医者がプロだからって、私の体を丸投げするのは不本意なの
ボディサイコロジストのおのころ心平さんは、病気や痛みを心と身体のメッセージと受け止め、その治療法や付き合い方を考える医療カウンセラーの先生だ。
私が今まで罹ってきた西洋医学とはまた別の視点で病気を考える人だと聞いて、とても興味をそそられた。
私の病気は、いまだに病名すら確定していない。
もちろん原因も不明である。
病名も原因もわからないため、治療もできない有様だ。
ただ、「処方してみたら効いたから」というだけの理由でステロイドやら筋弛緩剤やらを飲まされているが、そんなの当面の対症療法に過ぎないし、「治療」とは言えないんじゃないかと思っている。
が、その不満を口にすると「神経の病気は難しいから」と必ず言われ、医学的な知識のない私は反論もできずに「はぁ、そうですか」と答えるしかないのだが、正直、全然納得できない。
原因も病名も不明なまま手探りで投薬されるのではなく、わからないなりにもいろいろと話し合って原因を考えたり治療法を試したりしたいのである。
なのに医者は「素人にはわかんないでしょ」と言わんばかりに説明を省く。
でもさ、これ、私の身体なんだよね。
いくら医者がプロだからって、丸投げするのは不本意なの。
そんなに簡単に治ってたまるか……!?
というわけで、西洋医学とは別の視点から病気を考えるおのころさんに、私の病気について話してみた。
何か面白い話が聞けるかもしれないし、もし原因や治療法について新しい観点からのアドバイスをいただけたら、めちゃくちゃ嬉しいではないか!
おのころさんは「病気は才能」(かんき出版)という著書の中で、「病気は人を弱らせるためのものではなく、ココロとカラダをより強靭にするための隠れた能力の発見と気づきを教えてくれるもの」という非常に興味深い言葉を語っている。
西洋医学的ではないこの自由な発想で、私の病気をリーディングしてもらおう!
「おのころさん、病気は心と身体のメッセージだとおっしゃってますが、そんじゃ私の病気って何のメッセージなんですかねぇ?」
「どうなんでしょう。原因不明の病気っていうところが何か……」
「そこがメッセージ?」
「うん、もしかすると本人が『原因がわかってたまるか!』って思ってるのかもしれませんね。面白いことに、患者さんにはそれぞれ治り方にポリシーがあるんですよ。病気が治って欲しいのは山々なんですが、その一方で『そんなに簡単に治ってたまるか!』という気持ちもある」
なるほど、それはなんかわかる気がする!
私がおのころさんと話したいと思ったのは、そこかもしれない。
つまり「治り方のポリシー」ってやつだ。
原因不明のまま投薬で症状が消えて、うやむやのままに「なんかわかんないけど治りました」じゃイヤなんだよ!
治って欲しいのはもちろんなんだけど、ちゃんと納得のいく形で治りたいの。
これはもう性格ね。
病気に限らず私は、自分が納得しないとテコでも動かんという頑固な部分がある。
そんな私の性格がこんな医者もお手上げの原因不明の病気を引き起こしたのか?
だとしたら性格変えなきゃこの病気は治らないのかーっ!!!
のっけからガーンとした私であったが、この後、おのころさんとの対話は非常に興味深い展開となり、私は自分の病気について、身体について、病気と死について、いろいろと考えることになるのだった。
盛り沢山なので、次回に続く……!
小説家・エッセイスト 中村うさぎ
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