どこのご家庭にでもある「しゃもじ」に秘められた驚きの力

これからしゃもじでご飯をよそうときには、ただ漫然とよそうのではなく、「豊穣の力を自分に取り込むことをイメージする」ことで、幸運と豊かさ、そして女性性のエネルギーをもたらしてくれますので、意識して生活の中に取り入れてみてくださいね。

【しゃもじは幸運を招く道具だった】

日本の家庭の9割以上に存在しているであろう「しゃもじ」。例え家になくとも、その存在をまったく知らないという人はいないでしょう。そんな「とても身近な道具」であるしゃもじに、「幸運を招くというスピリチュアルな要素がある」ということは意外と知られていません。

 

【しゃもじは女性独自の言葉だった】

そもそも、なぜ「しゃもじ」と呼ばれるかもあまり知られていません。こちらは、もともと「女房詞(にょうぼうことば)」でした。女房詞とは、「宮中で女官が使っていた独特の言葉」ですが、その一部は現代でも使われています。たとえば、言葉の最初に「お」をつけて丁寧さをあらわすというのは、本来は女房詞だったのです。しゃもじの場合は、「杓子(しゃくし)」という道具の「しゃ」に「もじ」をつけて「しゃもじ」となりました。杓子は、汁物をよそうことにも使われていたのですが、時代がたつにつれて、汁用は「おたま」、ご飯用が「しゃもじ」とわかれたのです。

 

【縁起物としてのしゃもじを有名にした一人の僧侶】

基本的にご飯をよそうための道具であるしゃもじを、「縁起物として大々的に扱っている地方」があります。それは「広島県宮島」。厳島神社で有名な土地ですが、「幸運、勝運、勝運を招く縁起物」として名産品となっています。なぜ、名産品になったのかというと、江戸時代に主産業がなかった宮島のために、「誓信という修行僧が考え出した」といわれています。

厳島弁財天は琵琶を持っていますが、その琵琶と似た形をした「しゃもじ」をご神木で作り、宮島に参拝した人にお土産として売るようになりました。このしゃもじを使ってご飯をよそうと、「霊地である厳島の神木の御利益で、福運を招く」ということで、一躍、宮島のしゃもじは有名となり、しゃもじの別名が「宮島」となるほどだったのです。さらに時代はくだり、明治時代にはしゃもじは「飯を取る=召し捕る」という意味合いがあるとして、戦争に赴く兵士たちの縁起物とされ、さらには「天下の富をすくい取る」という意味合いまで付与され、前述したような「万能の縁起物」になりました。

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(写真はウィキペディアより)

 

【神仏に奉納されていたしゃもじ】

このように紹介すると、しゃもじは「土産物として作られた縁起物」と思いがちかもしれませんが、そもそも、「神仏に奉納する道具」として古くから使われていました。神社からしゃもじを借りてきて、戸口に打ち付けることで「子供の夜泣きを止めたり、咳を封じたり、病気を治したりできる」という風習がありました。今では、あまり行われませんが、皮膚病が治ったお礼にしゃもじを奉納するという風習がある「佐久神社」や、酒封じのしゃもじを奉納する「一心寺」などは存在していますし、奉納ではなく、お寺から貸し出された「しゃもじを使って食事をすると子宝に恵まれる」などという祈願も行われています。

 

【しゃもじに秘められた強い女性性のエネルギー】

宮島のものは有名だったために、万能の縁起物になりましたが、そもそもの語源が女房詞だったことを考えると、「しゃもじというのは女性性のエネルギーが強い道具」ということがいえます。当時は食事の用意は女性の役割だったわけですし、また、しゃもじによってよそわれるお米は、日本人にとって特別な食事である、神聖な食べ物でもあります。宮島で弁財天の琵琶をモチーフにしたというのは、実際には後付けで、「女性の力、すなわち女神のエネルギー」を表現しているのが本質なのかもしれません。

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(写真はウィキペディアより)

 

【ちょっと怖いしゃもじの使い方】

強い女性性のエネルギーをもっているからこそ、子供の病気を癒し、子宝をもたらし、そして豊穣すなわち豊かさをもたらしてくれるわけです。さらに、女性ならではの使い方をされていたという記録も残っています。それは「遊女が客を招くためにしゃもじを使った」というもの。夜中にしゃもじを持って四つ辻へいき、四方に向かってしゃもじで招くことで客がくるというのです。ただし、ある説によると、このとき「招かれた人は3年以内に死ぬ」ともいわれているので、少し怖い使い方ともいえるでしょう。四つ辻とは、東洋でも西洋でもあの世とこの世の境界が揺らぐ場所とされ、悪魔の召喚などにも用いられていましたので、より「呪術的な要素が濃い」使い方です。

さすがに呪いと紙一重である遊女的な使い方はオススメ出来ませんが、それだけしゃもじという道具がスピリチュアルであり、「女性性に関した様々な力を招いてくれるもの」であることの証明ではあります。これからしゃもじでご飯をよそうときには、ただ漫然とよそうのではなく、「豊穣の力を自分に取り込むことをイメージする」ことで、幸運と豊かさ、そして女性性のエネルギーをもたらしてくれますので、意識して生活の中に取り入れてみてくださいね。

Universal good luck tool.
The Women power of the Hidden to Syamoji.

 

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