突然ですが、タロットカードを思い浮かべてみてください。さて、あなたの脳裏に浮かんだのは、いったいどんなタロットですか?
それはある一枚のカードでしたか。何が描かれていましたか。それとも何枚も重ねられた束や山だったでしょうか。扇形に広げられていたかもしれません。裏側に伏せられていましたか。裏面のデザインはどんなものですか。スプレッド(展開法)に従ってレイアウトされていましたか。どんな配置でしょうか。どんな絵柄のカードが並んでいたか覚えていますか。あるいは箱や缶に入っていたかもしれません。シルクの巾着、自作のボックスかも。カード自体がオリジナルだという人もいたでしょう。
多くの方は、いわゆる「ウェイト=スミス版」(ライダー版、ウェイト版とも)のデッキを思い浮かべたのではないでしょうか。あるいは、いつも使っているタロット、おそらくこのライダー版を基にしてデザインされたデッキを。
世界でもっとも売れているデッキは「ウェイト=スミス版」で、それに準拠したバリエーションも含めると、半分以上、日本では8割くらいの人が、占いをする時にはこのライダー系のタロットを使っているかもしれません。理由は簡単で、ウェブ上にも書籍にも、ライダー版の解説ばかりが載っているからです。また、オリジナルタロットを作る人の多くが、ライダー系のデッキを作っています。

ところが、ウェイト=スミス版が世に出たのは、タロットの600年近い歴史の中でいうと最近、たかだか100年ちょっと前です。今やスタンダードとされるこのデッキは、実は新参者に過ぎなかったのです。では、その前はどんなデッキがあったのでしょうか。
芸術的な歴史があるからこそのタロットの魅力
現存する最古のタロットの一群は、15世紀イタリアのミラノで制作された「ヴィスコンティ版」あるいは「ヴィスコンティ=スフォルツァ版」と呼ばれるものです。ヴィスコンティ家(末裔にはあの有名な映画監督ルキノ・ヴィスコンティもいますね)やスフォルツァ家のために作られた手描きの豪華版タロットで、記念品、贈答品として発注されました。ルネサンス期のミラノ公国の華やかな文化の結晶とも言えるこれらのデッキは、欠落したカードを補完する形で復刻版も出ています。

タロットが普及していったのは、16世紀から17世紀にかけて、素朴な木版画のデッキが数多く作られたからでした。リヨン、パリ、アヴィニョン、マルセイユ、ストラスブール、ブザンソンなど、フランス各地で制作され、これらはゲーム用として広まっていきます。多くのバリエーションが生まれますが、土地ごとに絵柄の個性がありました。
その中でもマルセイユやパリなどで作られていたデッキは、典型的な図像で統一されていきました。それらは「ヴィスコンティ版」などのイタリアのデッキのスート(棒、杯、剣、金貨)を受け継いでいたので、イタリア版などと呼ばれていましたが、20世紀になって「マルセイユ版」という名が定着します。
「ヴィスコンティ版」と「マルセイユ版」と「ウェイト=スミス版」。それぞれバリエーションがありますが、15世紀イタリアのミラノ、17世紀フランスのマルセイユ、20世紀イギリスのロンドンで生まれたデッキです。デッキ名の由来も、貴族の名、製造地、制作者名と三者三様。絵柄もそれぞれ個性がありますね。

3大デッキの絵柄を見比べることでリーディング力をアップしていこう!
7月27日(日)13:00~14:30に、「ヴィスコンティ版」と「マルセイユ版」と「ウェイト=スミス版」。これらの歴史ある三大デッキについて講座を開催します。
本当は18世紀フランスで流行した「エテイヤ版」や、20世紀イギリスで「ウェイト=スミス版」と並ぶ魔術タロットと評価される「トート版」も入れて、五大タロットにしたいところでしたが、時間にも制限があるので、今回は三大タロットでいきましょう。
この講座では、「ウェイト=スミス版」だけでなく、「ヴィスコンティ版」と「マルセイユ版」も比較しながら、それらの占い上の意味や解釈の違いを体験していこうという試みです。
「ヴィスコンティ版」や「マルセイユ版」は解説書も少ないので、敬遠してきた人も多いでしょう。せっかく買ったのに読み方が分からないので、実践で使うことができないでいる、という声も多く届きます。
そもそも「ヴィスコンティ版」や「マルセイユ版」は、記念品やゲーム用のデッキなので、占いに使えないと思い込んでいる人もいるようです。それを言ってしまえば、トランプ(プレイングカード)も遊戯用のカードですから、トランプ占いもできないことになってしまいます。ゲーム用デッキで占うことはまったく問題ありません。
まったくの初心者でもご参加いただけます。そもそも「ヴィスコンティ版」に関してはほとんどの人が初心者なのではないでしょうか。しっかりと絵柄を見比べることで、どなたでもきちんとリーディングすることができるようになります。小アルカナの数札が絵札ではないピップカードの場合の読み方も、しっかりとシェアしていきます。
講座が終われば、あなたが持っているタロットをすべて広げて、絵柄の違いを比較検討したくなるかもしれません。そして、ある相談内容に対し、それぞれのデッキごとに意味や答えが変わってくるのを楽しむことができるようになっているはずです。さらに、解説書のないデッキも、小アルカナが絵札でないデッキでも、リーディングするヒントをしっかりと手にしていることでしょう。
講座の詳細、お申込みはこちらです。
2025年7月27日(日)13:00~14:30
タロットリーディングマニュアル第四章「絵柄から三大デッキを読み比べ!」千田歌秋
https://www.trinitynavi.com/products/detail.php?product_id=4868



















