『ハリィー先生とトリ子さんのサルでもわかるイントロ談義』
トリ子さん(以下 ト)
「いち、にっ、いち、にっ、青竹、踏み、踏み、いち、にっ、いち、にっ、……」
ハリィー先生(以下 ハ)
「あれまっ、トリ子さん、なんでまた『青竹踏み』なんかを、いきなり熱心に始めてるの?」
ト「なんでって、だってハリィー先生がブログで『青竹踏み』をすると、一酸化窒素の分泌量が増して、全身の血流が促進されるし、エコノミー症候群の予防にもなるって、盛んに書いていたから、真似してやってるのよっ。もう、自分で書いてて忘れたの?」
ハ「あっ、そうか、そうか、そうだったね。うん、いい心がけだね(笑)自分も治療院の流しスペースへの動線に段差があって、その段差を利用して青竹踏みならぬ、段差角材踏みを治療に入る前のウォーミングアップに必ず習慣でやってる。こうした小さな養生法の積み重ねがやっぱり大事だね。小さなことからコツコツと、のキヨシ師匠の心境だよ」
ト「でも、足裏を刺激すると気持ちがいいものね」
ハ「うん、そうだね。よく足裏マッサージが流行ったけど、そもそもこの療法の元祖は実はアメリカの耳鼻科、外科の医師フィッツゲラルド博士の発案なんだよ」
ト「えっ、足裏マッサージのオリジナルはアメリカ発祥で医師の発案だったの? 初耳だわ!」
ハ「あのね、フィッツゲラルド博士は鼻腔内の外科手術をしても、あまり痛がらない患者に特有の仕草があることを発見したんだよ。それが末端への刺激入力という仕草だったの。手の親指をギュッと握りしめたり、足の親指をベッドに突き立てたり、そんなことをしている患者が痛みを本能で軽減していることを発見したんだね」
ト「ふ~ん、末端の刺激入力で鼻付近の痛みが消えるのか?でも、手足の末端の刺激がなぜ遠隔部位の頭部の痛みを消せるのか、なんだかやっぱり不思議よね」
ハ「フィッツゲラルド博士は丹念に臨床を研究して、人体には末端と中枢を結ぶ10本の縦のラインがあるとするゾーンセラピーを確立したんだ。この10本のラインを利用すれば末端の刺激入力によってライン上の症状を軽減できる。そういう意味では足裏全体を刺激する『青竹踏み』は10本のラインすべてをいっぺんに調整できるスグレワザだね」
ト「ほんと、ハリィー先生って、こういう養生に関するトリビアな知識が豊富で話題に事欠かないわね」
ハ「まあ、このへんの知識は鍼灸指圧師としては知っていて当然なんだけど。でもミトコンドリアがらみになってくると、ちょっとマニアックでアヴァンギャルドかもね」
ト「そのミトコンドリアについては、今回はどんなお題かしら?」
ハ「うん、ミトコンドリアは活性酸素の発生源で病気の原因になるって話はトリ子さんも聞いたことあるよね?」
ト「あぁ、あるある。ミトコンドリアのなかに活性酸素が増えるとそれが病気の原因になる、って話でしょ?」
ハ「でもね、このへんの話はかなり怪しい、というか実際にはミトコンドリアの活性酸素が病気の直接の原因になる、という証拠は発見されていないんだって」
ト「えーっ、それじゃあ、その通説って何なの?」
ハ「だから通説にはけっこう間違いもある、という好例だよね。今回は『ミトコンドリアを正しく理解してミトコンドリア数を増やそう』と題して、ミトコンドリアにかけられた誤解を解いてみます」
ト「ミトコンドリア愛120%のハリィー先生ならではの講義ね。冤罪確定、勝訴~、といきますかどうか。仕上げをご覧じろ!」
『ミトコンドリアを正しく理解してミトコンドリア数を増やそう』
ハ「それで、活性酸素についてザックリと解説すると、これはヒトの体内で酸素の変化した分子で毒性が強くてDNAを切断したり、細胞膜の脂質を過酸化状態にすることで老化の原因物質として認知されている物質ということで、スーパーオキシドとか、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、励起一重項酸素分子などが取りざたされている」
ト「なんだか、ちょっと、難しそうで、また、逃げ出したいようなヤバイ雰囲気になってきたわ(笑)」