実はとてもスピリチュアルな意味が秘められた飲み物。お正月に『お屠蘇』を飲みましたか?

お屠蘇には「古来から伝わるスピリチュアルな叡智がたくさん詰まっている」のをご存知でしょうか? 「お屠蘇」について、由来や作法など、お勉強してみましょう!

 

【スピリチュアルな叡智が詰まったお屠蘇】

お正月はどのようにすごされたでしょうか? ちゃんと「お屠蘇」は飲みましたか? 最近ではおせち料理は食べても、お屠蘇は飲まないという人も増えてきているようですが、お屠蘇には「古来から伝わるスピリチュアルな叡智がたくさん詰まっている」のです。

そもそも、「お屠蘇」という名前自体に、様々な意味合いが込められています。語源には諸説あるのですが、どれもがスピリチュアルな意味合いを秘めています。

「屠」は「1年の邪気を祓う」という意味を持っており、「蘇」は「病をさけ、長寿を願う意味」であることから、「邪気を祓って長寿を得る」、また「蘇」という「悪鬼を屠(ほふる)」ことで、「魔除けになる」というもの、似たようなものとして「鬼気を屠絶し」、人の「魂を蘇生する」というもの。ちょっと、スピリチュアル感は薄れますが、屠蘇を考案した仙人が「屠蘇庵」という洞窟に住んでいたためにつけられたというものもあります。

 

【邪気を祓い、不老長寿を招く】

共通しているものとしては、「邪気を祓う」というもの。また、「不老長寿を願う」といった意味合いもあるようです。そもそも、お屠蘇には、いくつもの「漢方薬」が入っています。そのために、正式名称も「屠蘇延命散」「屠蘇散」などとされているのです。

この時調合される漢方薬は、若干の違いはありますが、鎮静作用と、胃を強くしてくれるという「白朮(びゃくじゅつ)」、同じく胃を強くしてくれるだけでなく、抗菌作用もあるという「山椒」、発汗、解熱作用のある「肉桂」などが一般的です。多いものでは、「10種類以上の漢方薬が調合される」ということですので、不老長寿と関連するというのも当然といえるでしょう。

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また、邪気を祓うという効能に関しては、そもそも「日本酒は神事などでお清めに使われるもの」であり、「浄化のパワーを持っている」わけですが、前述した肉桂は、別名を「シナモン」。

こちらのほうが聞き覚えがあるという方も多いと思いますが、シナモンは「万能のハーブ」とも呼ばれており、健康をもたらすだけでなく、「浄化や保護」といった力も持っているとされていますので、お屠蘇は、単なる迷信の産物ではなく、しっかりと「古代からの叡智が詰まっている」ということがおわかりいただけると思います。

すでにお屠蘇を飲んでいるという方はともかく、まだ飲んでいないという方も年初のうちに飲んでおくことで、「自らを浄化し、健康を保つことができます」ので、漢方薬局などで「屠蘇散」を手に入れてお屠蘇をつくって飲みましょう。

 

【お屠蘇の作り方】

では、簡単なお屠蘇の作り方を紹介しましょう。用意するのは「日本酒」と「本みりん」。できれば、日本酒は「純米酒」、みりんも「古来からの製法で作られたもの」を用意しましょう。そうしたら、日本酒とみりんをブレンドします。「日本酒が多いと辛口」に、「みりんが多いと甘口」に仕上がりますので、好みにあわせて調合します。当然、アルコールが入っていますので、お子様が飲む場合は日本酒をつかわずに、みりんを火にかけてアルコールを飛ばしたものを使いましょう。

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ブレンドが終わったら、その中に「屠蘇散」を入れます。どれぐらいの時間、屠蘇散を入れておくかは、基本的には屠蘇散に添付された説明書に書かれている通りにしていただければと思いますが、だいたい「5時間以上」はかかりますので、前もって用意しておく必要があります。しっかりと抽出できたら、お屠蘇が完成です。

 

【お屠蘇の飲み方】

ちなみに、お屠蘇の「飲み方にも決まり事」が存在しています。元日に飲む場合は、年明けの一番最初に汲んだ水で身を清めてから、家族が全員集まって「東の方向を向きながら、一人ずつ順番」に飲んでいきます。このとき、「子供に智恵を授けたい」場合は、年長者から飲んでいき、経験と智恵をお屠蘇を通して、子供へと伝えます。逆に「年長者へ生命力を授けたい」場合は、子供から飲んでいき、最後に年長者が飲むということも可能です。

飲むときの作法としては、「三段重ねの盃を使って1杯ずつ3回にわけて飲む」というのが本式とされていますが、盃を用意するのも大変なので、「お屠蘇を3回に分けて入れて、それぞれ飲み干す」というのが一般的です。また、お酒に弱い人は、3回すべて飲むのではなく、2回口をつけてから、3度目に飲むという方法もあるようです。

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古来から伝わる叡智の結晶ともいえるお屠蘇。しっかりとした作り方と作法で飲むことで、2016年がよりよい年になるはずですので、ぜひともチャレンジしてみて下さいね。

 

Spiced sake that ancient wisdom is jammed.
Efficacy of “spiced sake.”

 

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