自分が幸せではないのに人を幸せに出来る?~人の相談に乗る事が自分が幸せを感じる手段となる罠~

テレビやメディアで有名になり、「お金」という魔物に引き寄せられ、 スピリチュアリティの本質から逸脱してしまった霊能者(占い師)も数多く存在します。

皆さんは日本に居る霊能者の90%以上が偽者と言われている現実を知っていますか?

日本と海外では一般人の「霊能者」と呼ばれる存在の認識には雲泥の差があります。

霊能者を装いながらも、相談者から生年月日を聞き出し、コールドリーディングやバーナム効果など、巧みな話術と心理効果を駆使し、宗教へ勧誘したり、高額なセミナー費を支払わせようとする……そんなエセ霊能者が日本には数多く存在しているからです。

そのため毎年、哀しいほどにエセ霊能者による悪質な事件をニュースで耳にします。

家族の人生を狂わされた。
死期を告げられ、お布施を要求された。
「このままではあなたは不幸になる!」
と訳のわからぬモノを売りつけられた。などなど。

私はエセ霊能者による悪質な事件をニュースなどで耳にするたびに
霊能者と言う職業がどんどん汚されていく気がして本当に心苦しくなります。

霊能者は「医者」、アドバイスは「薬」のようなものと以前も書きましたが、
良い医者であっても「薬」の配分を間違えれると患者の人生をむちゃくちゃにしてしまう
可能性があります。

霊能者を含め、鑑定師とは常に「人の人生を左右する」と言う重責を背負いながら、
全力で相談者の悩みに向き合う必要性があるのです。

しかし……余りにもその 「自覚」がない霊能者や占い師が巷には溢れています。

 

日本には占い好きが高じて占い師になった者が多い。

しかし、占い師になると決めたその時から占い師は勉強のためを除いて
自身は占いから一線を引くべきだと私は強く思います。

あなたは幸の薄そうなオーラを身にまとった占い師や
霊能者に遭遇した事がないでしょうか?

事実、自身が「欝」や「自傷癖」の経験者で、意志が弱く、
心の拠り所として占いに没頭し、様々な鑑定を受けるうちに
「これくらいのアドバイスなら私にでも出来るんじゃないかしら?」という事に気付き、
わざわざお金を出して鑑定を受けるより自分がやったほうが安上がりで納得できる。
などという理由から占い師になる者が決して少なくありません。

つまり「人の悩みの相談に乗ることが自分が幸せである事を
確認する手段」となっている者が少なくないのです。

そういう方々を否定するわけではありませんが
「自分がそもそも幸せではないのに他人を幸せにしたい」という考えは
「愛」ではなく、ある種の「逃避」 だと私は考えます。

正直それは、宗教に傾倒し、周りの人々を盲目に勧誘する人々と何ら変わりありません。

体はその人間を映す鏡です。

スピリチュアルを看板に掲げているにも関わらず、プライベートでは部屋で寝転がり、テレビを見ながらダラダラとスナック菓子を貪り、怠惰と欲望に身を委ね、自身の体の管理すらおぼつかない。

そのような人間が、やれ「ハイヤーセルフだ!」「天使の声が聞こえる」などと語っている姿を見ると、私はそれら無責任な鑑定士たちの話術を、藁をも掴む思いで信じようとする方々が哀れでなりません。

自身の体とすら向き合えてない人間が他人の魂と向きあえるでしょうか?

少なくとも、正しきスピリチュアリティを養うためには、自らを律した節制生活を心がける事が必要不可欠です。

少し人よりも直感が鋭いだけで霊能者は務まりません。

高いスピリチュアリティと繋がるためには心と体と日々、弛まぬ努力で向き合い、
それらを整えた先に訪れる「叡智」と言えるのです。

古くから僧侶や修験僧が人里離れた山で厳しい修行を続ける意味。
それは自らの欲望を切り離し、正しき霊性を高めるために他なりません。

現代社会において、それらの日々の実践は容易ではありませんが
スピリチュアリティを語り、人に「道」を説く者でありたいならば、
最低限、心・技・体を日々、実践する責務があると私は感じます。

しかし鑑定を受ける人たちにも理解して欲しい事があります。

それは 「霊能者や占い師というのも決して万能ではない」 と言う事。

我々もまた、 相談者と同じく人生に浮き沈みのある、ただの人間です。

無論、コンディションの悪い時に仕事をしないのが当然の対策ですが、
予約をキャンセルするのは忍びないと無理をして体調を壊す同業者も少なくないでしょう。

またテレビやメディアで有名になり、「お金」という魔物に引き寄せられ、
スピリチュアリティの本質から逸脱してしまった霊能者(占い師)も数多く存在します。

私たち霊能者(鑑定士も含め)は常に己を律し、節制を心がけ、人生を謳歌し、広い包容力と深い慈愛を持って、相談者と向き合う事の出来る環境を整えておく事が必須です。

それを忘れた時点で、私たちもまた彼らのような「ペテン師」へと成り下がってしまうのかも知れません。

スピリチュアル・リーダー クロ戌

 

《クロ戌 さんの記事一覧はコチラ》
https://www.el-aura.com/writer/kuroinu/?c=142227