感情美人への道~Vol.33困難に挑戦したくなるマインドセットの作り方〜 The Mindset that Makes You Want to Challenge Difficulties

人生の困難を成長の糧にできる人には、大きな特徴があります。それは「今感じている痛みを、将来の希望と結びつけられるか」。

 

今年ももうすぐ終わりですね。
今回は、皆さんにぜひ2015年を振り返りながら記事をお読み頂ければと思い、最初に質問をさせて頂きます。

1.今年一番「しんどかった時」はいつでしたか?
2.今年一番「成長できた」と感じた時はいつでしたか?

1.は、「もう自分はこれ以上前に進めない!」と思った時、または「これ以上落ちる事がないほど落ちてしまった時」を挙げる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでもう一つ質問です。

2.で、「自分が幸せだった時、全てが順調だった時」を挙げた方は、果たしていらっしゃるでしょうか?

「人間的に一回り大きくなれたかな」という成長は、ほぼ100%、困難に直面する過程で生まれます。
だから「お金も、仕事も、人間関係も、健康も全てがこの上ないほど上手くいっている状態」というのは、言葉を変えれば自分の成長が止まっている時期なのです。

でも、頭を殴られた様なひどいショックを受けた時は「試練よ!ありがとう」とはなかなか思えませんよね。そんな時は、こう考えてみませんか?

 

『ここで、人生ポイントをためる!』

実はこれ、私が娘(8才)に言い聞かせている言葉なんです。
ある日、娘が通っている習字教室の先生から、かなり焦った様子の文面のメールをもらいました。
なんでも、展覧会用に保管しておいた娘の出品作品を、不覚にも汚してしまったので、申し訳ないがもう一度レッスンを設定させて頂きたいという事。

この作品は、娘自身が「奇跡の一枚が書けた!」というほどの思い入れがある作品で、これを出品できれば必ず賞がもらえるね、と先生も私も話していた出来でした。
これが出品できなくなってしまったと分かった娘は、「もう出さなくていいよ。だから追加のレッスンには行かない」と本当にがっかりしてしまいました。

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ここで、「ママも本当に残念だけど、自分は全然悪くなくても、たまにどうしようもない事が起こっちゃうんだよ。
でもそこから逃げないで、自分が出来る事を一生懸命すると、『人生ポイント』がたまって夢がかなう力が強くなるんだよ」と話をしてみたのです。

 

人生の困難を成長の糧にできる人には、大きな特徴があります。

それは「今感じている痛みを、将来の希望と結びつけられるか」。

行動経済学者のダン・アリエリー教授は、高校時代に事故で皮膚の70%以上がⅢ度熱傷という重度の火傷を負いました。
手術、理学療法、治療のどれを取っても身悶えするほど苦しかったそうですが「これを頑張れば必ず良くなる。回復が早くなる」という希望を持ったそうです。

教授はこの経験を通して「わたしたちが経験する痛みの量は、傷のひどさだけでなく、どんな状況で苦痛を経験するか、苦痛にどんな意味を与えるかによって決まる」と話しています。

また、当代一の企業家と呼ばれるイーロン・マスク氏には、前妻との間に5人の子供がいます。
交通手段はプライベートジェット、遊び相手はモナコのロイヤルファミリーという華々しい世界で暮らす子供たちです。
しかしイーロンは、「子供たちには恵まれた環境でなく、試練が必要だ」とインタビューで答えています。
「何度も潰れそうになったおかげで今の成功がある」、と身をもって感じているからでしょう。

ダン・アリエリー氏も、イーロン・マスク氏も、そして世の中の成功者と呼ばれる人のほとんどが、困難の中に未来の希望を見つけようと必死にもがいたのです。
だから、ぜひ皆さんも「もうダメかもしれない」と思った時は、「ここで将来のポイントを貯めてやるんだ!」と開き直ってみて下さい。

 

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困難に屈しない人は、運に好まれます。
今年、皆さんはどんなポイントを貯められましたか?

 

《柊 りおんさんの記事一覧はコチラ》

参照:
『不合理だからうまくいく』早川ノンフィクション文庫 ダン・アリエリー
『イーロンマスク 未来を創る男』講談社 アシュリー・バンス