感情美人への道Vol.32 ~「体罰」と「しつけ」の違い〜Difference Between Discipline and Corporal Punishment

「体罰」は大人本位の行為。 「しつけ」の主人公はあくまで子供でなければなりません。本当に子供の可能性を開きたい、間違いを更正させたいと思ったら暴力に訴えたら絶対にいけないのです。

③自分は叩かれたおかげで成長できたから、同じようにする

このようなことを言う人も多いのですが、それは「父が本気で殴ってくれたから」目が覚めたのではなく「父が本気で向き合ってくれたから」自分の中に新しい気付きが生まれただけです。そこに暴力が介在する必要は全くありません。

「しつけ」は子供が一人でも生きていけるよう、問題を解決できるよう大人がガイドしてあげることです。

子供には子供の言い分や正義があります。
まずは、同じ目線に立って子供の気持ちを聞くことから始まります。しつけるには、まず子供の気持ちや、行動する理由をしっかりと親や教師が理解しなければいけないのです。
これは正直、手間と時間がかかります。
でもこのプロセスを踏むことで子供は自分で考え、実行する力が身に付くのです。

スポーツの分野では体罰は正当化されてきましたが、体罰と成績は全くの無関係です。

例えば、2013年に全国大会で優勝した兵庫県の滝川第二高等学校。
サッカー部を率いた栫裕保(かいこやすひろ)監督は「生徒がみずから課題を見つけていくという自主性を重視した指導方法を徹底してから、チームは1段高いレベルで戦えるようになった。こうした環境を作りさえすれば教師が生徒を力で従わせる必要はなくなる」と言います。

当時ニュースでも取り上げられていましたが、生徒達は互いのプレーを真剣に見て、自分たちで弱点を探り、練習メニューも自分達で決めていました。
このような「自主性」を養えるよう道を引いてあげるのが本当の指導者の姿です。
そして、当然そこには互いの信頼関係がないといけません。

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「体罰」は大人本位の行為。
「しつけ」の主人公はあくまで子供でなければなりません。

皆さんは、体罰で「いい経験をした」と思ったことがあるでしょうか?
私が体罰を受けたのはもう25年も前ですが、その時感じたのはどうしようもない怒りと理不尽さです。

本当に子供の可能性を開きたい、間違いを更正させたいと思ったら暴力に訴えたら絶対にいけないのです。

 

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参照:
『しつけと体罰』童話館出版 森田ゆり