貴方の前世は本当ですか? —— ビジョンは嘘をつく①前世の夫が婚活の邪魔をしている女性

こんにちは、マユリです。

マユリのところには、自分の前世についていろいろと語るお客様がよくこられます。

「貴方の前世はこうだったよ。」と、誰かに告げられた方もいますが、催眠療法(ヒプノセラピー)などで、自分自身で前世のビジョンを見た方もいます。
人に言われたのと違って、自分でみるとリアリティがあり、すっかり信じ込んでいるようです。

でも、そのビジョン、ほんとうに本当なのでしょうか?

そうはいわれても……よほどの歴史上の有名人でもない限り、本当かどうかなど確かめようがありませんよね? 今日は嘘の前世、すなわちフェイクのビジョンについてお話ししましょう。

 

恋愛がうまくいきそうになると逃げてしまうのはなぜ?

もう10年くらい前のことです。
40代前半の女性が婚活の悩みで来られました。彼女は、今まで男性とお付き合いしたことがないとのことでした。

なかなか可愛らしい感じの方で、実年齢よりも若く見えます。お話を伺っていると、男性を好きにはなるのですが、いざ向こうがその気になると、冷たい態度をとってスルーしてしまい、お付き合いに繋がらないことを繰り返しているようでした。男性からすると、「自分に気があるな」と思って、アプローチをかけると、手のひらを返したように拒否られるので、わけがわからないかもしれません。その原因を探るべく、クリスタル前世セラピーをしたのです。

クリスタル前世セラピーとは、石の作用で変性意識状態になって前世のビジョンを見るセッションで、いわゆる催眠療法(ヒプノセラピー)と同じように、クライアントが自分で自分の前世のビジョンをみるものです。

 

つじつまの合わないビジョン

彼女のビジョンに最初に現れたのは、一本の樹でした。その木から、白い液体がどろどろと漏れ出します。まるで、ゴムの木のよう……でも、そう、お気づきの方もおありでしょうが、これはかなりエロティックなビジョンです。つまり、「男性の霊体がいて、彼女に対して欲情している」ことを示唆しているのです……この男性の霊体が、彼女が他の男性と付き合うことを嫉妬して、付き合いそうになると邪魔をしている可能性があるようです。

むろん、彼女は全く気付いていません。先入観を与えないように、彼女には何も言わずに、見えたまま続きを話してもらいました。ビジョンを見ているのは彼女です。

19世紀あたりのヨーロッパの光景です。若い女性が、シチューのようなものを作っています。余談ですが、昔のヨーロッパの庶民のビジョンを見るときに、スープとかシチューはよくでてきます。今の洋食のような皿物はそうそう登場しません。その当時では、一部の裕福な人々以外には、まだまだ贅沢な食べ物だったのでしょう。

食卓の準備をして一人で誰かを待っています。夫でしょうか? なかなか、帰ってきません。まだ待っています。焦れて、心配そうです。まだ? まだ? 本当に遅い……どうしたのでしょう?一瞬、彼女が真っ赤な目をして泣いているのがみえました。

ああ、やっと夫がかえってきたようです。前世の彼女はほっとして、二人で食事をしています……

このように、彼女は見えた通りに語りました。

ちょっと待って! このビジョン、何か変です。帰りが遅かったくらいで子供ではあるまいし、目をはらして泣くでしょうか? しかも、その後、二人で仲良くお食事ですか? 話の流れとして、何か変ではないでしょうか。

 

ビジョンは嘘をつく—本当の前世が現れる

あまりに腑に落ちないので、泣いている前世の彼女に語り掛けました。「ねえあなた、何がそんなに悲しいの?」

新たなビジョンが始まりました。

彼女の夫は、木こりのようです。道具を木の上に置いたまま、木の下で昼食を食べています。バスケットに入れたパン、日本でいう愛妻弁当でしょうか……

突然、木の上の道具が落ちてきて頭に当たり、そのまま倒れて動かなくなりました。当たり所が悪かったみたいです……そうして、彼女の夫は亡くなったのです。

帰ってこない夫、そして夫の死の知らせ……彼女が大泣きしていた理由がわかりました。これが真実なのです。

これが、前世の彼女が認識している事実です。では最初の話はいったいなんだったのでしょうか?

 

前世の夫が憑依している女性=男性と付き合えない理由

最初の話は、夫の側が認識している事実です。

彼は、頭に道具の直撃を受けて意識を失い倒れました。ところが、しばらくするとむくっとおきあがって、何事もなかったように家に帰り、心配そうに待っていた妻と一緒に、食事をするのです。

彼は、本当はこの時に死んでいます。ところが彼の魂は、死を自覚せずに、何事もなかったかのように帰宅し、愛する妻の下へ帰るのです。そして、それからずっと一生、幽霊となって彼女のもとにいたのです。むろん、自分では死んでいる自覚はありません。

問題は、前世の彼女が一生を終えた後です。

彼女が生まれ変わっても、前世の夫は今世の彼女にもまだ憑いており、彼女が男性と付き合おうとすると、自分の妻が他の男性と浮気しようとしていると思いこみ、邪魔をしてくるのです。それが、婚活がうまくいかない……というより、男性とお付合いできない原因でだったのです。

最初に出てきた「白い液体が漏れ出る木のビジョン」それは、この前世の夫の幽霊が、ビジョンの中にシンボライズされて現れた姿でした。