苦からの解放/レッツ瞑想!「正定」とは~梵字画家と歩く仏教小径

スワミジは、「瞑想は集中とは逆のこと。努力が入っているとそれは瞑想ではない」と言います。

ヨガもブッダもインド発

ヨギーニみほじです。(ヨギーニ=ヨガをする女性のこと)ヨガを始めて早4ヶ月。

もともとのきっかけは「代謝を高めて身体を軽くしたいな~」くらいなものでしたが、ヨガの神髄は、肉体へのアプローチからメンタルやエネルギーを変容させていくことなのだと知り、驚愕!

そんなヨガスタジオのセミナーで出会うことのできた、インドのひげもじゃ聖人『スワミジ』はこう言った。

「外に向いている意識を内へ向ける……それが、ヨガ」
「何があってもしあわせであるということ……それが、ヨガ」

なるほどね~。

「そーだ、仏教もインドで生まれたんだもんなぁ~……うそ‼︎ ブッダもヨガ、やってたんじゃないの? 一緒じゃん!」なんて思いながら、スワミジの話を聴く。

ヨガはもともと呼吸法だけだったそうです。
けれど、呼吸だけだと瞑想せずただ眠ってしまう人がいたりするし、身体全体を使った方がより一層効果を高められるから、という理由でポーズをつけ、今のような形になったのですって。

 

「正見(しょうけん)」に欠かせない「正定(しょうじょう)」

さて、八正道(はっしょうどう)のうち、いつも最後に説明されることの多い「正定(しょうじょう)」ですが、実はこれ、「正見(しょうけん)」のために欠かせないものです。

「正定」とは正しい瞑想のこと。

「正見=正しく見ること=正しい知覚」は、「正しい理解」につながります。

真実をありのままに見ることができるようになるということです。

けれど私たちは生れ落ちて以来、家族との関りや社会との関わりを持ち、その価値観にさらされながら成長します。
「正しい、正しくない」「良い、悪い」「美しい、美しくない」といった具合に。
しかしながらそうした判断の基準は何でしょう? 地域性や文化の違い、歴史や社会構造といった外的環境によって、その価値基準は変容します。

因と縁で、変容するものなのです。

その外的価値基準にさらされ成長してきた私たちは、心の奥底、潜在意識の中に、その判断をうけたために抱いてしまった痛みやみじめさ、怒りや虚しさなどを封じ込めて生きています。
ある出来事、ある人に出会った時にそうした潜在意識が混じり込んで、その出来事や人を本来のありのままの姿で見ることが妨げられてしまうのです。
この、内的葛藤を外のものに貼り付けてしまうことは、正しくものを見ることの妨げとなります。

 

毎日がワークの機会

そこで必要となるのが、自分をセンターに置いておくこと。センタリングです。
センタリングとは「外に向いている意識を内へ向ける」「何があってもしあわせである状態を保つ」ということ。

毎日を過ごしていれば、様々なことで心が動きます。
今日はゆっくりしようと思っていたのに、朝から仕事の呼び出しがきてしまった。「行きたくね~」
運転中、横から無理やり車線変更で入って来た車にぶつかりそうになった。「ふざけるな~」
思いがけず、仕事でほめられた。「やった~!」
彼との約束、急に延期になっちゃった。「ショック~」
夕飯、期待していなかったのにハンバーグだった。「うれし~!」
子どもがうるさくしていて全然友達との電話の内容が聞こえない。「イラつくなぁ」
などなど。
外的要因で心が動くこと動くこと。

そんな時こそ、「正定」。

要するに、瞑想をする、センタリングのワークをする。
常に、センターに戻る。

そこから「正しく見る」のです。

 

センタリングの方法は様々

センタリングのやり方は、本当に様々。
私が最初に教えてもらったのは、頭のてっぺんから体の中心を通ってまっすぐに、天から降りてくる光の糸が自分を貫き地球の中心にまで到達するイメージを持つ、というものでした。
深く鼻から息を吸い、その息が自分の頭を通り、喉を通り、ハートを通り、へそを通り、丹田、股間、足の先まで入り、体と心の不要なもの一切を集めて口まで戻り、すべてを吐き切る、というクリアリングとセットのものもありました。
これはとってもおススメ。

スワミジは、「瞑想は集中とは逆のこと。努力が入っているとそれは瞑想ではない」と言います。
本当のリラックスの状態、ありのままの真実の自分でいる状態であることが瞑想だとしたのなら、その方法がいろいろあることも納得だなと思います。

心の安定を得ることで、正しく見ることができる。
そうすることにより、八正道のすべての精度が高められる。
「正見」のために「正定」は必須。

ここが八正道の入り口となるのです。

 

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