季節によるお祭りの違いを知っていますか? 夏祭り編

日本は、自然が様々な表情をみせてくれる「四季がある国」
そんな季節の移り変わりにあわせるかのように、様々なお祭りも行われます。
そんなお祭りの語源は「祀り」「奉り」だといわれています。
つまり、神様に奉仕したり、何かをお供えしたりという行為を指しているわけです。

このことからもわかるように、本来は、神様をお招きして交流をし、なおかつなにかを献上することがお祭りだったわけですが、より現世的な利益を求め、豊作を祈願したり、疫病よけなどを祈願したりするように変わってきました。

そんな中で、春と秋は豊作を願い、収穫を感謝するというお祭りが行われるようになってきました。
ある意味では、もっともポピュラーな形のお祭りといえるかもしれません。
日本人は長い間農耕民族でしたので、春と秋に行われるこれらのお祭りは、神社で行われるお祭りの中でも特に「重要」とされるものが多いのが特徴といえるでしょう。

逆に農閑期であるは、お祭りの数がぐっと減ります。
冬の場合は、新しい年を迎えるという一大イベントがあるために、そちらに注目がいきがち、という理由もあるかもしれませんが、そういった新春を祝うお祭りの他に、一年の穢れを落とす目的となる「禊」の為に、火や水を使った浄化のお祭りが行われることが多いようです。

四季の中で、もっとも勢いがあるお祭りが行われる時期は「夏」
元々、エネルギーが活発になる季節ですが、その反面、暑さで食べ物が腐りやすくなったり、梅雨や台風などで湿気が増えて、疫病がはやったりと、かつては「人が亡くなりやすい季節」でもありました。

そんな過酷な夏を乗り切るために、疫病や害虫、台風といったネガティブな存在を追い払うために行われたのが夏祭りとなります。
また、お盆の時期にも重なることから、死者の魂と交流し、慰めるというのも、夏祭りの特徴でしょう。

6月に入ると本格的に夏が到来します。
全国各地で夏祭りも開催されますので、その中でも有名なものをいくつか紹介しましょう。

 

6月に行われる代表的なお祭り
山王祭
東京都千代田区 日枝神社

西暦の偶数年に開催されるので今年は開催されませんが、「江戸三大祭り」のひとつであり、多くの山車が町を練り歩く勇壮なものです。
ちなみに、5月に行われる、こちらも江戸三大祭りのひとつである「神田祭」は、奇数年に開催されるので、内容的にはある程度似通っているともいわれています。

天神祭
大阪府大阪市 大阪天満宮

天神祭自体は、日本全国にある天満宮で行われていますが、6月下旬から7月25日にかけて行われる、大阪の天神祭がその代表格ともいえます。
「大阪三大夏祭り」のひとつといわれており、「鉾流神事」による禊ぎが本来のメインでしたが、今では花火大会や川を効果的に使ったイベントなどが有名となっています。

 

7月に行われる代表的なお祭り
祇園祭
京都府京都市 八坂神社

1ヶ月にわたって行われる、京都の代表的なお祭りであり、全国的にみても有数のお祭りとして知られています。
迫力のある山鉾が設置される「山鉾行事」が有名ですが、夏のお祭りらしく、疫病を鎮めるのが本来の目的です。

博多祇園山笠
福岡県福岡市 櫛田神社

京都と同じように「素戔嗚尊」をご祭神とする神社に奉納されるもので、意味合い的には京都のものとかわりませんが、「山笠」と呼ばれる山車を猛スピードでひいてあるくという、パワフルさが有名なお祭りとなっています。

 

8月に行われる代表的なお祭り
青森ねぶた祭り
青森県青森市

大きな紙で作った人形が練り歩くことで有名な「ねぶた」
同じ青森県内部で「ねぷた」といってほとんど同じような催しも開催されています。
神社などが基本的に関わっていない行事なのですが、元々は禊ぎの意味合いがあったのではないかといわれています。

深川祭り
東京都江東区 富岡八幡宮

江戸三大祭りのひとつといわれており、暑さ除けと禊ぎをかねて、神輿の担ぎ手に水をかけるので「水掛け祭」などともよばれています。
多くの御神輿が登場しますので、参加者はみんなびしょ濡れになるという、いかにも夏祭りといったものです。

五山送り火
京都府

京都にある5つの山に、大文字や鳥居といった形のかがり火が焚かれます
時期的にお盆に行われるので、送り火として精霊をあの世へ返すためにたかれるものといわれています。
お祭りというにはちょっと違うかもしれませんが、全国でも最も有名な夏の鎮魂の行事といえるでしょう。

いかがだったでしょうか?
興味があるお祭りがありましたら是非とも足を運んでみてください。
今回紹介したお祭りは、全国各地で行われているものの、ごく一部にすぎませんので、有名でなくとも、近くのお祭りに参加してみるというのもオススメです。

現代では、昔のように、夏だからといって疫病が流行するようなことはなくなりましたが、暑さは確実に増してきており、熱中症などが増えてきていますので、パワフルなエネルギーを受け取ることのできる夏祭りに積極的に参加して、夏を健康的に乗り越えましょう!

The festival season will be there is a meaning.
To participate in the festival let’s receives its energy.