↑先日、南米コロンビアの旅からセドナに戻ってきた。
浜辺にある家と、木々がいっぱい生い茂るシエラネバタの山の中のコギ族の村に、友人二人と一緒に3人で訪れ、原始的な生活を過ごしてきた。
↑浜辺の家は、屋根がヤシの葉でできており、日本でいう藁葺き屋根風。私がお借りした部屋は2階で、屋根以外、壁はない。床の終わりは外。 トムソーヤの冒険物語を思い出す。
一応、電球は屋根の真ん中から、ひとつぶら下がってはいるが、虫攻撃にあいそうな気がして、夜中に、この電気をつける勇気はなかった。灯りが必要なときは、蛍光灯を使った。
夜の群青色の静けさの中で、虫と、鳥と、猿の鳴き声と、 波とヤシの木の揺れる音がいい感じで混じり合い響きわたる。何にも遮られない海の風が、そのまんま部屋の中に入ってくる。毎晩、周りと自分の境が溶けていくような心地よい感覚につつまれながら、深い眠りについた。
屋根のヤシの葉の茎の部分は、服をかけるのにちょうどよいハンガー代わりになる。
ある日、掛けてある服のすぐ横で、大きな蜘蛛がじっとしていた。
ぎょっ! として、蜘蛛を外に出そうと思ったが、この部屋には、外と中を区切るものがないことに気付き、「服の中に入らないでね」と、蜘蛛にお願いして、 そっとしておいた。それからは、服を着る度、大きくパタパタと振ってから着るようになった(笑)
↑シエラネバタの山に住む先住民族コギ族のマモ(高僧)家族が、私たちに会いに、丸1日かけて山から、この家まで歩いて来てくださった。90歳になるマモと、その奥さんと、5歳くらいの女の子のお孫さん。この子は、いずれクィーンのような立場になるとのことで、マモと奥さんの元で守られながら、ずっと英才教育をされている感じだった。
夜、焚き火を囲んでセレモニーをした。その後、彼らは、火のそばにバナナの葉で編んだマットを敷いて、そのまま大地の上にゴロンと寝始めた。大自然の中、どこでも寝室になる。 火を焚くことで、虫も動物も寄ってこなくなる。 なんてシンプルなんだろう。
そういった、それらが、私の中の「当り前の常識」を、ひとつひとつ取り外していってくれた。
↑数日間、浜辺の家で、コギ族と一緒に過ごしたあと、今度は、私たちがシエラネバタ山の彼らの家にお伺いすることになった。
↑40年くらい前のトヨタのランドローバーを現地の友人からお借りして、オフロードを1時間以上走らせた。途中、川も超えた。ジャングル用にできている車の本領発揮。頼もしかった 。この道を、彼らは、裸足で歩いて来てくれたのだと思ったら、とてもありがたく感じた。
Simple life is fresh……
(後編へ続く……)