マインドフルネスとミディアムシップ〜マーティン・ジョーンズ 2017年5月

正式にミディアムとしてのトレーニングを受ける前にマインドフルネスを学んでいたらよかったのに、と思うところもあります。 そうしていれば、その後の15年間はマインドフルネスをもっと活かしてミディアム能力を伸ばせただろうというのが正直なところです。

霊界は、この宇宙やどこか別の場所に物理的に存在するわけではありません。

霊界にいる友人や家族はいつも私達と共にいて、私達が必要とすればいつも愛とサポートを提供してくれます。

ところが、亡くなった人はどこか手の届かないところにいるのだと多くの人が教わります。
大半の人はいわゆる「死者」とのコミュニケーションをとろうとも思いませんし、死者と話すなんて普通はできないとすら考えています。

マインドは思考、提案、理由を挙げては「だからそんなことは不可能だ」と言ってきます。
マインドフルネスはこういった思考がなぜ生じるかを気づかせてくれます。
簡単にその思考を認識し、受けとり、却下することができます。

私達が生きるこの物質世界では科学や自然を通して物質というものを多く学んできましたが、もっと広大な視点からとらえた「生命」についてはいまだ明らかになっていません。

故人と明晰なコミュニケーションをとるということも、この世界や物理的法則について学んできた知識ではうまく説明がつかないのです。

現時点ではエネルギーや生命の存続(国際スピリチュアリスト連合は生命の存続を「人間の魂の継続的存在」と記述しています)についてまだ究明されていませんが、今後2~30年の間に科学的理解が深まることを私は期待しています。

誰でも子供の頃はもっとオープンな心で未知なるものを知ろう、受け入れようとしたものです。
人の感情を敏感に感じ取る子供達の中には、人のオーラの色が見える子供も多勢います。

子供達は霊界に対して気づきがはるかに大きく開いています。
通常、7歳ごろに子供たちはスピリチュアルな本質・気づきを失ってゆきます。
その理由の一つに自分という感覚、エゴが形成されるという面もあります。
常識や理論に基づいて思考、概念、経験が形成されてゆく時期でもあります。

 

マインドフルネスとは何でしょう?

名著「マインドフル・コンパッション」で著者のGibletとChodenはマインドフルネスを「偏った判断を下すことなく思考活動を観察しようとする意識的意図‐ 一歩ひいたところから、何に対しても反応することなく頭の中に生じるものに気づくこと」と定義しています。

ペースの早い現代社会に生きながらミディアム能力を伸ばしてゆくのは容易いことではありません。
すべてにおいて優れていなければならないという多大なプレッシャーを受けながら私達は生きています。
そのため私達は「いますぐ」素晴らしいミディアムになろうとして自分自身にプレッシャーをかけ、発達過程が本当はどれほど素晴らしいものかを見逃してしまいます。
終点と成功にのみ意味をもたせていると、新たな経験がもたらす喜び、新経験と学びがもたらす幸福感を得ることはできません。

ティク・ナット・ハンは著書「怖れ:心の嵐を乗り越える深い智慧」でマインドフルネスを「私達の気づきを体内に戻し、いま・ここにいられるよう促してくれる一種のエネルギー」と説明しています。
そして、このマインドフルネスによって私達はいまこの瞬間の存在、自分の感覚や感情に繋がり、世界に対する自分の視点がよりクリアにわかり、人生の神秘を真に味わうことができる、と伝えています。
マインドフルな気づきがあれば、自分の高次のスピリットレベルに焦点を合わせ、霊界と融合することが可能になるのです。