「タロー・デ・パリ」の特長と魅力とは? 「タロー・デ・パリ」誕生秘話と特徴

タローデパリ

【「今にフォーカスすること」を重視したカードの誕生】

2002年に英語版、そして2008年に日本語版(ナチュラルスピリット刊)が出版されるや、瞬く間に世界中にファンを生み、現在も魅了される人が増え続けているというカード、それが「タロー・デ・パリ」です。

アーティストで神秘世界の探求者でもあるJ. フィリップ・トーマスさんが、21年の歳月をかけて完成させた「タロー・デ・パリ」は、従来のタロットと同様に、22枚の大アルカナカードと、56枚の小アルカナカード、合計78枚で構成されています。

しかし、絵柄や使い方、解釈の仕方他、様々な点で「タロー・デ・パリ」は、従来のカードとは、一線を画すものになっているといいます。

例えば、従来のタロットが「未来を占うこと」を主目的にしているのに対し、「タロー・デ・パリ」は、「今にフォーカスすること」を最重視したカードであることが、まず大きな違いでしょう。

本記事では、このようにタロットとは似て非なるカードともいえる「タロー・デ・パリ」に秘められた特徴や魅力など、その全貌を余すことなく、全5回にわたってお伝えしていきます。

第1回目の今回は、「タロー・デ・パリ誕生秘話」をテーマに、J. フィリップ・トーマスさんが「タロー・デ・パリ」創作に至った背景をご紹介しましょう。

 

【パリの街角で降りてきた、壮大なるビジョンとは?】

幼い頃から超自然体験や臨死体験、光りとの合一体験などをしてきたというトーマスさん。

それだけに音楽やアートの世界だけでなく、精神世界への目覚めも早く、17歳の時にはタロットとギターを片手に、世界中を旅し始めます。

その旅はオーストラリア、インドネシア、インド、フランスへと続き、まさにタロットの大アルカナに描かれた愚者のような、境界を越えた旅だったそうです。

そして1981年、パリ散策中のトーマスさんに、「タロー・デ・パリ」のひな型となる壮大なビジョンが降りてきたそうです。

もちろん最初は、なぜそのようなビジョンを見たのかは大きな謎でした。

そして、その答えを探し出すかのごとく、イメージを追い求めるようにカメラをかついで連日パリの路地をさまよい歩き、撮影した写真の総数3500枚を超えたそうです。

そして1989年に再びパリを訪れた際、以前来たときは「欠けている何か」をルーブル美術館の中庭に発見します。

そこにはガラスのピラミッドが建てられ、その地下には天井から吊るされたガラスの逆ピラミッドが、さらにその真下には金色の小型ピラミッドが置かれていたのです。
それを見た時に、トーマスさんの中で謎めいたパズルのピースがはまり、パリとエジプトという、タロットの歴史にもかかわる不思議な関係性が明確になっていきました。

タローデパリ

 

【パリの街が内在する、神秘なるエネルギーラインを表現】

つまり、パリという街にとても神秘的な役割があったことを、トーマスさんは発見したのです。

そのことを、「パリの街はエボリューション(進化)とレボリューション(革命)を繰り返しながら、細胞のように大きくなっていき、パリ自体が巨大な集団記憶のプールのようである」と表現しています。
そして、パリのグランド・アーチからルーブルに続く道とそこに建てられた建造物のラインには「集団記憶を浄化し、流す装置のような役目がある」ことや、このラインを延ばせば、エジプトへと至ることも発見したそうです。