ)となり、鍛冶の指導を行っていたとされています。

そんな金屋子神、なかなか面白い伝説が現代でも伝わっており、自分の部下が麻に躓いて転んで死んでしまったので麻を嫌い、犬に追いかけられて蔦に登って逃げようとしたら、蔦が切れて落ちて犬に噛まれて死んであので犬と蔦は嫌い、けれど、みかん、あるいは藤に掴まって助かったのでみかんと藤は好き、死の穢れは嫌うどころか好み、たたら炉の周囲の柱には死体をさげるように指導し、死体をさげると鉄が大量に取れるようになった、女性を極端に嫌うなどというものです。
なかなかこれだけ特徴的な神様も珍しいのではないでしょうか?

その為、鍛冶関係の作業場には女性は入れない掟があり、安来市で製鉄関係の仕事をしていらっしゃる親御さんを持つお客様(女性)の中には、親から金屋子神社へと参拝される事を禁じられていたという方もいらっしゃいました。

姫神が同じ女性を嫉妬から嫌うというのは、金屋子神に限らず他の姫神でも聞く話。
ですが、それは人が勝手に後付けした事ではないかなと思いつつ、『ドーンっと胸張って生きな!』と仰って下さるような御神氣に、いつも励まされるのです。

 

自分の心の在り様を映し出す御神氣

金屋子神社4

 

写真の石は鉄鉱石です。
以前、参拝した時に、普段は不在の宮司さんがいらっしゃり、神社横の川から鉄鉱石を取ってきてくださった事があります。
そして、昇殿参拝させていただく機会もあり、最近は女性の参拝者も多いのだとお伺いしました。

金屋子神社5

 

この本殿の優美で逞しい姿といったら言葉になりません!
好き嫌いの好みがはっきりと分れる神社ではありますが、それは弱気心根で向かい合わねばならない事から逃げていると恐いと感じて嫌い、強い心根でどんな困難であろうとも向き合うと決めた瞬間から応援されていると感じて好むのかもしれません。

鉄鉱石も一見ただの黒いぼこぼこした石ですが、それを大火で燃やし、不純物を取り除いていけば素晴らしい鉄を生み出す元です。

そして、玉鋼から造りだされるのは鏡のように輝く日本刀。
そこに自分の心が映し出されるのでしょう。

そう、恐い・嫌いも自分の心、応援されている・好きだも自分の心。今はまだぼこぼこしていても、強い意志を秘めた宝の心。
どんな感情も真っ直ぐに映し返す御神氣を感じるのです。

 

脳内変換勝手に神様イラストコーナー☆金屋子神

金屋子神

 

そんな金屋子神をイラストにするならこんな感じでしょうか。
ゴウゴウと燃え盛る大火を背に、玉鋼より造りだされた剣を手に、人の弱気を切り祓ってくださる、そんな姫神です。
きっと、切り祓いながらも叱咤激励(叱咤多目)で喝を入れて下さるに違いありません!

金屋子神社6

 

そんな金屋子神社、記事を長く書く癖のある私はまだ皆様に伝えきれない魅力があるのです!
なので、この魅力はまた次回へと続くのであります☆

 

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