【企業のストレスチェックが義務化される】
「2015年の12月1日」から、従業員数50名以上の企業は「ストレスチェックを実施する義務が発生する」ようになりました。この背景には、昨今話題となっている「ブラック企業」問題や、就業による精神的苦痛によって、メンタルヘルスに不調を訴えるという人が年々増えてきているという社会情勢があります。
メンタルヘルスの不調には、様々なものがありますが、最も有名なものとしては「うつ病」があげられるでしょう。
メンタルヘルスの不調は、肉体的な病気に比べると、「目に見えて不具合がわかりにくい」ということから、軽視する人も多いのですが、わかりにくいだけに、すぐに「適切な治療を受けられない」という面があります。
肉体的な不具合ならば、すぐに治療を受けられるので、仕事を休む日数も最低限ですみますが、メンタルヘルスの不調の場合は、「1ヶ月以上の休職」に及ぶことも多くあるといわれています。
会社全体の利益を考えると、このように精神的な問題を放置しておくほうが、生産性を低下させることは明らかであり、今回のような制度が出来る前から、社員の精神的なケアをしている企業というのは、多く存在しています。
【50年以上前からメンタルヘルスを重視している】
「富士通」では、50年前の「1966年」に精神科の産業医を配置し、「1973年」には常勤のカウンセラーを配置するというように、メンタルヘルスに関する対応に関しては、まさにパイオニアともいえる対応をしています。
ちなみに、現在ではメンタルヘルスケアの専門部署である「メンタルヘルスサービスセンター」まで設置されているのです。
この部署では、毎日、社員と面談を行い、仕事のことはもちろん、家庭の悩みなどにも対応しているとのことで、ここでの相談を元に専門医へ紹介したりするなど、適切な対応を行うことで、休職者を少なくし、また復職してからも、しっかりと適応できるようにフォローしているのだそうです。
【ストレスに着目する企業は増えてきている】
ここまでしっかりとした制度を整えるのは難しいかもしれませんが、定期的にストレスチェックを行っているという企業は増えてきています。
最近では、質問に答えることで、ストレス状態が把握できるようなソフトウェアがありますので、それらを導入することで、「社員のストレスを把握することが比較的容易になっています」。
もちろん、テスト結果でメンタルヘルスに不調があることがわかった人は、専門に医師にかかることができるわけです。
【ストレスを感じさせない職場環境作り】
このように、義務化される前からストレスチェックなどが充実しつつあるわけですが、そもそも、「メンタルヘルスに不調を起こさせないようにする」という取り組みが進みつつあります。
たとえば、音楽配信を行っている「USEN」では、企業向けに「癒し音楽」を配信しはじめています。こちらは、通常の配信とは別費用となっていますが、医師などと共同で、「癒しを感じられる音楽」をチョイスしたものを流すことで、「業務中のストレスを軽減させる」というものです。
音楽による癒し効果というのはすでに証明されている分野ですので、シンプルでありながら、効果的な方法といえるでしょう。
他にも社内でペットを飼うことで、アニマルセラピー的な効果を得ようという試みもあり、今までは癒しとは無縁と考えられていた、企業、そして業務の中にも今後はどんどんと癒しが浸透していきそうです。
スピリチュアルな世界ではすでに常識となっているようなことも多いのですが、それらが一般的になっていくことで、癒しやスピリチュアルといったものも、また新しい段階に入っていくのかもしれません。
Stress Check the start of a company.
Introducing efforts to stress check.