「好き」は最強のパワー! 好きなことを仕事にするとますます元気になる。〜「好き」を追求すると、何かが始まります。それが実っても、果実の中の種からまた次の何かが始まります。〜

「好き」のパワーは恐るべし。

私は植物が大好きです。
どのくらい好きかというと、野山に行ったらいくらでもそこで楽しめます。
葉や花を観察したり、土や地形を観察したり、
楽しくて何時間でもそこにいられます。
そうして気がつけば、植物研究家として図鑑や雑誌の執筆をしたり、
テレビやラジオに出たり、専門の学校を卒業していないのに、その道のプロと並んで仕事をさせていただく場面がたくさんありました。

植物の見せ場は庭です。庭といえばイングリッシュガーデンの本場は英国。
長年夢見て、とうとう初のイングリッシュガーデンを訪ねて英国の旅をした時、そこで見た花、感じたこと、日本との違いなどなど、綴った旅のノートが月刊ハーブ誌で連載となり、その後本として出版されました。

気がつけば、ガーデン研究家としてBBC放送の取材を受けて英国のテレビにも登場し、続いて3冊の本を出版するに至りました。
庭めぐりがブームとなり、どこの庭をどんな風に訪問できるか?
時間の配分は? などなど、旅行会社が企画するイングリッシュガーデンツアーの内容を作り上げるお手伝いを依頼されたり、はたまた、旅行会社が企画するイングリッシュガーデンツアーの見どころ紹介で講演を頼まれたり、高見澤幸子と行くイングリッシュガーデンツアーが企画されたり。思ってもみなかった展開が起きました。

「好き」に従って行動すると、そこに道が現れます。

 

『「好き」は、ただ内側から溢れ出るものです。「好き」の方向に向かうのは。とてもわくわく楽しいものです。』

ウォレス&グルミッドの可愛らしい粘土の映画が大好きで、
ウォレス&グルミッドの舞台を訪ね、ウォレスがいつもかぶりついているチーズ屋さんを訪ね……と、映画にまつわるさまざまを訪ねてまとめたものが雑誌になりました。

英国文学が好きで、アン・ハザウェイやエミリー・ブロンテの世界にはまり、
彼女たちが暮らした場所やかつて訪ねた場所、小説が書かれた場所、生い立ちなどを訪ねてまとめあげたものが、やはり雑誌になりました。
こうしたものが私にはいくつもあります。
あっ‼︎ とわくわく興味を持ったものを、徹底的に知りたいと追求したくなるのです。
それが次々形になっていきました。
仕事の依頼を受けてやったのではなく、「好き」なことだから、自分が興味があるから、自分のために取材して写真を撮ってまとめ上げたものが、結果的に仕事になっていきました。

気がつけば、英国政府環境庁から執筆の依頼をいただくようになり、
英国大使館でのパーティに参加したりするうち、
著名な英国通と出会うようになりました。
そうして、ただの植物好きが英国の情報を集めた辞典作りに参加したり、
政府が発行する印刷物に関わるようになりました。

スピルバーグも、映画が大好きでこの道にはいった人だと聞いたことがあります。
監督となるには、この学校、この体験を積んでと通常、通る道があるけれど、
それを通らなかったといいます。
彼は学校が終わると、映画の撮影所に真っすぐ行って、
ずっと眺めていたそうです。

あまりに彼がいつもいるので、ある日監督が声をかけたそう。
「映画が大好き」が瞳に見て取れたスピルバーグに
そんなに好きならちょっと手伝ってくれる? と声がかかり。
かゆいところに手がとどくような彼の気配りと行動とセンスに、
あっという間に撮影所にはなくてはならない人物となり、
スピルバーグはそのまま映画の世界に突入します。

「好き」は、ただ内側から溢れ出るものです。
「好き」の方向に向かうのは。とてもわくわく楽しいものです。

でも、世の中のみんなが「好き」なことを仕事にしたらうまく回らないのでは? と思うかもしれません。
でも、好きはいろいろです。

映画で主役になりたい人もいれば、撮影したい人もいる、脚本を書きたい人もいれば、小道具を揃えたい人もいる、メイクを担当したい人もいる、出来上がった映画を見たい人もいるのです。