インド生活『村上アニーシャのアーユルヴェーダ』Vol.13 〜ナッツ類で美しいゴージャスな髪質を育てましょう〜

とにかく普段からよくナッツ類を食べるインド人たち。 彼らは、知ってても知らなくても、髪のための栄養分を日常的にたっぷりと補給しているのです。

本物美髪を育てる、アーユルヴェーダ伝統・ナチュラルヘアケア法<3>
Ayurveda tradition〜Natural hair care part.3

★ゴージャス美髪の素は、ナッツ&シード類!

今回は、美しい健康的な髪を育てるために必要な「内側と外側からのケア」の内側の部分、つまり栄養面についてお伝えしたいと思います。

アーユルヴェーダでは、「骨、髪、爪の健康には繋がりがあり、骨を健康に保つビタミンやミネラル類は、同じように髪と爪にも効果がある」と考えられています。

もし、髪が不健康な状態なら(明らかにヘアカラーやシャンプーが原因でない場合)骨にもそれが反映されているかもしれません。

「髪は生理学的にみると骨の副産物で、骨の健康状態は脂肪組織に左右されるので、健康的な髪を手に入れるためにはまず、骨と脂肪組織の両方をケアしなければならない。」というのが、アーユルヴェーダの見方です。

具体的には、オリーブオイルやギー(精製バターオイル)のような健康的な脂肪分を日常的に料理に取り入れ、一方、髪に悪いとされる、質の悪い油で揚げられたものは、なるべく食べないようにすること。(薄毛になりやすい人は、揚げ物が大好きなケースが多いです!)

そして、健康的な髪を育てるためのビタミンやミネラルがたっぷり入ったナッツやシード類、特にゴマを毎日欠かさず食べること。

インドはベジタリアン国。
ゆえに、ナッツやシード類、ドライフルーツ類が日常的によく食べられているのですが、私がインドで暮らしていたとき、チッキと呼ばれるナッツやシード類(ゴマ、カシューナッツ、アーモンド、ピスタチオ、ピーナツ、ココナッツなど)を砂糖でぎっしりと固めたお菓子がそこここでよく売られているのを目にしました。

ナッツ類を固めたいろいろなチッキ

ナッツ類を固めたいろいろなチッキ

インド人たちはそれを日常的におやつとして食べていました。

私も一時期、このチッキのおいしさにはまり、ココナッツチッキや、ゴマのチッキを食べていたこともありますが、なにせナッツの塊なので、食べた後は結構胃がもたれることも少なくなし。

インド女性のフサフサ長い髪とにかく普段からよくナッツ類を食べるインド人たち。
彼らが、分厚いフサフサ髪をしているのは、もう不思議でもなんでもありません。
彼らはいつも、知ってても知らなくても、髪のための栄養分を日常的に、たっぷりと補給しているのです。

さまざまなナッツやシード類の中でも、特に黒ゴマは、頭皮を滋養し髪の成長を促す栄養分、銅、マンガン、カルシウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛、リン、ビタミンB1、アミノ酸、セレニウム、食物繊維の宝庫。
髪の色素を左右するメラニン活性を促進するともいわれ、白髪を反転させる効果さえあると考えられ、よく薦められます。

古代から支持されてきたゴマ

黒ごま

ゴマの人気は、何も今はじまったわけではなく、四千年もの間、メソポタミア文明で栽培され、古代エジプト、バビロン、ローマ、そしてインドの古典において、食べ物と薬として文書化されてきました。
(ツタンカーメンの墓から見つかったという報告もあります。)

ゴマの種を挽いたペースト「タヒニ」は、長寿を促がすという評判で、今日でも食べられています。

アーユルヴェーダにおいて、ゴマはアーユルヴェーダ薬として最も幅広く用いられているものの一つで、もしゴマが存在しなかったら、アーユルヴェーダ薬の40%は存在していなかったとさえいわれています。

白髪や抜け毛を予防し、美しいゴージャスな髪を育てるための最高の食べ物、ゴマ。

日常的に食べて、頭皮と髪の栄養分をたっぷりと補給しましょう!

★摂り方:
毎朝、10gから15g(大さじ1)食べるのが理想的です。
個人的には、黒ゴマ100%のペースト状(タヒニ/ねりごま)がおすすめ!