桃で脳卒中のリハビリ !? ひな祭りは脳の健康を考えるきっかけに

脳卒中の後遺症でお悩みの方からご相談を受けたときにはトウニンを配合した漢方薬をお薦めすることがあります。

脳卒中を罹患すると、治療後でも筋力の低下、しびれ、言葉のもつれなどといった後遺症に悩まされる場合があります。

このような症状に対して毛細血管の血流を改善し、気を補うことによって回復を試みる漢方薬アロマタッチという手法をご紹介いたします。

 

驚くべきトウニンの抗炎症作用

3月3日のひな祭りは「桃の節句」と呼ばれますが、この時期に花を咲かせる桃は、当時、魔除けの力を持つと考えられていたことから、節句を祝うのにふさわしいものとしてこう呼ばれるようになったといわれています。

ところで、桃は漢方では種の部分が使用され、トウニンと呼ばれています。
薬理学的には抗炎症作用を持つといわれ、その効果は実験でも証明されています。
そのひとつに急性炎症に対する実験があります。
まずは体重110~130gのラットにトウニン抽出物を投与します。
そして、その1時間後、ラットの足裏に炎症誘発剤を投与して浮腫(むくみ)を引き起こします。
この浮腫の大きさがトウニン抽出物を投与しない場合に比べ、どの程度減少するのかを確かめるという実験です。

また、効果レベルを比較するため、トウニン抽出物の代わりにインドメタシンを投与する実験も同時に行われました。
インドメタシンは医療でも高頻度に処方される抗炎症薬で、関節リウマチ、腰痛、痛風発作、神経痛、膀胱炎、前立腺炎、歯痛などに使用される適用範囲の広い薬です。

炎症誘発剤を投与した3時間後の浮腫の大きさを計測すると、無投与のラットに比べ、トウニン抽出物1mg /kgを投与したラットの浮腫は52.1%減少し、インドメタシン1mg /kgを投与したラットの浮腫は32.3%減少するという結果が得られました。
これはトウニン抽出物を投与することによって、浮腫の大きさが半分以下に減少し、さらにインドメタシンよりも20%程度高い炎症抑制効果を持つということを示しています。

 

脳卒中のリハビリに漢方薬アロマタッチ

この他にもトウニンは様々な効果を持っていますが、中でも注目したいのは微小循環の改善作用です。
微小循環とは、毛細血管をはじめとする細い血管を巡る血液循環のことです。
トウニンは、この作用により鬱血、血行障害による持続性の疼痛、反復する出血、癒着などの症状を改善します。

私たちは、脳卒中の後遺症でお悩みの方からご相談を受けたときにはトウニンを配合した漢方薬をお薦めすることがあります。
脳卒中には、脳の血管が詰まる脳梗塞と出血が起こる脳出血があります。
栄養状態がよい今の日本では脳梗塞が多く生じます。
脳の血流が悪くなり、その先に栄養が届かなくなるのです。
私たちは、このような状態にトウニンを使用します。
加えて、トウニンの力を増強するコウカ、気を補うことによって痛みやしびれを改善するというオウギなどを配合し、症状の改善を目指します。

さらに、イモーテル、オレンジスイートなどのエッセンシャルオイルをアロマシャワーとして使用し、同時に頭蓋仙骨療法の考え方を取り入れたヘッドマッサージを行います。
頭蓋仙骨療法はJ.E.アプレジャー医師が確立した治療法で、頭部を優しくマッサージし、脳を保護している脳脊髄液の水圧を変化させることによって脳や身体の不調を改善させるというものです。

私たちは、漢方薬、アロマテラピー、頭蓋仙骨療法という3つの手法を同時に行う漢方薬アロマタッチという手法を用い、それぞれの特長を活かすことによって症状の改善を目指します。
筋力の低下、しびれ、言葉のもつれといった脳卒中の後遺症が通常のリハビリだけでは思うように回復が進まない場合、解決策のひとつとして漢方薬アロマタッチをお考えください。

 

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