「鉱物としてのパワーストーン」と「呪術としてのパワーストーン」前編

パワーストーン

 こんにちは、 マユリはオンラインでペンジュラム・ダウジング講座やパワーストーン講座を開いています。 そこでよくいただく質問が、「パワーストーンって本当に効くのですか?」というものです。
 

鉱物としての効果と、呪術的な効果は全く別

パワーストーンを語る時、全く別個の二つの要素を区別する必要があります。

一つは、鉱物としての石本来が持ってる癒し効果で、もう一つがパワーストーンの中に入れた特殊なエネルギーがもたらす呪術的作用です。

呪術を使うとあらゆる物の中に特殊なエネルギーを入れることができます。(呪術というのは、西洋でいう魔術のことで、日本では呪術といいます。)護符やお守りに入れるのと同じ手順で、パワーストーンにもエネルギーを入れることができます。エネルギーワークや波動転写機で、誰でも簡単に入れるようになったせいで、昨今ではエネルギー入りの石が巷に溢れています。

そういった特殊なエネルギーを入れた石と、石本来の鉱物の放つエネルギーは全く別物なのです。そこがごっちゃに語られることが多く混乱をきたしているのです。

呪術としてのパワーストーン

よく「なんでも願いが叶う石がないかしら」といわれる方がいます。

なんでも願いが叶う石? どこかできいたことが……そう! 年配の方ならお分かりですよね。 高橋留美子先生の漫画 「犬夜叉」 にでてくる 四魂の玉 です。アニメにもなったので、ご存知の方も多いでしょう。ありとあらゆる願いを叶える四魂の玉をめぐって、人間や妖怪が争う物語です。  

  「ありとあらゆる願いが叶う」ですから、「金運があがる」「恋愛運が上がる」……すべて含まれますよね。ようするに、四魂の玉はパワーストーンのスーパーバージョンなのです。   

では、そもそもなぜ、四魂の玉は、「なんでも願いを叶えることができるのでしょうか?」

四魂の玉には、特殊なエネルギーが入れられています。古代の巫女の(翠子)の魂と妖怪の魂です。この巫女と妖怪の魂こそが「願いを叶える」不思議な力の源泉 なのです。

魂といえば聞こえがいいですが、わかりやすく言うと、巫女の幽霊と魑魅魍魎が入っているのです。

呪術が施されたパワーストーン

アニメ上の架空の話ではなく、実際に、人の魂がいれられたパワーストーンを見たことがあります。あるお客様に「通販で買った水晶が届いてから体がだるいのでみてほしい」と依頼されて鑑定したところ、その水晶には鎌倉時代の巫女の幽霊がはいっていました。(犬夜叉の翠子は平安時代の巫女です。)そんなものが、気軽に通販で売られているとはびっくりしたものです。

ちなみに、それは偶然入ってしまったのではなく、わざわざ入れてあるのです。なぜならば、この幽霊こそがなんでも願いをかなえてくれる当体だからです。今時の方に分かりやすく言えば、一種の使い魔のようなものといえばいいでしょうか。

そうですね……アラジンと魔法のランプをイメージしてもらえばいいかもしれません。ランプならぬ石の中に使い魔が入っていて、願い事をされると発動するのです。日本だと壺に入っていることもよくあります。得体の知れない壺は要注意です。

要するに「なんでも願いをかなえる石」とは、こうした呪術を施した石なのです。

人の欲望を再現なく駆り立てる魔的な玉 

「呪術でもなんでも願いが叶えばいいじゃない!」う~ん……

犬夜叉の登場人物・弥勒法師が、こんなことを言っています。

「この玉は確かに願いを叶えてくれるが、本当の願いは決して叶えない。だから、人は、次から次へと際限なく、新たな願いを玉にかけるのだ」

この玉は、人間の欲望を駆り立て、それを自らの肥やしにしている玉だというのです。これでは叶えば叶うほど際限なく欲望が膨んでいき、しまいには身動きが取れなくなっていきます。そう、これっていわゆる黒魔術です! 四魂の玉は、関わった人を魔道に落とす呪術の玉なのです。

黒魔術を行うと、一見目の前の願いが叶ったいるように見えますが、長い目で見ると、実は、どんどん不幸になっていきます。黒魔術とは、願いを叶えてくれる代わりに必ず見返りを要求します。よくあるのは寿命です。黒魔術を行った者が、突然亡くなったり、本来の寿命より若く亡くなることがあるのです。

注意すべきは、「これは黒魔術です」とちゃんと明示しているものはごく一部に過ぎません。一見、すごくいいことのようで、内実は、黒魔術というものが世に横行しているのです。

作者の高橋先生は呪術的な知識がある方のようで、犬夜叉には、ところどころ呪術的な真実が散りばめられています。ラストでは、主人公かごめによって、この邪悪な玉は消えさり平和が訪れるのです。


—— 後編に続く ——


マユリ




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