魂のQOL向上のためのスキルを、鑑定師惠美子がお伝えするシリーズ。
今回は潜在意識の操縦法の1つとして「設定崩壊のすゝめ」についてお伝えします。
■潜在意識は、本当は、操縦できない?■
「脳科学」という学問が日本に入ってきて30年余りが過ぎました。30年という時間は、たぶん学問という分野で考えたら、まだ新しい分野の学問でしょう。脳については、日々研究はされているものの、まだまだわからないことが多いと一般的には考えられてきています。
とはいうものの、脳の9割を占める潜在意識の働きでわたしたちは、自己実現を阻まれているのです。この理論は、かなり一般に浸透したように思います。そして、その潜在意識をコントロールする方法や掃除する方法は、他方面から研究され、そのHowtoが実際に実践されていると
思うのです。
ここで、素朴な疑問。
潜在意識ってモノは、制御できないものじゃないのか?
そうですね。通常はそこからすべてのことが考えられています。制御できないから、思いもよらないリターンが現実に戻ってくる。引き寄せトラップに陥る人たちは、たいていこのトラップにハマっています。じゃ、どうして「操縦」なんてことをいうのか。よく言われることに「心のそこから信じないと、潜在意識には届かないよ」というものがあります。
では、なぜ心の底から思えるひとと、思えない人がいるのでしょう。
そこには、「自分自身のキャラ設定」というトラップが潜んでいるのです。
■自分のキャラ設定を、判っていますか?■
わたしが自己実現のご相談の際に、クライアントにお尋ねするちょっとした質問にこんなものがあります。
「あなたを、物語の主人公に例えたら、何だと思いますか?」
これ、意外と自分のキャラを引き当てるんですよね。
例えば「シンデレラ」と答えた場合。
最終的には幸せになるかもしれません。でも、その前に、ものすっごく苦労する。だって、そういう設定がシンデレラだから。
例えば「白雪姫」と答えた場合。
最終的には幸せになるかもしれません。でも、それは命がけで、しかも誰かに助けられての末のことだって、そういう設定だから。
じゃあ、親指姫だったら? じゃあ、人魚姫だったら?
そう考えると、叶わない理由も見えてきますね。
ゲームが好きな人なら、いわゆるRPG系のゲームは、やったことあると思うんです。兵隊さんは、大金持ちにはなりません。王様は、パーティに加わって戦いには行きません。だって、そういう設定だから。
つまり、この設定を超えた自己実現を、自分にどれだけ言い聞かせても「それは設定にないから無理でーす」って脳が言ってくるだけなんです。挙句の果てに「しつこいなぁ、それはそういう設定じゃないんですよ。脇役は、主役にはならないの!」と言い出し、それを思い知らせるような現実を生み出します。
つまり「設定にしたがってしっかりやってよ」と言ってくる。とある心理学の世界ではこれを「強化」と呼ぶそうです。その設定を、より強化する。そして、諦めざるを得ない現実のほうをどんどん引き寄せる。脳を操縦するのか、脳に操縦されるのか。この違いは、人生に大きな開きを生みますよ、ということなわけです。
■設定を、疑ってみよう。違っていたら、再設定!■
社長になりたい。結婚したい、子どもが欲しい、お金が欲しい。人の夢はいろいろです。でも、その夢そのものが手に入らないキャラ設定を自分に与えていたら、それは一生手に入りません。だって、そういう設定だから。
そう、すべてはこの「それは設定にありません」の一言で終わってしまう話なんです。脳はパソコンのCPU(一番頭脳にあたる部分)に似ています。パソコンはそこに設定のないことは、一切動いてくれない。脳も同じで、設定がないものは、設定しなおさないと動かない。パソコンだって何かの拍子で接続設定が飛んだら、もうネットが繋がらなくなりますよね。そのとき、当たり前のようにわたしたちは再設定します。だって、ネットが使えないと不自由だから。
え? なら、脳も同じようにやったら、いいんじゃない?
そういうことです。設定が間違ってエラーが起こるなら、それをキチンと設定しなおせばいい。どう設定したら自分が欲しい情報を処理できたり、手にできたりするのか、設定しなおして現実になるまでトライしてみればいい。そのためにはまず、自分の今の設定を疑ってみる必要があります。そして違ったらその設定は書き直せばいい。つまり、設定崩壊→再設定ということ。
ここで、気をつけて欲しいことがあります。いまの現実がもし、うまく行っているなら、その設定は、絶対に書き換えないでください。脳は実にデリケートな精密機器です。欲をかいて書き換えた末に、現実がよりひどくなっていくケースも存在します。
クンリダーニ・ヨガには、豊かさの瞑想というのがありますが、強欲にならないために制限時間11分以内と規制を設けています。つまり、強欲になると、むしろだめになるということの現れ。何事も「過ぎたるは、及ばざるが如し」。適度な設定管理で、あなたの人生という舞台を楽しく満喫しましょう。
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