忘れ去られた神秘の文字「ルーン文字」と「オガム文字」とは?

神秘的な雰囲気を持ちながらも、文字としての実用性も高かったルーン文字。儀式的な内容に特化して作られたオガム文字。現在使われていないこれらの文字がこれから私たち日本人に活用される日が来るかもしれません。

 

ルーンの意味は「神秘、秘密」

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現在では使われていない文字で有名なものとしては、「ルーン文字」があります。

神秘的なパワーを持つとして、エネルギーワークや占いにも使われていますが、本来は1世紀頃に発明された文字であり、神秘的な用途で使われるようになったのはもっと後ではないかとも言われています。

その一方で、そもそもルーンという名称には「神秘、秘密」といった意味があるので、実用性よりも、呪術的な意味合いから作られたのではないかという説もあります。

起源としても、ラテン語をベースにしたという説が有力ですが、スピリチュアルな面としては、北欧神話の主神であるオーディンが、自らを犠牲にするのと引き替えに手に入れたともいわれているのです。

その他にも、神秘的な雰囲気を持ちながらも、文字としての実用性も高かったルーン文字に比べると、より儀式的な内容に特化して作られた文字があります。

こちらはルーン文字よりも、200年ほど後に発生したといわれていますが、形が神秘的で魅力的なルーン文字に比べると、縦横の直線と斜線だけで構成されており、とてもシンプルなものとなっています。

 

儀式的な内容に特化して作られた文字「オガム文字」

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その文字とは古代ケルト人が使っていたといわれる「オガム文字」。

古代ケルト人は、樹木を非常に大切にしており、司祭であるドルイドは、「樫の木の賢者」という意味を持っています。

それだけに、この文字は、一文字ごとに、すべて樹木が対応しているのです。たとえば、アルファベットの「S」に対応する「Saille」という文字には「ヤナギ」。「N」に対応する「Nuin」は「トネリコ」といった具合です。

もちろん、ルーン文字と同じように樹木への対応だけでなく、象徴としての意味合いも含まれています。
前述の「Saille」は「夜のヴィジョン、女性性」、「Nuin」は「マクロコスモスとミクロコスモス」という意味を持ち、これらを活かして、現在では占いに使われたりもしています。

樹木と文字を等価のものと考えるのは、いかにも古代ケルト人らしい思想。
ですが、こういった思想は国土面積の約3分の2が森林である、私たち日本人にとっても受け入れやすいもののように思えます。

日本ではルーン文字に比べて、まだまだメジャーではありませんが、その神秘性と日本人の文化にも近い思想を持ったオガム文字は、今後ブレイクしていくこと間違いなしといえるでしょう。