「あのね、お金なんて稼ぐの簡単なんだよ。お金を稼ぐの大変だと思ってるでしょ？ とっても大きな勘違い。お金を稼ぐにはみんなを躍らせるんだよ。ほら、ここまでたくさんの鳥居をくぐったでしょ？ あれだってお金がたくさんかかるし、途中の拝殿もみんなたくさんお金がかかってる。みんな、何故たくさんお金払ってるかわかる？」
病気を治したり、商売繁盛したり、懇願成就させたいからでしょ？
「そうそう、だからその思いを形にしたためて奉納してるの。でも、叶えるのは自分自身で、ボクたちはそのシンボルとして一役買ってるだけなんだ。これだけ、お金払って奉納したから懇願成就するでしょ？ って、その思いが懇願成就させるんだよ。懇願成就の為にみんなの気持ちを汲んで躍らせてあげてるの。だから、キミも踊りなよ。」
どうやって？
「簡単だよ。ここは悩みの総合デパートだよ。悩みはその人の強みに変わる。懇願成就させるためにみんなを躍らせてるの。どうやって踊るかは本人次第。きみはどうやって踊る？」
具体的に何で踊るかは良くわからないけど、好きなことで踊りたいかな。
「なら好きに踊りなよ。ここでは何でも悩みを強みに変える力があるんだよ。わかったなら、早くしてくれる？」
指を擦りながらチップを催促するジェスチャーをするキツネ。
「授業料だよ。きみがぼくたちに与えた分だけキミの元へお金は戻る。その時にどんな気持ちかな？ 気持ちの分だけでいいよ。金額はキミが決めればいい」
なんだか、とても現実的なキツネ神。
「あのね、ぼくたちお金使えないからね、別に欲しいわけじゃないんだよ。お金を奉納することはきみ自身にそれだけの価値を生み出せる自信につながるんだよ。大きな鳥居が一つ１００万円以上するでしょ？ それを奉納できるってことはそれだけの余裕のある自分ということを認められて、さらにお金を産みだすことができるんだよ。逆に、たくさん持っているのに出し渋る人は、神への信頼がない人で、神は無限である自分自身だから、その信頼がなければ、一般庶民として頑張るしかないね。」
その後、個人的なビジネス相談が続き（内容は個人的な事なのでここに書くことができませんが）どんな事でも納得させられてしまうほど、賢いビジネスキツネ。
「ぼくたちは神様のお手伝いをしているんだよ。どんな神社だって、ほとんどセットで稲荷神社が付いているでしょ？ 五穀豊穣の神で、神様の飯炊き役なんだよね。神様に使われているの。そして、きみたちがあまり踊りが上手じゃないから、躍らせてるの。有限の神を躍らせてマネーゲームを楽しませているんだよ。何でも血眼になって頑張ればいいってもんじゃない。もっとリラックスして楽しまなきゃお金に好かれない。だって、これ、マネーゲームだからね。そうそう僕たちの仲間を探してくれない？ よく狐に憑かれた人とか聞いたことあるでしょ？ 悪狐が憑いている人を探してきてよ。憑いている人を見分ける、最も簡単な方法はね。最初の見極めは、お金に対してケチくさい人つまりセコイひとね。その人たちはお金に対しての執着心が強いの。意識が外へ、外へ追いかけるけど、満たされることがない。そんな人には悪狐が一緒にいるから、見つけたら連れておいでね。僕たち狐は気高いから、悪狐さえ、才能のない人にはとり憑いたりすることはない。悪狐は人の邪気を吸って変化したものだから、人よりも動物は純粋で従順なんだ。悪狐の邪気を払い、美しい姿に戻すこと、悪狐を捕まえると、とり憑かれていたその人にも本来の価値が生まれ金の卵を産む人になりうる。」
神様という存在自体がお金に対してタブーなイメージがありますが、実際神様は、お金を使うことができません。使うことができるのは、物質世界の有限神である私たちだけです。
私たちが無限の神に求められたことは、私が私である事唯一無二の存在であるからこそ価値がある。存在だけですでに価値があるのに対し、血眼でお金を集めようとするよりも、自分らしく生きることに感謝し、神に感謝の意として奉納することで、物質的な世界にも豊かさがもたらされます。太郎坊宮でのお稲荷さんは光り輝き、写真をよく見返すと伏見稲荷御分霊赤神山稲荷神社ここに来ることを既に神様は予知していたことでしょう。
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