太陽系の惑星というと、近年「冥王星」が惑星の定義に当たらないとされました。
ながらく9個だとされていたものが、現在では「水星」「金星」「地球」「火星」「木星」「土星」「天王星」「海王星」の8つが惑星であるとされています。
これは、冥王星と同じレベルの天体が、
近年になって非常に多く見つかった結果、
もし冥王星を、従来通りに惑星としてしまうと、
惑星が20個以上に増える可能性がでてきたので、
より厳しい基準にしたためです。
結局、天文学では惑星の基準を厳しくする形になりましたが、惑星とは認定されないような天体も積極的に取り入れている分野があります。
それは「占星術」。
星々の位置や動きなどをベースに人の運命を占う、占星術の起源は古く、天文学も本来は、占星術とほぼ同一のものでした。
そういったこともあり、天文学が発展すると共に、占星術もアップデートされ、1930年に冥王星が発見されたときには、貪欲に取り入れてきたわけですが、それだけに、現在、天文学では惑星として認められていない星も、占星術では重要な役割を果たしています。
冥王星が惑星から降格するきっかけともなった
「エリス」という星があります。
こちらは、サイズが冥王星よりも大きいといわれており、正式に命名されたのは2006年のことですが、ギリシャ神話において「不和と争いをもたらす女神」の名前が元になっています。
これは、エリスが発端となった惑星論争に関連して名付けられたとされていますが、占星術では、その女神をベースとして、「不和」や「疎外」といったエネルギーを持っているとしています。また、現在では「信仰」や「退化」といった意味合いも含めて使われるようになっているようです。
比較的古くから占星術に採用されてきた星としては、
1977年に発見された「キロン」
があります。
天文学的には小惑星なのか、彗星なのか微妙なところだといわれており、不安定な惑星として知られていますが、占星術では、病人を助けていた「ケイローン」から名前をとったこともあり、「癒し」の星として使われています。
ただ、その不安定さもあってか、たんなる癒しだけではなく、「傷」をもあらわしており、この星の配置によって、その人の心の深い部分を知り、それを癒すためにはどうすればいいかがわかるようになっているのだそうです。
他にも母性や健康といったものをあらわす「ケレス」や権利をあらわす「ジュノー」など、一般では知られていないような星も、占星術は貪欲に取り込んでいます。
面白いのは、星の名前をつけているのは占星術師ではないにもかかわらず、神話をベースに名前がつけられるために、その神話のエピソードが元になって、占星術的なエネルギーも決められているところでしょう。
普通に考えると、人がつけた名前と、惑星のエネルギーがストレートに関係するはずがないように思えますが、実際に新たな星が見つかり、その動きを元にホロスコープをつくってみると、名前とぴったりとあった性質をもっていることもあるとか。
これは星がもっているエネルギーが人間に影響を与えており、それによって無意識でふさわしい名前を選択してしまっているということなのかもしれません。
このような占星術の流れを見てくると、遠い未来に人間が本格的に宇宙に進出したとしても、占星術は存在しており、今とは違った多くの星をつかった、新しい形のものが生み出されていくことは確実といえるでしょう。
Astrology forever……