イスラエル-イランの戦乱に相次ぐ地震と不穏な流れが続く中で — 六白金星7月は、天変地異に備えつつ周囲を潤し助け合う時
7月を迎えました。先月は、インドで飛行機事故が起き、241人の尊き生命が犠牲となりました。また、イスラエルとイランによる激しい戦闘は一応の停戦を見ましたが、一時はイランがホルムズ海峡を封鎖するというニュースが報じられ、世界中を震撼させました。エネルギー資源輸送の生命線であるホルムズ海峡が封鎖された場合、石油やガソリン価格の高騰で、私たち日本人の生活は一層、苦しくなります。日本はまだまだ豊かで世間には多くのモノが溢れていますが、海外での大きな出来事ひとつで、目の前の状況が暗転する可能性を孕んでいることを、心に留めておいた方が良いでしょう。
災害面では、吐噶喇(トカラ)列島での相次ぐ地震の続発が、将来的な大地震の発生に繋がるのではないかという見方も出ています。鬼界カルデラ地帯から南海トラフが安寧であるよう、祈りたいものです。『春秋左氏伝』に、“居安思危”(きょあんしき)という言葉があります。普段から万が一事態を思い、用心を怠らないようにせよ、という教えです。何が起こるかわからない、激動の時代に入りました。第3次世界大戦や天変地異など最悪の事態を想定しつつ、自分にできる範囲で、防衛体制を整えておきたいものです。
小暑を迎える7月7日、月運が七赤金星から六白金星に移ります。六白金星は、“天”を表す星です。天は尊い、高貴のイメージです。父性、権力闘争、支配といった面が強調されます。また“完成”、“施し”、“首相”、“勝負”といったキーワードも挙げられます。一方で“結婚”といった象意もあります。
今月は参議院議員選挙が予定されていますが、選挙後の勢力地図を巡って、首相の交代を含めた、与野党入り乱れた権力闘争が激しくなりそうな気配です。一方、個人面では “結婚”の意味もあるように、交際から日も浅い男女が電撃入籍を果たしたり、長く交際したカップルが遂に結婚へ辿り着くといったケースが増えそうです。また、転職や転居等で新しい生活を始める方は、その環境で、結婚縁に繋がる異性との出逢いが期待できるかもしれません。
7月の月運の干支は、“癸未(みずのとひつじ)”。今月は、夏の終わりに降る雨のように、穏やかな雰囲気で皆が周囲の人を潤してゆくような一ケ月となりそうです。物腰が柔らかくなり、傷つきやすく、普段よりも寂しさを強く覚える人も増えそうな気配です。寂しさを紛らわすための浪費には、注意しましょう。
二十八宿は“井宿”。今月は、頭の回転が速くなり、人との会話を楽しむことができそうです。ただ、自分の意見ばかりを主張して、ヒートアップして口論となる可能性もあるので注意しましょう。“喋り過ぎる”嫌いがあるので、思ったことの八分目くらいで、あとは腹に収める気持ちを忘れない方が良さそうです。物質運など、財産にも恵まれる暗示です。臨時収入や思いがけないプレゼントなど、喜びごとにも期待して良いでしょう。
重要な契約や勝負事に関しては、大安の6日、12日、18日、24日、30日、一粒万倍日の12日、15日、24日、27日、百事よしの9日、百事妨なしの24日に設定すると良いでしょう。デートや告白、プロポーズを考えている方も、上記の日を選びましょう。なお、今月の暗剣殺は西北となります。23日からは、天一天上となります。今月下旬は、家の掃除さえしっかりしておけば、方位に障りはありません。
惑星の逆行ラッシュと天王星の双子座移動がもたらすもの — 天災の発生に細心の注意を払いつつ、懐かしき愛する存在との再会で未来を切り拓く
西洋占星術の観点で言えば、9/1まで海王星と土星が牡羊座で同室しています。夏の終わりまで、世間で大きな影響力を保持してきた組織や著名な人物が不実、不正等で糾弾され、大きな社会的制裁を受ける可能性があります。先月は長期に亘り国民的人気を誇った男性アイドルグループが、メンバーの不祥事を起因とし突然の解散に追い込まれました。今月も、著名人がなんらかの不祥事で表舞台から姿を消す可能性があるかもしれません。
5日には、その海王星が逆行を開始します(~12/10)。海王星が逆行している期間は、無意識の変容、整理が着実に進む時です。また、“水”を伴う自然災害にも特に警戒を要する時です。更に今夏は、ウイルス感染や食中毒にも十分に注意しましょう。同じ5日は、金星が双子座に移動します(~7/31)。今月は、SNSで交流する共通の話題、趣味を持つ仲間と初めて対面する機会に恵まれたり、自分が住んでいる地域から友人の住む街へ遠征したりと、現在地から“移動”をする機会があるかもしれません。そこから“ご縁”が強化され、やがて交際を始めるカップルも多く誕生するでしょう。
そして七夕を迎える7日には、天王星が双子座へと8年ぶりに移動します(~2033.5/12、逆行するのは2025.9/6~2026.2/4、再び牡牛座に滞在するのは11/8~2026.4.26)。人間の一生に相当する84年間という歳月をかけて12惑星を巡る天王星は、“革命”を表す星です。
天王星が双子座に移動すると、交通や移動手段、教育、コミュニケーションといった分野に画期的な変化が起こりそうです。例えば受験に於いて偏差値が意味を為さなくなり、誰もが自宅でインターネットを使って良質な授業を受けられる体制が整えられたり、テレビ/新聞といったオールドメディアが衰退の一途を辿りネットメディアが隆盛を極めたり、またネットを介した友人関係の構築や恋愛がスタンダードとなってゆくでしょう。ジェンダーや国籍といった枠組みも溶解し、いわゆる多様性、多文化共生の試練を迫られる時でもあります。いわゆる“風の時代”の空気が、一層色濃くなってゆく時です。
注意すべきは、天王星には突発的なアクシデントの象意もある点です。土星以遠のトランスサタニアンのサインチェンジ時は、大きな地震など自然災害の可能性が高まります。東日本大震災が発生した2011(平成23)年の3月11日は、天王星、海王星が移動するタイミングでした。今回も、天王星が移動する7/7前後は、しっかりと災害対策をしておいた方が良さそうです。
11日5時37分には、山羊座で満月を迎えます(バックムーン)。この満月は、自身がこれまで情熱を持って一生懸命に取り組んできたことに、何か新しい展開がある時です。会社勤めの方は昇進、昇給といった喜びごとに恵まれたり、または大口の顧客を獲得できたりと、社会的な達成感、充足感に恵まれる時です。現在の自分にとって必要な人脈も揃い、良いパートナーシップにも恵まれる気配です。
13日には、牡羊座の土星が逆行を開始します(~11/28、9/1からは逆行するあまり魚座へ)。忍耐、制限、責任、境界線、カルマ等を表す土星は、人間に精神的成熟を促す星として知られています。土星が逆行すると、これまで順調に進んでいたプロジェクトが一旦中止、休止となったり、順調に進んでいた物事が停滞したりする事象が起きやすくなります。仕事でリーダーや責任のある立場に就いている人は、ストレスで体調を崩さないよう注意しましょう。恋愛面では、軽い遊びではなく現実的な結婚を視野に入れた、心を通わせる真剣な交際が求められる時期です。
18日には、獅子座の水星が逆行します(~8/11)。この時期は、自分が純粋な気持ちで表現したいことにスポットが当たる時期です。自分の本当の気持ちに気づき、動き出す時。過去に出逢った人への郷愁が強まり、連絡を取りご縁が復活することもあるでしょう。昔好きだった人と復縁をするのは良いですが、この時期はコミュニケーションを巡るトラブルも起こりやすい時なので注意しましょう。
また、今月は20日に参議院議員選挙が予定されていますが、ネット上で政治的ベクトルが違う人との批判の応酬などをすると“運”が下がるので、激しい言動は避けるよう十分気を付けましょう。
そして25日4時12分には、獅子座で新月を迎えます。この新月は、日々の生活を楽しむことに集中することで、運が開ける時です。この時期は友人とのドライブや音楽フェスに足を運んだり、自分の趣味にお金をかけるなど、とにかく自分にとって“楽しい”と思えることを徹底してやりましょう。平和な時代に生まれた幸福を、享受する時です。
月末の31日には、金星が蟹座へ移動します(~8/26)。この時期は、誰もが母性と癒しを求める時期となります。過去にご縁のあった、自分の面倒をみてくれた優しい異性が帰ってくるかもしれません。“独りぼっちで生きなくてもいいんだ”と、思い込みを外し心からの安息を得られる、そんな予感に包まれる月末となりそうです。
今年も、夏が再び、巡ってきました。今月は、私が10代の頃に感銘を受けた、ドイツの詩人・リルケ(1875~1926)が詩人志望の青年、フランツ・カプスに宛てた『若き詩人への手紙』の一節を今年も、引きましょう。
「木というものは、自若として春の嵐の中に立ち、
夏はこれに続いて来ないかもしれぬというような心配はしません。
夏は必ず来ます。
しかし、夏は、あたかも目の前には永遠があるとでもいうように、
なんの懸念もなく静かにゆったりと備えている、
忍耐強い人々のところにだけ来るのです」
今から100年以上も前、リルケが若き詩人に宛てた手紙の一節は、時を超え、現代に生きる私たちへの、温かい励ましの言葉のようにも思えます。厳しい春の嵐を耐え忍んだ木々は、この夏、眩い太陽の光を浴びながら、鮮やかな緑を燃やすことでしょう。
未来に向け、静かにゆったりと備えながら人生の試練に耐えた『TRINITY』読者の皆様におかれては、燃え上がるような友情と真実の愛につつまれ、人生の果実を味わえる7月となりますよう、祈念しております。
(了)