サイキックとしての意識について 2017年11月　マーティン・ジョーンズ

この瞬間を生きれば、人生はより冒険とサプライズの連続になります。

何が起きるかわからない、だからこそ待って様子を見る。すると喜びとワクワクが生じます。
道教には「無為」という重要な概念があります。
これは「非行動」「非作為」という意味で、大勢の人がこれを怠惰、もしくは個人的方向性の欠如と捉えています。
真意は、乏しい判断のもと行動を起こさないということです。
私達は未来の予期的状況を想像し、それがどう展開するか考え、そうなると自分の感情的反応まで考えています。
そういった状況が起こるずっと前に、です。

道教では静けさの中で、新たな状況が生じるたびにその状況において自然発生的に行動することを選択します。

こういった時にこそ、人はサイキック能力をより自然に、ありのままの状態で感じることができます。
その一つの理由は、マインドに前提条件を課しておらず、特定のあらすじで固めていないからです。
慌ただしくカオスな日常を送っていると、常にこの状態に達することはできません。
それにモンキー・マインドが原因で不可能な時もあるでしょう。
モンキーと呼ぶのは、猿はじっと座ってはいないからです。
時にふれ、ただこのことを思い出すだけでもマインドはリラックスし、内なる平和を呼び起こすことができます。

個人欲求はサイキックの明晰性を大いに曇らせます。
あらゆる思考と感情でいっぱいになるからです。
時に、ポジティブな感覚を持ったり、たとえばこうなってほしいという特定の結果をもう知っているような感覚になったりします。
ですが、こうなったらいいなという願いの思考、楽観的でいること、そしてサイキックな直感、これら三つの違いはとても微妙です。
こうなったらいいなという結果を望み、強く定義づけされた視点をもった状態では、未来を明晰に見るのは困難です。

このようにマインド、感情、エネルギーの組合せに気づいていられると良いでしょう。
気づきがあればサイキックな思考や感覚と思っているものを完全に理解・立証させる前から執着し過ぎることもありません。

サイキックな感覚や思考と、単なる欲求や楽観思考から出てきた発想の違いを知るには何年にもわたる切磋琢磨を要します。
クライアントを観る際は、相手の望みや欲求エネルギーに付着しないよう注意せねばなりません。
真のサイキックの意識が弱まったり隠れてしまう可能性があります。

たとえばもしサイキックの人が人生のある出来事に付随するネガティブな感覚に出会ったとします。
それが通常の人間の基本レベルの不安なのか、実際に予感なのかわかるはずです。
サイキック能力やミディアムシップ能力を高めてゆくなら、進化心理学の少なくとも基礎的識見を得ておくと役に立ちます。
その中でマインドのネガティブに関する偏見について学び、人が未知の領域に踏み込んでゆく際にどうしてマインドがそれを止めようとするかを学ぶことができます。

マインドフルネスを学ぶのも、人間のマインドや思考パターンを研究する素晴らしい手段です。

明晰で正確な気づきを再発見し、本質的に私達の真の性質を見出すことができます。
仏教でいう「仏性」もしくは「初心者のマインド」です。
真の自己について知れば知るほど、より自然にサイキックの意識が流れます。

人を助けるためにサイキック能力を使う際、そのサイキックは相手のオーラと溶け合うことができます。
中には、オーラに含まれるありとあらゆる色彩が見える人もいます。
そのいろいろな色彩（各色の明るさも）はその人のマインド、エネルギー、人生のあらゆる面を象徴しています。
大量の情報を観察することができるのです。サイキックの意識レベルによって、相手の人生をどこまで深く見られるかが決まります。

私達は時おり、問題に呑み込まれて前の道がはっきりと見えなくなります。
そうなった時に熟練したサイキックは明晰性を与え、アドバイスし、サポートすることができます。
高度の共感能力を発達させるとサイキックは自然に人の感情を感じることができるようになります。
客観性を通して、本人よりも明晰性をもって見ることができるのです。
するとクライアントはもっと楽になるはずです。
サイキックは欠点や問題点ばかり強調してクライアントの力を奪ってはいけません。
原因の理解を助け、クライアントが自分の内に力があることを感じさせ、前進するために現実的な解決策が見つかるよう手助けもすべきです。

人は皆サイキックかといえば、答えはイエスです。
ですが、すべての人が自分の能力を理解しているかというと、そうではありません。
人は誰でも他人とコミュニケーションをとる能力がありますが、すべての人がうまくコミュニケーションできるわけではなく、熟達している人はほんのわずかです。
それと似ています。

熟達した教師は生徒のエネルギーを感じとり、生徒達の概念や思考パターンを見抜くことができます。
成長を阻む精神的なブロックや恐れも見てとり、潜在力をフルに活用できるよう寄り添って優しく手助けします。
決して忘れないでください、オープンなマインドと優しいハートがあれば、人生の良い学び手となれるのです。