2月13日公開「劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス」

映画の舞台はなんとリベリア!!

子供の頃、毎週かかさず夢中で観ていたテレビ・アニメのムーミンが、トーベ・ヤンソンの絵柄のままアニメ映画として帰って来ました。もうそれだけで、ワクワクです!

映画の舞台はなんとリベリア!!

正直を言ってしまえば、久しぶりの再会なんですから、懐かしいムーミン谷でもっとゆっくりしたかったのですが、この映画はなんとリビエラが舞台!ムーミン谷で静かに暮らすムーミン一家が、ひょんなことから貴族や映画スターの憩う南国のリゾート地、リビエラに行くお話なのです!

冒頭で出て来る懐かしいムーミン谷を、一家と共に後にするのはちょっと寂しかったものの、それからの冒険は楽しさの連続!おなじみのメンバーがそれぞれ全く異なる個性で色んなことをやらかしてくれて、瞬きをする暇も惜しいほどです。何と言ってもまず絵が楽しいし、落ち着いた色調の美しさにはとても安らげます。愉快な登場人物たちも、脇役に至るまでみんな個性的で魅力的。この物語はまさにみんなが主役という感じですね。脇役キャラ、という物が存在しません。

ところで、ムーミン、ムーミンパパ、ミーとスナフキンは、子供の頃の印象そのままだったのです。が、フローレン、ムーミンママ、ミムラ姉さんは、随分と違った印象です。子供の頃、テレビ・アニメで観た彼女達は、どちらかと言うと気立ての良いおしとやかな優等生だったと思います。ちょっと困った甘えん坊なところのあるムーミンや、気ままなムーミンパパに比べて、この女性陣は彼らを支える良識派のしっかり者、優しいお姉さんタイプだったような印象でした。

ですが映画の中での彼女達は、男性陣顔負けのやんちゃぶり!決してムーミンやムーミンパパの背後に回って彼らを支えるような存在ではありません。筋の通った信念と美学は持っているものの、かなりの天然で傍若無人なムーミンママ、ミムラ姉さんはなんというか、も、もしや男好き?なんて思わせるシーンがあるし、フローレンに至っては完全な小悪魔、悪女と言ってもいいかもです。これには驚きました。

多分トーベ・ヤンソンの原作では、女性陣は女性だからと言って、おしとやかでもなければ我慢強くも無く、男性陣同様にしごく自由に生きているのでしょう。というよりも、彼らの世界にはそもそもジェンダーをベースとした精神的な役割分担というものが、基本的に無いようですこれはとても素敵なことだと思いました。

ムーミン一家やその周りの人間(?)関係にも、子供の頃には気付かなかった興味深い点が多々見えました。彼らは家族や恋人同士という近しい関係性であるにも関わらず、殆ど互いに干渉しないのです。もちろん、ムーミンとフローレンの間には恋人同士特有のジェラシーなんかもちゃんと存在していて、率直過ぎるほどに相手への独占欲をあらわにします。要求もするし怒ったりもします。

だけど決して、相手を変えようとはしないんですよね。これはもうひとつの、とても素敵なところだなと思いました。それから、私が今回一番楽しかったのは、ムーミンママのシンプルさです。ムーミンママの行動には、ほとんど理由が無いんですね。こうだからこれをする、というしっかりした動機や理屈付けが無くて、ただ、その時にそう思ったからやる。やりたかったからやる。なんとなくやる。楽しいからやる。という感じです。すると後からそれが、ああ、そうしておいてよかったね、みたいな事になるんです。

まるで悟りを開いた高僧みたいな生き方です。心のままに、やろうと思った事をためらわないでやる、どんなに意味が無いようなことでも、余計なことを考えないで、ただやる。あっけらかんと、結果や成果を期待せず、その時思いついたことをやるするとそれが後から、結構大切な意味を持ってきて、みんなの窮地を救ったりもするのです

大人になってから再会したムーミン一家は、愉快なだけでなく、思っていたよりもずっとお手本になる生き物たちでした。

それにしても、映画が楽しかっただけに、これ一本では物足りない!リビエラから戻っていつものムーミン谷で日常を営む彼らの姿を、もっともっと見てみたい!と心から思います。続編、続々編と、どんどん作ってほしいなあ。

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劇場版ムーミン

南の海で楽しいバカンス

2/13(金)より、全国ロードショー ^

配給・宣伝:ファントム・フィルム

© 2014 Handle Productions Oy & Pictak Cie © Moomin Characters™

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