こんな視点はいかがでしょう? MIKAKUの易占アドバイス(2月第4週) 〜うるう年〜

ボタンの掛け違いは、とりあえず無視。まだ掛け違えていない部分を、きちんとはめて、まとめ上げた後で。 あくまでも、「小さなかけ違い」に過ぎないのですから。

大衍筮法による易占、4096の卦から得られる、先哲の英知。
取り入れてみると、ちょっと素敵な一週間になるかも?
易者MIKAKU(未畫齋)がお伝えします。

 

今年はうるう年です

2016年は、閏年(うるう年)です。2月は例年より1日多く、29日まであります。
易では、「うるう年」が直接に関係することはないのですが……。
それでも、テクストである『易経』に、「閏」という字が現れる場面があります。

占法に関する(と、一般的に解釈されている部分の)記載です。

大衍筮法では、50本の筮竹を使います。

1本は、「太極」に見立てます。これは不動の存在を象徴しますので、使わず脇に置いておきます。
49本を左右に振り分け、「天地」に見立てます。一本取って「人」に見立てます。
「天」を4本ずつ数えます。4は「四季」を象徴します。

と、ここまでは現代の私達にも、理解できる理屈なのですが……。

4本ずつ数えると、あまりが出ますよね。
これが「閏」(うるう)であると解釈されます。
しかしこの「閏」、うるう日ではなく、うるう月のことを指しています。

易が行われていた東アジア社会は、伝統的には太陰暦(太陰太陽暦)を用いていました。
したがって、「閏」と言えば「うるう月」。暦の中に、1日ではなくひと月が挟みこまれます。
だいたい19年に7回の割合でやってくる、とされていました。

しかし、この「19年に7回」をどう挟むかについては、いろいろなルールがあったそうです。
江戸時代など、関東と関西で、「うるう月」を挟むタイミングが違う暦を使っていたとも聞いています。
それでも社会が回っていく、その大らかさも悪くないなあなんて思ってしまいます。

 

少し、過剰

今回は、そんな着想と縁のある卦をご紹介します。
「小過」(雷山小過)です。「しょうか」と読みます。

「小過」は、「小さいものが多過ぎる」、もしくは、「少し過剰である」という意味です。
分裂や食い違いによる困難に直面している時期を象徴します。

「少し過剰である」と言うことは、必ずしも悪いとは限りません。
たとえば、「地震に備えて、少しだけ余計に食べ物を家に置いておく」こと自体は、むしろ褒められてもいい行動です。
もっとも、「小過」は、その前提にある精神状態を象徴する運気です。
地震に備えるのは、地震が心配だからですよね。

それと同様に、何かストレスを感じがちで、少し過敏になっている。神経質になってしまっている。そのような状態が「小過」です。
このような時には、余裕を持って行うべき大事業に手をつけてはいけません。ですから、「小さいことには吉」だが、「今は大きなことを行うべきではない」とされます。そのような占いの言葉が、「小過」の卦には示されています。

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小さなかけ違いは、落ち着いて対処。

このような「小過」の卦とその対策に示された言葉から、以下のような指針を得ることができると、私は考えています。

「ボタンの掛け違い」がなぜか起きてしまう。ひとつひとつは小さいけれど、それが連続して起こる。お仕事でも、恋愛でも、もろもろの場面で。
そのような時には、一気に解決しようと、大きく動くべきではない場合もあります。
気をつけないと、今度は「大過」(たいか)の卦のように、「あまりにも過剰・やりすぎ」という状態に陥りかねません。掛け違えたボタンを直すはずが、ボタンを引きちぎってしまうような事態になっては、後悔が生じてしまいます。

このような時は、「低姿勢を貫く」・「低空飛行」といったイメージで、控え目に気楽に過ごすのが良いかもしれません。
ボタンの掛け違いは、とりあえず無視。まだ掛け違えていない部分を、きちんとはめて、まとめ上げた後で。
あくまでも、「小さなかけ違い」に過ぎないのですから。

2016年は、うるう年。1日多い分だけ、対処の時間も1日余裕ができています。
落ち着いて対処できれば、必ず元に戻ります。

と、こんな視点はいかがでしょう?

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個別の問題について、指針を提案いたします。
参考になるところがありましたならば、幸いに存じます。

金運:小さな出費でイライラが募る時は、大きな目で見た出入りを思い出して。
仕事運:人間関係でギクシャクした時は、一歩譲ると良いことがあるかも。
就職・転職:小さな怒りで大事を決めるのは、お勧めできません。
恋愛・結婚:すれ違いがあるように思えても、
落ち着いて考えれば、小さなものではありませんか?
家庭:できないことにイライラする時は、やれることから手をつけるのが吉。
学問・芸術・趣味:得意なこと、楽しいことで気分転換を。

 

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