神の島「久高島」 世界の平和を祈り続けているノロ(祝女)とは? 琉球神話の始まりの島をご紹介!

アマミキヨ女神と、シネリキヨ男神が降り立ち、 気や草を植え琉球国を創った最初と言われる久高島。カベール岬。伊敷浜。クボーウタキからイザイホーまで久高島を魅せます!

沖縄本島南部、知念岬の沖合いに浮かぶ久高島(くだかじま)は、
安座真港からフェリーで30分足らずのところにあります。
美しい海と深い緑。
鮮やかな花々に舞う無数の蝶。
驚くほど色濃い自然が目に飛び込みます。

人々は古くからここを「神の島」と尊び、歴代の王は毎年この島を参拝していました。
「琉球神道伝」
には久高は天からミキヨという女神と、シネリキヨという男神が降り立ち、
気や草を植え琉球国を創ったと語られています。

昔から沖縄では、女性が神事の役についています。久高島はその最たる場所で、
ノロ(祝女)を頂点とする巫女たちの島でした。
なんと、島の30歳以上の女性はみな巫女の儀式を受けているそうです。

御嶽など多くの聖地が男子禁制で、
島の年配の男性などは、今も風習を守り立ち入りません。
神々の祭事は年27回行われ、人々の幸福と世界の平和を祈願しています。

自然を敬い、神と共存する日常。

この島を散策すればここが神の宿る島だと実感するはず……

 

久高島

 

カベール岬
島の最北端。祖神アマミキヨはこの岬に上陸しました。また壬の日、ここから神が馬に乗り島を巡視するとも伝えられています。岬には「最誕の洞くつ」があるので是非「再誕の儀式」に挑戦してみましょう。

「再誕の儀式」①
カベール1

岬を右方向へ行くと洞くつがあります。そこで裸足になり、洞くつの右側の岩場を少し降りた波打ち際にある、平たい石の上へ。そこで深呼吸を3回します。

カベール2

 

「再誕の儀式」②
いよいよ洞くつに。洞くつは産道のように向こう側へ抜けられます。途中でお祈りをして出口へ。潮が満ちていると波がかかる事もあるので注意を。

 

 

「再誕の儀式」③
カベール3

そのまま海へ行き、手足など洗い浄める。夏であれば水着着用で、泳いでしまっても◎。足元が海藻ですべりやすいので気をつけて!

 

伊敷浜
伊敷浜

ニライカナイ(浄土)への遥拝所。昔ここに五穀の入った黄金の壷が流れ着いたという五穀発祥伝説があります。また人類発祥の地ともいわれます。この浜で朝日を拝し、自然の生命力を感じる時、五感が刺激され新たな自分に出会えます。

 

うちぱま
うちぱま

写真はロマンスロード。遊歩道になっています。島の移動手段で便利なのが自転車です。もちろん現地でもレンタル可。(一台300円)

 

ピザ浜
ピサ浜

潮が引いていれば砂浜を歩きたい! 伊敷浜まで砂浜なので、散歩コースには最適です。午前中なら蜃気楼が見えることも。

 

ヤグル川
ヤグル川

伝説で五穀のつぼを拾うために身を浄めたといわれる場所。どんな時も真水が枯れない海際の泉。ここで手を洗うなど、身を浄めましょう。

 

クボーウタキ
クボーウタキ

アマミキヨが創った琉球七御焚き嶽のひとつで最高の霊地であり、男子禁制イザイホーの副会場。祭事のときはクバの葉を円形に敷き、奥にある自然石の香炉(イビ)の前で夜通し祈願したりします。気高く、厳粛な空気が漂うまさに聖地そのもの。

 

イザイホーについて
Unknown12年に一度、午年旧暦11月15日から5日間かけて行われる、神秘的なお祭り。島に生まれた30歳以上の女性が巫女となるための儀式が行われます。数百年続いてきたこの神事は1978年以来、途絶えています。過疎が進み後継者がいないためです。

TRINITY7号より