一宮千桃のスピリチュアル☆シネマレビューPART.73 「シンデレラ」

おとぎ話の中でも王道ラブストーリー「シンデレラ」をディズニーが実写化! 気になるシンデレラと王子のキャストもはまり役のようです!!

ディズニーの真骨頂! にして秀作!
おとぎ話にハマる私たち現代人の本質とは?

おとぎ話の効用はいかほどのものか? 贅をつくしたセットに衣装、そしてCGと一流の粋を尽くし、夢の世界を映像化するならディズニーの手腕は世界一だろう。そのきらびやかな映像は隅々までリッチで、涙を流しながら甘美な夢物語に浸れる。たとえそれがどこにもいない女とどこにもいない男のリアルじゃない物語でも、そんなことは知っている。

たぶん現代に生きる私たちの過酷な日々には、こんな美しいおとぎ話はきっと必要なのだ。だって「美しいもの」は永遠だから。その美しいものに触れて私たちはつかの間元気になる。そして、私たちも元は「光」という輝く存在なのだと、気づく人は気づくのではないかと思う。
私は見ている間中体が光に包まれているようだった。

おとぎ話の中でも「シンデレラ」は大好きな物語だ。
それをディズニーが実写化。
やはり、大切なのはシンデレラと王子を演じる役者だろう。これが駄目だとすべて駄目でしょう。が、いや、もう素晴らしかった!!

CINDERELLA

シンデレラも王子も合格! の美しさ
美しいものを見て心が晴れやかになる

まず、シンデレラ。正統派美女。ちょっと顔も体もゴツイ感じではあるが、グレース・ケリー似で、品の良いノーブルな顔立ちが好感度大。スワロフスキーで飾られた美しすぎる!! ブルーのドレス(むちゃ重かったらしい)で蝶のように舞い踊る舞踏会のシーンは一番の見所だ。ちなみに彼女の腰の細さには驚愕! しかもこのシンデレラ、とっても現代的。舞踏会に行きたいと主張するし、王子の前でも堂々として自信と勇気にあふれ、継母にも口答えする。うん、いい感じじゃん。現代の女の子は虐げられててもこうじゃなくちゃね。
じゃなきゃ共感されないんだろうけど。

サブ4 C-048-33004R軽

そして、王子さま!  ちょっとブラッド・ピット似のこれまた正統派ハンサム。この王子さま、何が良いって姿勢がいいのと、声! 声が素晴らしく素敵なのだ。
ジョン・ローンぽい憂鬱なこもった声なんだけど、静かでセクシー。心くすぐられる声だ。
また、父親が亡くなるシーンで、ベッドの上で体を丸めて号泣する様は小さい子供のようで魅かれた。王子らしくなくて可愛さが出ていた。母性本能をくすぐられました。
ふたりともイギリス人。監督もイギリス人のケネス・ブラナーだけど、こういう王子さまとか、王女とか、イギリス人じゃなきゃ演じられないような気もする。

魔法がかけられて変身するシーンに号泣!
心の中の願望や憧れが解放される

サブ3 C-016-13463Rsm

さて、私は本作でなんと、号泣してしまったのだけど、どこでと言うと、やはりシンデレラが変身して、かぼちゃが馬車になるシーンなのだ。
もうこのシーンはただただ涙が流れて流れて困った。キラキラと画面は輝き金粉が飛び、魔法がかけられる。フェアリーのスティックの一振りで世界が一変するのだ。こういう全てがリセットされて美しくなる、そして魔法、というのは、私たちの心に深い願望や憧れがあるのかもしれない。私は子供のように「うわあーっ」と眼を輝かせて、気づいたら涙が流れていた。
しばし、「シンデレラ」の話を幼い頃に読んだ時に帰った。その時にはたぶん泣かなかったと思う。今、大人になって、大人向けのディズニーの本作だからこそ、私は号泣したように思う。人の本質も物語の本質も何百年たっても変わらないものは変わらない。人はその時々に必要なものに出会うべくして出会う。そして必要なことを思い出す。

自分のピュアな心を確かめるためにも、是非見て欲しい一作。

 

■4月25日(土)より TOHOシネマズ梅田他 全国ロードショー!

■監督 ケネス・ブラナー

■脚本 クリス・ワイツ

■出演 リリー・ジェームズ ケイト・ブランシェット リチャード・マッデン ステラン・スカルスガルド デレク・ジャコビ ヘレナ・ボナム=カーター

■105分

ⓒ2015 Disney Enterprises,Inc.All Rights Reserved.

Disney.jp/CINDERELLA