私は鈴木紀子、みんなからのんちゃんと呼ばれています。
あの不思議な出来事があったのはちょうど2年前、あのことがなかったら、今も私は合コン、婚活パーティにいそしみ、悔しい想いや情けなさを感じながら、パートナー探しに奔走していたかもしれません。
「もう! おっさんばっかじゃん!! 今回は過去最悪、3本指内に入るわ……(溜息)」
全く収穫がなかった婚活パーティ、いや、金返せ! と叫びたくなるくらい、外れなパーティにどっと疲れを感じ、ベットの上にゴロンと横になりました。
「化粧落とすの面倒くさいな……。今年8回目の婚活パーティかぁ……」
ブツブツと独り言をいっていると、なんだか情けなくなり、やめました。
スーツがしわになることを少し気にしながらも、布団を頭からかぶり、こんなこといつまで続けていけばいいんだろう……と思うと、よくわからない不安が襲ってきたのです。
「あー嫌だ嫌だ!! こんな気持ち感じたくない!!」
不安を拭い去るように、ガバっと布団をはぐると、浴室に湯をはりだしました。
冷蔵庫から缶チューハイを取り出し、ゴクゴクと2,3口一気に飲むと、脱いだスーツをベットにほうって、下着を洗濯ネットにいれました。
「お気に入りのブラとパンティはいてったのになぁ……」
お風呂から上がり、目をつむりながら、ベットの上であぐらをかきながら髪の毛をタオルドライしていると、
「はろ〜〜〜のんちゃん」という声。
びっくりして目を開けると、そこには超イケメンの男性が立っていました。
驚きすぎて口をポカンとあけていると、
「ヘイ! ヘイ!! ベイビー、僕が宇宙一かっこよすぎるからって、見つめられても何もあげないよ〜〜。それとも僕のキスがほしいの?」
という、ものすごいうぬぼれたセリフで一気に現実にもどされました。
そして、自分のお風呂上がりのキャミソール、短パンの恰好に気づき思わず「キャッ!!」と叫び、ベットの端までお尻でずり下がると、この絶イケメンは「心配しなくても大丈夫!! 僕、人間の女には興味ないから」と真っ白い歯をキラーンと見せながら言いました。
自分の部屋に知らない男性。
普通なら恐怖で叫びたくなるはずなのに、全然怖くない……。
「あんた誰?」
混乱する頭の中から振り絞った言葉がこれでした。
「あ、僕? 僕は神様♪」
ステインが全くない真っ白い歯を再び見せびらかすように、にっこりと笑って“奴”はそう言い放ったのです。
突如現れた神さま、何がどうなっている??
次回、「運命の人との出会いの扉を開こう〜〜のんちゃんとイケメン神さまのレッスン その2〜」に続きます。
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