魂のQOLを向上させようVol.41脳に騙されるな!Part1:人の不幸は蜜の味!?

「人の不幸は蜜の味」と感じる脳機能・シャーデンフロイデとわたしたちは、うまく付き合っていく必要があるのです。

魂のQOL向上のためのスキルを、鑑定師 惠美子がお伝えするシリーズ。
今回は「脳に騙されるな!」シリーズの第1回目として「嫉妬の仕組み」についてお伝えします。

 

■人の不幸は蜜の味、それからは誰も逃れられない■

昔から「人の不幸は蜜の味」などといいます。人の悪口や失敗は、いけないことと知りながら、やっぱり面白いものだったり。
特に女同士の場合、噂話は盛り上がるし、ある種の結束が高まることさえありますよね。

でも、それってなぜなのか、考えたことはありますか?

前回vol40~潜在意識の操縦法:設定崩壊のすゝめ~でも触れましたが、脳科学という学問が日本に入ってきて、30年余り。
脳については、まだまだ判らないことが多いというお話をしました。とはいえ、わかっていることも随分出てきています。一説には、恋愛も心ではなくて脳でしているかもしれない、という研究も、行われているのだとか。

さて、本題の「どうして人の不幸を、人間は喜ぶのか」。これにも、実はしっかり脳が関係していたのです。

自己を高め心がきれいになれば、人の不幸なんて願わないはず。そう思っているあなた。人を妬んだり、失敗を喜んでしまう自分はなんて心の貧しい人なんだろう。そう自分を責めていたあなた。

あなたは、正しい

そう、人間という生き物は、実は人を妬み、失敗を喜ぶように作られているのです。つまり、その感覚はすごく本能的行為であり、人間をやめない限りなくならないということ。心の豊かさとは、まったく無関係に湧き上がってくる思いであり、湧き上がることが、むしろ自然なことなのです。

 

■脳の感情的機能「シャーデンフロイデ」■

脳には「報酬系」と呼ばれる働きをするところがあります。

報酬には「快」の感情を伴うものがすべて含まれます。

その中には、ネガティブ、ポジティブという区別がないだけでなく、それが幸せかどうかさえ、判断材料に含まれません。要は「快」と判断さえされたら、すべて「報酬」として処理されてしまうのです。例えそれが「ざまあみろ」といった、超ネガティブな感情から湧き上がる快感だったとしても。

この<脳の感情>には名前がついていて「シャーデンフロイデ」と呼ばれます。

シャーデンフロイデは、嫉妬やライバルの失墜など、ネガティブな喜びに対し、脳を活性化させることが判っています。なおかつ、本能として脳に組み込まれた機能であり、これをなくすこと自体不可能と考えていいでしょう。

脳の潜在的機能なので、失くすということは無理なこと。

脳の一部分の機能のみ動かなくするなんてことは、あり得ません。心臓の一部を動かなくすること、無理なことは、誰にでもわかるでしょう。脳も臓器である限り、もともと兼ね備わっている本来の性質には逆らえない。

「人の不幸は蜜の味」と感じる脳機能・シャーデンフロイデとわたしたちは、うまく付き合っていく必要があるのです。

 

■あなたのシャーデンフロイデの動き方を把握しておこう■

脳は、パソコンとよく似た構造を持ち、よく似た動きをします。であるなら、どう動くのか理解しておけば、上手に付き合えますよね。あなたの脳のシャーデンフロイデが、どのような動きをするか、簡単でいいので把握しておきましょう。

方法は、以下の4つのステップを使ってください。

あなたが人に嫉妬心を持つのは、どのような相手か、紙に書き出してみましょう。
どんなタイプの人か、どんな状況なのかなど、思いつくまま書いてみましょう。

①で書いた嫉妬心に対し(もしくはそこで感じた感情に対し)自分がどのように対応しているか書いてみましょう。
人によって、とる行動はさまざまだと思います。
ありのまま書きましょう。
ポイントは「それをすると、その感情から解放される」と感じる方法を書くことです。

①の相手が失敗したとき、あなたが何を感じるかを書き出します。
(つまり、②で感じた感情を明確に書き出します)
「ざまあみろ」「天罰があたった」など、人によって感じ方は違うと思います。
思ったままを書いてください。

③のような感情を持つ自分について、どんな思いを持つか書いてください。
「ひととして最低」「なんて考えの低い嫌なやつなんだろう」「そう思われて当然だ」など色々あると思います。
ありのまま書いてください。

先にお話したとおり、シャーデンフロイデは脳が兼ね備えている基本機能です。なので、③の思いは、どう頑張っても勝手にわき上がる。

それは、あなたの心が感じている思いではなく、あなたの脳が感じている思いだから。

心が感じているのではなく、脳が感じている。

つまり、そう思い込まされている。そう、脳に操られている状態が、このシャーデンフロイデが作り出す感情なのです。にも関わらず、わたしたちは④のような感情を持ちます。

自分を責める人、肯定する人、いろいろな反応を作り出す。

この④こそが心の動きであり、それに対してとる対処的行動が②なのです。ここに、その人の個性が出ます。

万人の脳が持つ機能シャーデンフロイデ。

でも、それに対する感じ方や対処法は千差万別です。そして、これが「個性」の正体であり、わたしたちはここを見て人を好きになったり、反対に大嫌いになったりします。この「人」の中には、自分自身も含まれる。だからこそ自己嫌悪に陥ったり、その結果として自己実現を阻む(要は自分に罰を与える)といった動きを脳が作り出してしまうこともあるのです。

脳に騙されないように、いまの自分の思いは脳が感じさせたことか、それとも心が感じたことか、しっかりと把握するようにしましょう。なぜなら脳が感じる感情は「規則性」という行動習慣が作り出すものだから。

この規則性については、次回以降にお伝えしたいと思います。

 

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